ミセスGのブログ

海外ドラマ&映画の感想、世の中のお話

トランプ錯乱症候群:アメリカでMAGAハットを被るとリベラルに襲われる

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(Bryton Turner/Facebook)

当ブログは海外ドラマや映画の感想をメインに扱っておりますが、折に触れてアメリカの気になるニュースをお届けしております。

リベラルな大手メディアはリベラルに都合の悪いことを報道しない(逆も然り)場合が多いので、大手メディアの報道は往々にして偏向しがちです。これは日本もアメリカも同じようなもんだけど、アメリカは保守メディアもあるのでまだマシかもしれません。

日本に入ってくるアメリカのニュースがけっこう偏向されているので、一市民として少しでもニュートラルな情報をお知らせできれば良いのですが、ニュースの数は膨大なのでとてもすべてはカバーできません。

そういうわけで偏向した情報ではなく、事実に即した情報を少しずつでも厳選しながらニュートラルにお届けしていきたいと考えています。このジャンルも少しずつ増やしていきたいと考えております。

さて今日はアメリカのMAGAハット*にまつわる話です。

*MAGA:Make America Great Againの略語で、マーガと読みます。

 

【MAGAハットを被ったアメリカ人がリベラルに襲われる】

まずMAGAハットを存知ない方のためにMAGAハットの説明から。

MAGAとは、選挙時にトランプ大統領が連呼したスローガンである。

後にトランプ大統領支持者がMake America Great Againと書かれた赤いキャップ帽を被るようになった。このような赤い目立つ帽子だ。一度は目にしたことがあるのではないだろうか。

黒もあるようだ。他にMAGAと書かれたタイプも。

反トランプであるリベラル派は、大統領選挙中からトランプ大統領がレイシストと印象付けることに総力をあげて取り組み、これを差別主義者の極右集団と紐づけることに成功した。

その結果、「トランプ大統領支持者はレイシスト」というレッテル貼り、MAGAハットを被っている人はレイシストというレッテル貼りという刷り込みに成功したわけである。

トランプ大統領が本当にレイシストであるかどうかは諸説あり、トランプ大統領本人と親しく付き合わない限り彼が本当にレイシストなのかどうかは誰も判断つかない。

私は差別の原因は人間の本能に起因すると考えているので、差別をしない人はいないと思っている(差別をしない人はいないと考えているからといって差別を減らす、撤廃する努力をする努力が不要というわけではないので誤解のないよう。むしろだからこそ撤廃に向けて努力は必要。)実際、言葉だけでは判断できないことが往々にしてある。現に私の旦那はレイシスト発言ばかりだが、実際にレイシストかと言われると真逆であり、何なら私よりも差別意識がないかもしれない。

「アイ・アム・レイシスト」という旦那はレイシストなのか?

映画「クラッシュ(感想ここ)」でもライアン・フィリップ演じる善意の白人がパートナーのレイシスト言動を批判しておきながら、いざという時に自分の差別心が露呈するという描写や、普段から差別心をむき出しにするパートナーのレイシスト白人警官がいざという時に身を挺して黒人を助けるといった描写があるように、人間の精神心理は複雑で簡単にレッテル貼りできるものではないのだ。

それゆえ私のトランプ大統領へのスタンスはあくまでニュートラルだ。彼がレイシストかどうか知る術はないのだが、過激な言葉を発する人であり、対立を恐れない人だということは間違いない。北朝鮮への対応や日本との親密な同盟関係の固持、国防の面からいえば、何もしなかった前オバマ大統領と比べてみても大変優秀ではある。

(なお、ノーベル平和賞をもらいアメリカ大統領として初めて広島で平和のスピーチをしたオバマ大統領は、原爆投下の映像を観て手を叩いて笑っていたということを経済学者の須田慎一郎氏が証言していた。このとき、一方のロシアのプーチン大統領は十字を切っていたという。)

そしてもう1点、おそらくはリベラル派の大手メディアが扇動した「トランプはレイシスト」というレッテル貼りに踊らされたアメリカの白人至上主義組織や極右、ネオナチ集団が実際にこのMAGAを利用して、ホワイト・アメリカ(アメリカは白人国家であり、白人国家であるべきだ)を実現しようとしている現実がある。彼らはレイシストであることを隠さず、有色人種、ゲイ、ユダヤ人、リベラル派の人々を標的にしたテロ行為を度々起こしている。

リベラル派も暴力での応酬を厭わず、「平和」「多様性」を謳いながら拳を振り上げるといった本末転倒の行動に出ている。

トランプ大統領の支持者は、トランプ大統領のMake America Great Againに共鳴を受け、赤いMAGAハットを被っているのだが、ここ最近MAGAハットを被ったアメリカ人が暴行や暴言を受けるといった事件が続いている。

 

MAGAハットを被った白人男性が暴行・ハラスメントを受ける

2月22日の金曜日、マサチューセッツ州ケープ・コッドのメキシカンレストランで、23歳の白人男性ブライトン・ターナーがMAGAハットを被って一人でカウンター席に座っていたところ、41歳のブラジル系移民の女性ロサイネ・サントスがターナーに嫌がらせをし始めた。

メキシカンレストランの店員によれば、ターナーは誰に迷惑をかけることなく一人で静かに座っていたところ、サントスがハラスメントし始めたという。サントスのハラスメントが執拗だったため、ターナーは動画を撮影し始めた。

動画では、サントスがターナーがMAGAハットを被っていることに怒りを見せており、後ろからターナー氏の被っていたMAGAハットを叩き飛ばしていった。

警察が到着したあと、サントスは「MAGAハットを被ってメキシカンレストランに入るなんて許されるべきじゃない」と警察に言ったあと、再びターナーに暴行を振ろうとした。

サントスはターナーへの暴行容疑と治安紊乱行為(disorderly conduct)で逮捕されたが、本当の被害者は差別を被り続けてきた自分だと言った。

 

加害者は・・・

この話には続きがある。

ターナーをハラスメントしたこの41歳の女性ロサイネ・サントスは、実は不法移民だった。

ロサイネ・サントスは、ターナーへの暴行容疑と治安紊乱行為で無罪を主張して一時釈放され裁判を控えているところだったが、サントスがブラジルからの不法移民であることが判明し、翌週の火曜日、サントスはイミグレーションによって勾留されることになった。

サントスの処遇は強制送還の手続きに入ったようだ。

 

MAGAハットを被った74歳の白人男性がスタバでハラスメントされる

4月1日、カリフォルニア州パロ・アルトで74歳の白人男性ヴィクターがMAGAハットを被ってスターバックス店内に座っていたところ、パーカー・マンキーという女性がヴィクターにむかってわめき始めた。

パーカー・マンキーは店内の他の客たちの支持を仰いだが、客はパーカーを支持しなかった。するとパーカーは、ヴィクターの個人情報を探し出して彼の人生を破滅してやると言って店を出て行った。

パーカーはSNSにヴィクターの画像をアップし、非難する記事を載せて炎上させた。(現在は削除されている)

There were other white people in there who should have called him out. It is the duty of every white person in America to stand up to this every time they see it

 

MAGAハットを被っていたのは…

MAGAハットを被っていた74歳の男性はインタビューでこう話した。

This crazy woman came over and started raving at me. She turned to the rest of Starbucks and said, 'Hey everybody, here's this racist over here. He hates brown people, he's crazy, he's a Nazi,' and so forth."

この気が狂った女性が私の方にやってきて突然わめき始めたんだ。彼女はスターバックス店内にいる他のお客に向って「ねえ皆聞いて!ここにレイシストがいるわ。この人はヒスパニックの人々が嫌いなの。気が狂ってるわ。ナチスめ!」というようなことを言っていた。

ヴィクターは、 この女性は冷静に話し合う気はなく、怒鳴り散らしたかっただけだと言った。

なぜならヴィクターは途中でMAGAハットを取ったのだが、その下にはヤムルカ(ユダヤ教の男性が被る帽子)を被っていたからだ

She wanted just to scream about Nazis and so on and that's what we've sunken to. People with an education should know better than to say stupid things like that.

彼女は単にナチスだとかなんとか叫び散らかしたっただけだろう。私たちの社会はここまで落ちてしまったのだ。教育がある人々がこんなバカなことを言うとは愚かだ。もっと分別を持つべきだ。

ユダヤ人の男性に向ってナチスと怒鳴り散らしていたパーカー・マンキーのアカウントは彼女の願い通り炎上し、アカウントは現在削除されている。

妻であり母でもあるパーカーは、Gryphon Stringed Instrumentという会社で会計士をしていたが、この戯言騒動で職を失った。

 

MAGAハットを被った81歳の男性がスーパーで襲われる

ニュージャージー州では81歳の男性がMAGAハットを被っていたために何者かに襲われた。

暴行を目撃した他の買い物客は、政治的な信条やイデオロギーに関わらず、こんな暴行は許されないとインタビューで語った。

男性は軽傷で命に別状はないようだ。

 

MAGAハットを被った男性がスーパーで銃口を向けられる

ケンタッキー州のテリー・ピアースは、妻と一緒にサムズ・クラブ(会員制スーパー)で買い物をしていた。

テリーはトランプ支持者でMAGAハットを被っていたのだが、そこへジェームズ・フィリップという男が現れ、テリーに40口径の銃を向けるとこう言った。

It's a good day for you to die.

今日は死ぬにもってこいの日だ。

しかしテリーはひるまず、こう返した。

Then pull the trigger. Put the gun down and fight me or pull the trigger. Whichever one you want.

では引き金を引け。引き金を引くか、銃を下ろして拳で勝負しろ。どっちでもいい。

するとジェームズは後ずさりし、「今日は死ぬにもってこいの日だ」ともう一度言って消えた。

テリーはジェームズの後を追い、ジェームズの車付近で口論をし始めた。ジェームズは母親を待っていたので立ち去ることができなかったようだ。

テリーに銃口を向けた現場を目撃した人が警察を呼び、ジェームズ・ピアースは御用となったが、銃を抜いたことは否定し、中指を立てただけだと弁明した。

ジェームズが銃を向けたシーンは監視カメラの届かない範囲だったため確認できなかったが、警察の報告書によるとパンツの後ろポケットにグロック40口径を身に着けており、弾は込められていた。

 

トランプ錯乱症候群

MAGAハットを被っていたためにナチスと呼ばれたユダヤ人男性ヴィクターは、こうした現象を端的にまとめた。

Trump Derangement Syndrome (TDS)

日本語訳ではトランプ錯乱症候群と呼ばれているようだ。

derangementとは、混乱して気が狂ってしまっている状態、錯乱している状態を示す。

If you can't tell the difference between a hat that says 'Make America Great Again' and a Nazi helmet or a Ku Klux Klan hat, I'd say you're deranged.

(メイク・アメリカ・グレイト・アゲインと書かれた帽子と、ナチのヘルメットやKKKの帽子との違いが分からないようであれば、錯乱しているということだ。)ヴィクター

なお、ヴィクターがスターバックスで口撃されたとき、他の女性が近づいてきてヴィクターにハグをし彼を支持した。彼女はヴィクターとは異なる視点を持っていたにも関わらず、である。アメリカが人種差別に満ちた国であることが宣伝されるニュースばかりだが、意見やイデオロギーが異なっていても寛容な人々はアメリカにもたくさんいることも知っておくべきだ。

Wear that hat and be proud. You just stand up for what you believe in and I'll stand up for what I believe in and we can still have a cup of coffee together. Right on.

自信をもってMAGAハットを被れば良い。あなたはあなたのの信条を守るんだ。僕は自分の信条を守る。そして一緒にコーヒーでも楽しめばいい。そうだろ?

とはいえ、MAGAハットを被るとリベラルから襲われる可能性があることは留意されたい。

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