冬の嵐の前の静けさ。
ウェスタロスはついに冬に入りました。
【ゲーム・オブ・スローンズ】シーズン8第2話は、これから繰り広げられる死闘を前に、私たちが愛するキャラたちが団らんしたり、短いながらも言葉を交わしたり、最後の静寂を楽しむ回でした。
各人のシーズン1からの旅路を思い返して感慨深さに浸った人も多いのではないでしょうか。
第2話は静かな回ながらも、重要なシーンがたくさんありました。
【ゲーム・オブ・スローンズ】シーズン8第2話ネタバレ考察
アーリアとジェンドリの契り
ゲースロ開始当時、アーリアは12歳でした。今は22歳になりました。すっかり大人の女性に成長していました。
そんなスターク家のアーリアさん、おそらく死ぬであろうバトルを前に男性と愛し合う悦びを知るべく、第2話でジェンドリさんと結ばれました。
この二人は過去に一緒にサバイバルを共有した仲です。
さらにもっと大事なことにはアーリアはスターク家の娘、ジェンドリはロバート・バラシオンの私生児ということです。
ジェンドリは亡き王バラシオン家の正統な跡継ぎということですので、本来なら鉄の王座に一番近い存在なのかもしれません。本人は自分の立場を隠しておきたいようなのでこれからもひっそりと生きていくつもりなのでしょうが。
覚えていますか。シーズン1でロバート・バラシオンがネッドにこう言ったことを。
「お前の娘と俺の息子を結婚させて、同盟をさらに強化させよう」
このときバラシオンが言及したのはネッドの娘サンサとバラシオンの息子ジョフリーでした。(正確にはジョフリーはサーセイ&ジェイミー・ラニスターの近親相姦によってできた子ですので、ロバート・バラシオンの息子と血はつながっていませんが。)
ロバート・バラシオンの願いは、スターク家の末娘アーリアとバラシオン家の落とし子ジェンドリによって実現されたわけですね。なんだか胸がいっぱいになりますね。
アーリアがもし妊娠しちゃったらまた面倒なことになりそうよね。ジェンドリがバラシオンの子であることを知っている人は・・・ヴァリスくらいかな?
ヴァリリアン鋼剣がジョラーの手に
ヴァリリアン鋼の剣は全部で5本。それぞれ
- ジョン・スノウ
- ジェイミー・ラニスター
- ブリエンヌ・タース
- アーリア・スターク
- サムウェル・ターリー
の5人の手に委ねられていました。
第2話では、サム(サムウェル・ターリー)がブラック・カッスルで故モーモント卿から預かったヴァリリアン鋼剣をジョラー・モーモントの手に委ねました。
したがって、ヴァリリアン鋼の剣は次の5人の手に渡されたことになります。
- ジョン・スノウ
- ジェイミー・ラニスター
- ブリエンヌ・タース
- アーリア・スターク
- ジョラー・モーモント
いずれも剣闘では他に引けをとらない人ばかりですね。ジェイミーは利き手を失ってしまったのでかつてのような戦いぶりはできませんが。ああジェイミーの身が心配。
アーリアが持っているのは短剣です。
ウィンターフェルの地下室にあるスターク家の亡骸
ファンのなかで懸念されていることのひとつが、ウィンターフェルの地下室にあるスターク家の亡骸です。
戦闘できない者たちはウィンターフェルの地下室に避難したわけですが、ナイト・キングは死者を蘇らせてホワイト・ウォーカー(ゾンビ)に変える能力があります。
ということはウィンターフェルの地下室にあるスターク家の故人たちが蘇って襲ってくるという可能性があるのではないかということになります。
ギリーや子どもたちも地下室に避難していますし、ちょっと心配ですね。
デナーリスの鉄の王座への執着
第2話ではジョンが愛するデナーリスに自分の出生の秘密を告白しました。
つまり自分がリアナ・スタークとレイガー・ターガリエンの間に生まれた息子エイゴン・ターガリエンで、デナーリスの甥にあたるという秘密です。
デナーリスは自分の甥と愛し合ってしまったことよりも、ジョンが鉄の王座につく正当な資格を持つことを問題視していました。
サムがその懸念をジョンと共有したように、デナーリスの反応は
「弟のブランと親友のサムしかその秘密を知らないなんて妙じゃない?」
というものでした。
甥っ子と寝たこと、愛し合っていることより、鉄の王座の方が大事っぽいですね。
鉄の王座への執着が王座を遠のかせることになるような気がするんですよねぇ。西洋ものって、王座に執着を見せる人は軒並み悪王になったりしてて、王座に興味がない人が人民によって王座に座らせられて力を発揮する傾向にあるんで、デナーリスの王座への執着心がちょっと気になるんですよね。
ジョンは王座に興味がなく、それより人民を守ることを優先させていますでしょう?
「リトル・ブラザー」がサーセイを殺す
ジェイミーがウィンターフェルで審問にかけられていたとき、兄ジェイミーを庇うティリオンにデナーリスは嫌味を言いました。このときデナーリスはティリオンのことを「リトル・ブラザー」という言葉で指しました。
シーズン5でサーセイが若い頃の回想シーンで森の魔女に「ヴァロンカーに絞殺される」という予言をしたのを覚えていますか。
「ヴァロンカー」はハイ・ヴァリリアン語で「リトル・ブラザー」のことを指します。
というわけで、もしかしたらサーセイはティリオンかジェイミーに殺されるのではないかという憶測が流れています。
ブリエンヌとジェイミーの忠誠心・生き残りをかけた戦い
ジェイミーがウィンターフェルで審問にかけられていたとき、猜疑心に満ちたデナーリスに対してジェイミーは「忠誠心の問題ではない。これは生き残りをかけた問題だ」と答えました。
シーズン7の第7話で、サーセイに協力するよう説得しろとブリエンヌがジェイミーに頼んだ時に「忠誠心なんかクソ食らえ。これは家や名誉や宣誓の問題じゃないわ。女王と話すのよ」と言っていました。
ブリエンヌをリスペクトするジェイミーの男意気に拍手。
ネッド・スタークのヴァリリアン鋼剣がブリエンヌとジェイミーの手によって再び一体化
ネッド・スタークのヴァリリアン鋼剣「アイス」は、タイウィン・ラニスターによって溶かされ、2つの剣に鍛造されました。
タイウィンはそのうち1つをジェイミー・ラニスターに贈りましたが、ジェイミーはこれをブリエンヌの手に渡しました。ブリエンヌは剣を「オース・キーパー(宣誓を守る人)」と名付けました。
もう1つはタイウィンがジョフリーに贈りました。ジョフリーは「ウイドウズ・ウェイル(未亡人の泣き声)」と名付けましたが、ジョフリーは死んでしまったのでジェイミーがその剣をとりました。
ネッドのヴァリリアン鋼剣「アイス」は、ジェイミーとブリエンヌによってウィンターフェルの地に戻り、再び一体化したとみることができます。感動。
シャーリーンを思い出すダボスとギリー
ブラック・カッスルでシャーリーンに読み方を教えてもらったダボスとギリー。
顔に傷のある少女を前に、ダボスとギリーはシャーリーンの思い出に耽ます。
ダボスにとってシャーリーンは娘同然の存在でした。
ブリエンヌ・タース「7王国の騎士」
第2話でとりわけ心を動かされたブリエンヌの騎士称号の儀ですが、これは単なる儀式ではなく、ブリエンヌにとってとても意義のある儀でした。
ゲーム・オブ・スローンズの原作者ジョージ・R・R・マーティンは、ゲースロの時代より100年前を舞台にした3つの短編小説を書いています。
この短編小説は、長身のダンカン卿とエッグという愛称のターガリエンのある王子の物語なのですが、シーズン4でジョフリー・ラニスターが「キングズガードのホワイトブック」という本を読んでいたときに「ダンカン卿」という名前が出てきました。
そしてこのダンカン卿はブリエンヌの祖先であることをジョージ・R・R・マーティンが2016年に認めました。
この短編小説3つは1つの本にまとめられ「7王国の騎士」と名付けられました。
ブリエンヌの騎士の儀では、ジェイミーがこう言ったのです。
Arise, Brienne of Tarth, a knight of the Seven Kingdoms.
(立ち上がれ、タースのブリエンヌ、7王国の騎士よ。)
-Jamie Lannister
このシーンにもこんな深いヘリテージの意味があったなんて、ゲースロ半端じゃない。
ナイト・キングはウィンターフェルにいない?
そして現在もっとも世間を騒がせているのがナイト・キングの居所です。
第2話ではウィンターフェルにいよいよ死の軍団がやって参りましたが、いたのはホワイト・ウォーカー将軍様たちとワイトたちだけでしたよね。
アイス・ドラゴンに乗ったナイト・キング様の姿が見えなーい。
ということで、もしかしてナイト・キング様はウィンターフェルではなくキングズランディングに向ったのではないかという憶測が流れています。
ナイト・キングはバカじゃないと思うので、キングズランディングで人々をワイトに変えて、さらに南からもウィンターフェルを攻撃するのではないかという最悪の事態も想定できます。
ウィンターフェルの地下室にある死体が起き上がるんじゃないかという心配もあるし(ナイト・キングがいなければ平気?)、なんだかもう絶体絶命気分、嫌な予感しかしない…