ミセスGのブログ

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アメリカ人と国際結婚したい人も…後悔しないように注意点を心に留めておこう

国際結婚

たまに、これから国際結婚をするという方から問い合わせを頂くことがあります。

国際結婚の手続きに関する質問や、これから国際結婚をするので、いろいろな情報を知りたいという方までさまざまです。

こればっかりは実際にやってみないと分からないものですが、とりあえず国際結婚した者として、これから国際結婚する方が知っておいたほうがいいことを考えてみました。

厳密には、10年前、これから国際結婚しようとしている時の自分が知っていたらな、と思ったことを書いてみます。

 

国際結婚する前に頭に入れておきたいこと

 こういう風にバーッと網羅されるのを読むと、「ええ…こんなに大変なの…ユーウツだ…」と気がくじけてしまうかもしれませんが、一気に襲いかかるわけではありませんし、長い間での出来事ですから、ご心配なく。

一つ一つクリアしていくごとにご夫婦の絆が深まると思ってください。

なお、私の体験に基づいていますので、国際結婚してアメリカ(海外)に住んでいることを前提としています。

 

金がかかる

国際結婚をした方なら100%うんうん頷くであろう最大の特徴、それはズバリ「金がかかる」ということです。

どのぐらいかかるのかというと、それは結婚する相手の国によっても違ってきます。アメリカだったら数十万かかることは覚悟しておいてください。

私のようにウッカリ間違いを何度も繰り返すと、さらに金がかかります。

詳しくはグリーンカード・ビザ・各種手続き カテゴリーの記事一覧をご覧ください。

一例としてはこんな感じです。
・グリーンカードの名前が間違っていたことに2年後に気付いたヤバい私
 ・子どものアメリカ国籍&出生証明書の取得手続き~出生届提出とDNA鑑定
 ・米国のマリッジ・サーティフィケイト(婚姻証明書)の名前を変更する手続き
 ・マリッジ・サーティフィケイト(婚姻証明書)の名前は変更できない!?
アメリカのK-1婚約者ビザ(フィアンセビザ)を2回も取った話。健康診断もね。

ビザ用の健康診断、婚約者ビザ、配偶者ビザ、GC(グリーンカード)切り替え、などで数万~10万強が飛んでいきます。

配偶者ビザ取得前に子どもがうっかり生まれると、DNA鑑定で5万くらいかかります。細かいことをいうと往復の郵送代とかもかかります。

また子どもが生まれたら生まれたで、日本とアメリカ両方への出生届手続きやアメリカのパスポート取得など、手続き費用だけではなく、電車代やガソリン代、郵送代など諸費用がかかってきます。

さらに言うならば、日本とアメリカの往復の飛行機代や、アメリカで運転免許の取得などで2倍金がかかります。

日本でも運転免許を維持しなければなりませんから、要はダブルで金がかかるわけですね。

アメリカの運転免許の取得代や更新代は少額ですが、日本の免許の更新代などトータルで考えれると万単位になってきます。

日本とアメリカの往復も飛行機乗れたりして最初はなんだか楽しいですけど、毎年のことになるし、子どもが小さい頃は年2回往復していたので、ざっと計算するとこの8年で飛行機代だけで350万くらいかかっています。

実は私がいずれ日本に帰国しようと考えたのもこれが理由の一つです。まあ、日本に帰っても年1回アメリカに旅行で戻ろうとすれば同じようにかかりますが、海外旅行は別に行かなくてもいいですからね。でも最低でも年1回の日本帰省は、両親に孫を会わせるために避けられないわけです。

 

長期に渡る書類手続きと遠距離の可能性

アメリカの場合、国際結婚しても自然に永住権がもらえるわけではありません。

結婚と永住権の手続きは独立したものと考えて下さい。

結婚後、永住権を申請することになります。あるいは、K1(婚約者ビザ)であれば日本とアメリカで離れたまま、結婚する前にビザ申請をすることになります。

この書類手続きは数か月~9か月と長期に渡ります。私はK1ビザを申請後、5か月くらいで下りましたが、人(や国)によっては9か月~1年とかかかるようです。

K1の場合、ビザが下りるまでは渡米してパートナーと会うことができません。別に会いに行ってもいいですが、イミグレで揉める可能性が無きにしも非ず。危ない橋は渡らない方がいいでしょう。

私の場合、VWP(ビザ・ウェーバー・プログラム=ビザなし観光目的で入ること)で会いに行った際に妊娠が発覚したのですが、VWPで滞在できるのは90日までですから、90日過ぎる前にアメリカを出国しなければなりません。

したがって、妊娠発覚直後に離れ離れになりました。さらにいうと実は妊娠中から出産、産後まで一人で、ほぼ1年弱会えなませんでした。海軍からトラベル許可が下りなかったため、旦那が子どもと初めて顔を会わせることができたのは生後3か月になってからです。

ミリタリーの場合はオーダーがあればどうにもできません。妊娠前も旦那が急きょテロリスト収容所のかの地へ行くことになったりして、やはりその間も会えませんでした。これはミリタリーのパートナーを持つ人なら経験済みかもしれません。

この間、私は自分の家族や親せきに大変お世話になりました。

このように、長期に渡る書類手続きパートナーと遠距離になる期間が出るかもしれない可能性は覚悟しておきましょう。

 

国際離婚はもっと大変

離婚はまだ経験していないので自分の知識と想像の範囲内ですが、国際離婚は日本人同士の離婚よりはるかに大変です。

アメリカの場合は、双方が代理人(弁護士)を立てて離婚することになります。

離婚の契約書のようなものもしっかりあって、財産分与や離婚後の扶養手当など細かく書かれます。子どもがいた場合は、親権、同居権、面会のスケジュール、扶養手当など懸案事項がもっとあります。

アメリカに居住している場合は、パートナーとの喧嘩の挙句、勝手に子どもを連れて日本に帰ってしまうと誘拐犯になって国際指名手配されてしまいます(ハーグ条約)ので注意してください。

なお、同様に、夫婦喧嘩や親権争いで子どもを内緒で勝手に連れ出して回ると誘拐犯として指名手配され、逮捕されてしまいます。

アメリカには「アンバー・アラート」というシステムがあり、子どもが誘拐された場合(その多くは片親)、国民の携帯電話に一斉に緊急警報が送られます。(日本のJアラートみたいなもの)年に数回はアンバー・アラートが鳴ります。(アンバー・アラートには車のモデルやライセンス番号などの情報が伝達されます。)

特にパートナーが頭のいいタイプや富裕な方だと、余計に厄介です。

正直に申し上げて、貧乏で自分より知能指数の低そうな今の夫を選んだのは今になって正解だったかもしれません。

万一、私が子供を勝手に日本に連れて帰っても、彼にはどうすることもできないですから。しかし頭のいいパートナーですと、裁判起こされて親権も同居権もはく奪、親の資格なしどころか誘拐犯としてアメリカの刑務所に・・・という悲劇も起こり得ます。配偶者が弁護士ならなおさらですね。

離婚した後は日本に帰ろうと思って子どもを連れて日本に帰りたいと思っても帰れない可能性が高いです。パートナーが許さなければ勝手に帰国することはできません。

裁判所がからんでくると、子どもの生活拠点が現在どこにあるか、子どもにとってどちらの国にいるのが幸せか、など総合的にみた子どもの利益が優先事項ですので、「現在の子どもの生活拠点がアメリカベースなら、慣れ親しんだアメリカにいる方が子どものため」とみなされるのは想像に難くないわけです。

国際離婚して子どもと日本に帰ろうと思ったら帰れなかった、そのために泣く泣くアメリカにとどまっているという日本人も少なくありません。

これから国際結婚するときに、離婚のことなんか考えられないかもしれませんが、頭の片隅に入れておいてください。

「絶対に離婚はしない」という考えの夫ですが、私が日本帰国を考えた理由の一つは、万が一国際離婚したことを考えてのことでした。

旦那が私から子どもを奪うことは考えにくいですが、何があるかわかりませんからね。万一、離婚した際に、日本にいたほうが自分にとって有利に事が運べるからです。

なお、カリフォルニア州の場合、離婚すると夫婦の資産は共有財産とみなされ、50%ずっの折半となります。ただし、結婚前に得た財産は含まれません。つまり、あなたが独身時代に得た財産はそのままあなたの物です。

 

こどもの教育、アイデンティティの問題

国際結婚の手続きをクリアして(GCの更新は10年ごと)、とりあえず国際離婚の心配は今のところなさそうな私の現在の一番の困難は、子どもの教育とアイデンティティの問題、とくに教育問題は大きな壁です。

今年からアメリカの日本語学校(土曜日だけ)に通わせ始めました。ほぼ毎日、アメリカの小学校のあと、1~2時間を日本語の勉強に費やしています。日本にいる日本人の子と比較すると、だいたい1年くらいの遅れがあります。

アメリカに永住するつもりならば、日本語を習得する必要性もあまりないかもしれませんが、我が家は日本に帰国する予定でいるので、日本語習得は必須です。

実際やってみると分かりますが、日本語の習得(ひらがな、カタカナ、漢字)は英語より大変です。日本語は51音ですが、アルファベットなんて24文字しかありませんから。

片親が日本人であれば、日本に帰っても日本語でのコミュニケーションはなんとかできると思いますが、読み書きとなると話は別です。これは親が意識して教えない限り、子どもが日本語の読み書きを習得することはできません。

したがって、国際結婚には子どもの日本語を教える責任が伴ってくる可能性が大です。

 

自分の家族、友人に会えない

「パートナーの両親や家族が近くに住んでいて仲もいい」というあなたはラッキーです。

我が家のように、旦那が家のブラックシープ(みにくいアヒルの子)だったりすると、義家族にも頼れません。

まあ、誰にも頼らずに夫婦二人で子どもを育てているという自負は芽生えますけど、やはり信頼できる家族がそばにいる安心感には代えがたいものです。

また、子どもがいると、親に子どもの成長を見せてあげられない悲しみと後悔もあります。私は子どもが5か月まで日本にいれたので、実家の両親も赤子の娘の面倒を見たり、成長を楽しむことができましたが、離乳食の開始や、初めてのタッチ(立つ)やハイハイ、初めて歩いたところ、その後の一番可愛い時の成長を見せられなかったことがずっと心残りです。

こちらでも友人はできましたが、やはり青春時代を過ごした数十年来の友人と思うように会えないのは悲しいです。でも、友人に恵まれており、久しぶりに会ってもタイムラグなしになんでも話し合える友人がることを幸せに思います。

国際結婚するけど日本に住む予定という方も、パートナーの仕事を機に海外に移住しなければならない可能性などがあることを念頭に入れておいてください。

 

日本語が話せないパートナーのフォロー

パートナーが日本語が堪能であれば問題ありませんが、会話も読み書きもバッチリという外国人はそうそういないはず。したがって、日本にいるときは自分がリーダーシップをとらざるを得なくなります。

アメリカにいる時はこの上なくツカえるうちの旦那でも、日本に来れば日本語が分からない無能な外人になり果てます。その負担はあなたが背負わなければなりません。

たとえば私たちは日本で挙式しましたが、準備から何からすべて自分と母親がやりました。旦那は海軍所属だったのですが、軍から旅行許可が下りなくて、結婚式に来られず、結婚式を延期したことがあります

式場への延期のお願いや、出席者の方々への延期のお知らせ(一軒一軒回って頭を下げました)など、自分がやらなければなりません。

また、子どもの七五三のお祝いなども、いちおうローマ字表記して日本語のあいさつ文を読ませたものの、まとめのお礼など、親戚一同の前などでは自分が改めて日本語で挨拶をしなければなりません。

こうした日本のイベントでは旦那はコミュニケーションが取れないので、自分が表に立つことになります。日本の冠婚葬祭など形式あるセレモニーでは、男性が主賓を務めることが多いですが、配偶者が日本語の話せない外国人であれば、自分が男役を務めることになります。「ああ、旦那が日本人だったら」と思うことが何度もあります。

今後、日本に移住してからも、外国人登録やビザの手続き、税金関係、日々のことなど、自分が責任を負わなければなりません。

日本語が話せない旦那の代わりに自分が代行するという点は、意外に見過ごしやすいので、今から頭に入れておくといいと思います。

 

人種・文化の違い

国際結婚する上で人種や文化の違いを承知しておかなければいけない…という意見は腐るほど聞きますが、これについては私が言えることはあまり多くありません。旦那との口論や喧嘩でそれが原因となることは思ったほど多くなかったからです。

もちろん、日本人である私のナイーブさ、事なかれ主義、声を上げない大人しい性質(アメリカ人に比べて)、話すのが面倒になる性質、単一民族で育った背景は、彼のストレートな言い方、すべてを言葉にして表す性質、対立を恐れない姿勢、進取の気象、他民族国家で育った背景と衝突することが時にあります。

しかし、こうした人種の違いが原因で喧嘩になることは、予想していたよりもずっと少なく、私はむしろこれを「勉強になった経験」と捉えています。旦那のおかげで、ナイーブさや事なかれ主義に気づいたり、改善しようとすることができたからです。

わたしたちが実際に喧嘩になる最大の原因は、育った環境の違いが影響していることが多いです。日本人でも「育ちの違い」が問題になって離婚するケースも多いでしょう。育ちが違えば、価値観も違ってきます。

結婚式は当然やらなければいけないという保守的な家庭や環境で育った人が、結婚式なんて金の無駄、やる必要性を感じられないという人と結婚しようとしたら、それは必ず争いになりますよね。

幸い、旦那は日本の伝統文化を尊んでいるので、結婚式や七五三などの催事は私が自由にすることができました。まあ、私も変人ですし、旦那も変わった人なので、例外的なケースなのかもしれません。むしろ、人種や文化が違ったことで楽しめることの方が多い10年でした。