Netflixオリジナルドラマ【ラ・モント】を視聴した感想です。
全6話のミニシリーズです。
舞台はフランスのパリ、全編フランス語です。
ネタバレなしでお送りします。
【ラ・モント】あらすじ
25年前に8人の男性を拷問・殺害した罪で逮捕された女性ジャンヌ、通称「ラ・モント(かまきり)」。
25年後、まったく同じ手口の連続殺人が発生する。
ジャンヌを逮捕し、ジャンヌの息子ダミアンの面倒を見てきた刑事は、ダミアンを捜査担当のリーダーにする。
ダミアンは、母親である猟奇殺人犯ラ・モントに会い、事件の手がかりを得ようとするが・・・
というあらすじです。
【ラ・モント】感想
猟奇殺人系です。全編ダークでスキッとしない展開が続くので、苦手な方もいるかもしれません。ダークでおどろおどろしい話が好きな方には向いていると思います。
まず一つ私が苦労したのは、全編フランス語だったこと。フランス語わからないので、英語の字幕で見たわけですが、これが辛かった。父ちゃんがよくアメリカ映画見てて字幕だと「めんどくせぇ」と言って嫌がる理由が分かった気がします。
英語の字幕を読むのは日本語の字幕を読むより疲れます。日本語は、ひらがな、カタカナ、漢字の3種類あるので、一瞬でビジュアル的に認知することができて読みやすいんですね。ところが英語だとすべてアルファベットですので、文字を追うのが疲れます。これは漢字だらけの中国語なんかもそうですね。
そしてフランス語が話せないために登場人物の細かい機微を読み取るのが難しかったです。やはり言語を習得するというのは、言葉そのものだけでなく、喋り方、トーン、抑揚なども含まれるわけで、言語が分からないとこの辺が読み取れず、心理状態を理解しにくいわけであります。
そのため、主人公ダミアンが突然怒鳴り出すのも唐突に聞こえたり、ソフィアさんていう野心あふれる刑事仲間がずっとギャーギャーわめいているように聞こえたりして「フランス人はよく分からんな」なんて勝手なことを思ってしまうかもしれません。まぁ、知らない言語を話していると、聞いてる側はこんなもんでしょう。
そういうこともあって、途中で興味が削がれてしまったことが何度かありましたが、最後で明かされない真犯人が誰なのかが気になって最後まで見ました。
真犯人は途中で分かると思います。正直言うと、真犯人が出てきた時に感じた違和感がそのまま残っていたので、それほど犯人捜しは難しくなかったです。
でも他にも容疑者が何人か上がってくるので、こいつが犯人か?こいつが犯人か?とけっこうドキドキしました。
正直言って、8人もの男性を拷問し、残酷な手口で殺した猟奇殺人犯ラ・モントが女性という設定がかなりレアで強引な気もしましたが、そこはラ・モント演じるキャロル・ブーケのカリスマ性でクリアできました。
羊たちの沈黙のレクター博士を女性にした感じでしょうかね。でもラ・モントが殺したのはDVや虐待などをするクズ男だけなので、その辺はデクスターみたいですね。
キャロル・ブーケさん、綺麗でした。若い時も美人で、シャネルの香水のモデルまでやってたんですね。さらに007のボンドガールまでやってたわ。ちょっとリブ・タイラーをフレンチ仕立てにしたお顔立ちですね。
ラ・モントの息子で捜査をリードするダミアンはこれもまた微妙な顔ですね。映画300の2を見ている感覚だわ。これはフランスでは格好いい方に入るのか、何なのか・・・。でもなぜかハゲ茶瓶であまり格好良くないアレックスがなんか格好良い設定みたいになってたし、よく分からんな。
ラ・モントとダミアンをめぐる人間関係はまぁまぁ良かったです。ラ・モントが本当に捜査に協力するつもりなのか、はたまたコピーキャットと協力しているのか、それともラ・モントがコピーキャットに命令しているのか、ラ・モントは最後の最後までずっと表情を崩さないので、読めないんですね。
ラ・モントの母が目の前でまさかのライオンに食われてしまい(ええっ!?)、ラ・モントはPTSDを負ったという描写が最初の方にありますが、これも最後への伏線になってたりしてて、発想は面白かった。
言語の問題を除けば、ツッコミどころの多いドラマでもあったので、そこは残念でした。たとえばフランスの警察の無能ぶりが目立ちます。「お前ら、ツカえなすぎ」と叱責したいレベルです。ダミアンの上司のキモ顔おっさんなんて、ダミアンとジャンヌの良き理解者っぽい立ち位置なのに、なんの役にも立ってません。
ダミアンもダミアンで、あの人がダミアンに何度電話してもオペラなんか見ちゃってて全然気づかないし、あの人がピンチの時もさっさと最寄りの警察に連絡して応援部隊送ればいいのに、なぜか全員本部でボーッと電話越しにやり取り聞いてるし・・・犯人を追い詰めといて、すでに知っている犯人のやり口でやり込まれてみすみす逃すし・・・あの刑事二人もあんな簡単に撃たれちゃうし・・・
ソフィアさんていう女性もやけにヒステリックでちょっと異常なくらいです。おまけにダミアンの秘密をチーム全員にバラして、しかも上司は同調圧力なのか、ダミアンをかばわないし、何も言わないし、なんなのこのクソ展開はと思いました。
ラ・モントの看守役だって、一人しか付いていないのはあり得ないのでは。極悪の猟奇殺人犯の監視役が一人って、いくら何でもそれはないんじゃないでしょうか。監視役の男性は寡黙なのに存在感と味があって良かったんですが。ふつう、あの後はもっとセキュリティ増やして、数人態勢とかにするだろ。
毒を盛られた時も、なんかよく分かりませんでした。あれはどうやって毒を盛ったのですか?口移しなら自分も盛られてるし、下になった態勢からカプセルを口の中に入れることはおろか、飲み込ませるって無理では。しかもカプセルに入ってたとしたら、即効はおかしくないですか?そもそもラ・モントがいる場所があんな宮殿みたいなリッチな場所ってどういうことなんでしょう。
というわけでツッコミどころはけっこう満載なので、それがちょっと散漫に感じた理由です。全6話のミニシリーズだから見れたような気がします。