Huluにあった「マザー」というドラマを観始めたら止まらなくなってしまいました。助けて。
よく知らないのですけど主演が松雪泰子さんの日テレドラマのリメイクらしいですよ。リメイクされるなんて快挙やん。
てっきり10話くらいで終わるのかと思ったら、なかなか終わりやがらない。
スクロールしてみたら全85話もあった。
続きが気になり続けて51話まで観たのだけれど、夜中に観始めると止まらなくて寝不足の日々が続いています。
日本版は何も知りませんのでトルコ版についてだけ書きますよ。
とりあえず今回は初期の数回のエピソードについてだけ話しますよ。
【マザー】トルコ版
あらすじ
代理教師として小学校で教え始めたゼイネプ先生。鳥好き。もとは写真家らしい。
ゼイネプ先生は7歳の教え子メレクが母親とその恋人から育児放棄&虐待を受けていることに気が付いてしまう。
メレクの母シューレはホステスとして働くシングルマザーで、その恋人ジェンギズはシューレが稼いだ金で食べているヒモ男である。ジェンギズはシューレのマネージャーとしての役割も果たしており、シューレが稼いだ金はすべて取り上げてしまう。
ジェンギズの仕事はヒモなので原則働かないが、ナイトクラブで問題が発生して電話で呼び出しがかかった時だけ出勤する。シューレをホステスとして働かせているのに極度に嫉妬深く支配欲が強い。
ジェンギズはシューレ不在時にメレクに暴力を振るう。シューレもそのことを知ってはいるが何もできず見て見ぬふりをしている。そのシューレはというと、メレクの面倒は一切見ない育児放棄。
ジェンギズがシューレに暴力を振るうこともあるが、顔が命のホースーテースーなので今のところは顔は殴らない。
さて、ある日ゼイネプは希望していた仕事に転職が決まって学校を退職することになりました。そんなとき、メレクが忘れていったノートを自宅で見つけます(いちど保護して家に連れてきたことがある)。
ゼイネプ先生はメレクの家にノートを届けにいきます。
しかし、ゴミ置き場でゴミ袋の中に捨てられたメレクを発見します。
ゼイネプ先生は決心しました。
メレクの死を偽装してメレクを引き取り、自分がメレクの母として生きていくことを。
といった話です。
おもしろそうでしょ?
ネタバレなし感想
トルコのドラマは初めて観たので、まず初体験が多くて新鮮。
人々が日常食べる物(街角でプレッツェルがよく売られてる、家では大きなパンにトマトとチーズを詰め込んで食べる、トルコ民はお茶好き、お茶のカップはテキーラショットのように小さい、スープが好き等)、トルコの街並みや海辺の景色(イスタンブール綺麗) 、洋服(富裕層はよく着飾っている)、家族の距離感、コミュニケーションの仕方などなど。
特にコミュニケーションや人々の関わり合い方が西欧とも日本とも異なっていて、ちょうど西欧とアジアの中間のような感じがする。そういえばトルコは西欧とアジアの中間にある国だからねーとひとりで納得していました。
とはいってもドラマだからどこまでトルコの実際を正確に描いているかは分かりませんけれどもね。割と率直なんだけど、肝心のことについては話さない、みたいな…。それはドラマだからなのかしら。
とりあえずママはトルコ語で「アンネ」てのは分かりました。
それから美男美女が多いこと・・・まぁ美しいのを集めているので俳優が美しいのはどこの国でも同じだけどさぁ、トルコの俳優の美男美女ぶりは突出してると思いました。ヨーロッパとアジアと中東がうまくブレンドしたような顔立ちの人が多い気がする。
主役のゼイネプも美人で身長が176cmとモデル仕様、すらっとしてて画になるー。個人的にはあまり好きな顔ではないのだけれど(特に顔の下半分が)、寝てようが何してようが美人なので羨ましい限り。1980年生まれの現40歳なのにすごく若く見えます。
で、このゼイネプ先生が主役で、メレクという7歳の子が虐待に合っていることに気付いて誘拐して自分が母親として生きていくことを決意するわけなんだ。
メレクの母シューレはシングルマザーで育児放棄状態なわけなんだけど、日本でもシングルマザーによる育児放棄やその恋人による虐待が社会問題になっているので、こういう話題は身につまされますね。あっ、もともとは日本のドラマか。日本の「マザー」も観てみようかな。
シューレを演じるのはこの方。ゼイネプに負けず劣らずの美人。役柄故にすれた画像しかないんだけど、綺麗な人ですよ。ゴンジャ・ウスラテリという女優です。
私的にはゼイネプよりシューレママの方が好みなんだなぁー。レイチェル・ワイズやアーシア・アルジェント系の顔で、どの角度から見ても綺麗なんだぁー。こういう顔になりたいよ。
ゼイネプとシューレの女優を逆にしても面白かったかもしれない。
でもシューレのDQNママぶりはこの方じゃないと無理だったかもしれない。ドラマとして画面越しで観ていても、シューレがわめき出す度に耳を塞ぎたくなったのは私だけでないでしょう。それはもう、VERYウルサイんですよ…
シューレは日本のキャバクラみたいなナイトクラブでホステスとして働いているので、夜は恋人のジェンギズとメレクが二人きりになってしまうわけです。で、生活音を出したりするとメレクがジェンギズに暴力を振るわれます。
まぁ私も夫の早朝の生活音がうるさくて殺意を抱くこともありますけどね?メレクの生活音てドアが思ったより勢いよく閉じてしまったとか何か落としたとか完全に不可抗力なの。だから「静かにしろと言っただろー」とかは単なる口実で、はけ口として暴力奮ってるだけなのよねー。
狭い家中での養父(ちなみにゲーマーで一日中ゲームしてる)とのストレスフルな暮らしの様子がよく描かれていたと思います。
それに、シューレが家にいてもどうせ育児放棄状態なので何もしてくれません。「髪の毛を結ってほしい」と頼んでも「自分でやれ」と言われるし(「はーい、分かりました」と言って自分でやるメレクが愛らしい)、ご飯はメレクが作るし、ママのために学校で何かを作っても(母の日の工作とか)無視するし、ジェンギズによるDVも見て見ぬふりをするし。
メレクはしばしば家を出て「モスクで出会った素敵な家族に養子縁組してもらいました」という新聞のスクラップ記事を手に、自分もナイスな家庭に貰われることを夢見ながら、ペットの兎セクーズと一緒に夜な夜なモスクの前に座り込み活動を続けていました。利口かつ行動力のある7歳児なんだ、メレクは。分かるか。
ゼイネプ先生は偶にそんなメレクを目撃していました。
ゼイネプ、お前さぁ・・・夜なんだからさぁ、最初に見つけたときに保護したらんか?
教え子の7歳児がモスクの前でカゴ入り兎を持ってモスクの前のベンチの上で座っていたら・・・声ぐらいかけたげない?
そんな私の怒りの声がゼイネプに伝わりました。
ある冷え込む夜、ゼイネプはモスクの前で養子縁組活動中のメレクをやっと自分の家で保護します。
ゼイネプは他の先生と共に校長先生や教育委員会に虐待について訴えますが、証拠がないとか何とか言われて、結局何もできないまま家庭訪問だけで終わってしまいます。
なんかこの辺、甘々よね。警察が行っても加害者の前で「君、大丈夫?殴られたりしてない?」とか平気で聞くし。加害者がいる前で被害者が「はい、アンネ(母)が育児放棄しています。あ、あとアンネの彼氏がDVしてきます」とか言う子どもがいるか?
で、メレクが「・・・大丈夫です・・・」とか言うと「異常なし」とか言って警察帰って行っちゃうし。「異常なし」じゃないだろ。異常だらけの様子なのに。
日本も甘々だけど、児童虐待に関してはアメリカぐらい強硬路線でいっていいと思うわー。とりあえず児童を保護して、保護者と物理的な距離をとるという初歩的なステップぐらい踏んで。お願い。
あっ。そういえばやっと児童に性的虐待をした教諭が他県に行って教諭として働くことができないようにする法整備が見られるようになってきましたね。やっと。これ殆どの人知らないんじゃないかしら?信じられない話だけど、これまで児童に性的虐待をした教諭が他県に行って再び教諭になっていたって知ってました?なお、2020年に公立小中高と特別支援学校の児童らへのわいせつ行為で処分された教諭は少なくとも186人となっています。私立は入ってないのね…。
閑話休題。
極めつけは、ジェンギズがメレクに「これつけてみろ」と口紅を付けさせたときにシューレが帰宅してきて、シューレはメレクに嫉妬して
緩衝材がいっぱい入ったゴミ袋で殴りつけ
最後はメレクをゴミ袋に入れてゴミ出し。
・・・本当に酷いな。
児童虐待の現場だけは本当にキツくて見れない。でも本作は直接的に過激なシーンを見せないよう配慮してあります。たとえば暴行シーンは寸前まで、シューレがゴミ袋で殴るシーンもメレクの姿は見せず、空中に舞い上がる緩衝材とシューレが怒鳴ってぶんぶんゴミ袋を回すところだけ見せるだけなので実際にはそこにメレク役の子はいないはず。
メレクの可愛がっていた兎を殺したという話も実際にどうだったかは見せてないし、残酷なシーンは想像に任せられている。そういえばあの兎、ジェンギズがどこかに放しちゃっただけな気もするなー。
性的なシーンも簡単なキスぐらいなのは、イスラム教であることが関係しているのかと思います。まぁ、目が合うとすぐにキスし始めるアメリカンドラマと違って本題に集中できるんだけど。
日本版はどうだったのか気になる。むしろ日本の方が過激なシーンを見せてたのかも?
で、ゴミ袋に入っていたメレクを見つけたゼイネプはついにメレクの死を偽装して逃避行することにします。
さて、メレクの死を偽装した二人はこっそりとバスでイスタンブールに向かいます。メレクが海に落ちて死んだかもしれないと警察とテレビを巻き込んだ大走査線が敷かれているので、二人は細心の注意を払わねばなりません。
しかしそこはドラマ、ゼイネプが置き引きにあって全財産を失くしたりだとか、色々と主人公の間抜けな面が露呈します。本音を言っちゃうと、総じてゼイネプの間抜け具合に苛々させられることが多いです。
始めはゼイネプ本人が認めているように母親の経験がないことから母親が気付くようなことを見落としてしまう、見過ごしてしまう、気付かないといったミスはあるのですが、話が進んでいくとそうではなくてゼイネプ本人の猪突猛進ガールぶりが露呈していくんですねー。もちろんそれはメレクを愛するが故の必死ぶりを描いているんでしょうが、あまりにも「・・・え?お前、馬鹿?」という意思決定も多いし、他人の迷惑顧みないことが結構多いので、キャラとしてはあまり好きになれない。
さて、イスタンブールにはゼイネプの実家もあります。
ゼイネプの実家は裕福です(あるある)。ゼイネプの母は立派な弁護士で、父は他界していますが、仲の良い妹二人がいますよ。末っ子がまたギャーギャーウルサイんだわ。
置き引きで全財産を失ったゼイネプは母から金を借ります。どうやら暫く家に居つかなかったようで母から「何故家にもっと帰ってこないの?」とせっつかれます。
トルコは欧米の個人主義とも違うようで、家族同士の繋がりがアジア家族のように強いように思いました。かといって日本のように家族間の境界が曖昧で守られていない関係とも違う。互いの精神的・物理的なスペースを侵さないながらも家族同士のつながりが強く、家族の距離感としてはかなり理想的に感じました。アメドラに毒されている私にはこの辺も新鮮だなぁ。まぁ、衣食住に満たされリソースフルな富裕層の家庭だからこそ言えることですけどね。
というわけで、大体の粗筋がイメージできたかと思います。
本作については引き続き記事をいくつか書く予定です。
【マザー】はHuluで視聴できます。