いやー皆さん、日本の天気はどうですか。
こちらは日々熱々です。
今日は今週でも一番暑くて40度あります。
でもまぁ、乾燥してるので、湿気地獄の日本の方が体感的には暑くて辛いです。
ただ、これが43度くらいになっちゃうと、暑いというより直射日光で焦げそうというか太陽のジリジリ感がすごくて屋外にいられないわ、空気を吸うと喉をやられちゃう感じになるので、これ以上上がらないようにと祈っています。
うちの愛犬、いや正確には義兄の家のドーベルマンなんだけど、この暑さでも屋外なんで可哀想です。
昨日は犬用のピーナツクッキーを娘と手作りしたんですよ。アイシングのデコレーションもつけて。私の犬愛を感じ取ってくれますか。
本題ですが、新作ドラマで凄いのを見つけたので紹介しますよ。
まだ始まってまもないドラマで、第1話と第2話が放映されたばかりです。
新作ドラマ 「ザ・オールド・マン」
主演はジェフ・ブリッジズ、共演ジョン・リスゴー、エイミー・ブレネマン。
キャストだけでも曲者臭がぷんぷんしてきますでしょ。
トマス・ペリーという作家の同名小説をドラマ化したもので、ジェフ・ブリッジズは10年前に不正をして行方をくらました元CIA諜報員の役で、ついにCIAに居所がバレてしまい、暗殺者の手が年老いたジェフ・ブリッジズに迫る…といった内容なのだけれど。
最近、CIAだのFBIだのドラマ化したドラマ(ドラマ化したドラマ?)が多いけれど、軽いんだよなー、どいつもこいつも。
イケメン・イケ女を集めて、気の利いた台詞を交わして、派手なアクションぶちこんで、LGBTQキャラ入れて、性的コンテンツか暴力コンテンツ入れると尚良しという風潮が嫌い。
SNSが発展して以来、人々はオンライン上でよりせっかちになってると思うの。Facebook→文字制限あるTwitter→文字を読まなくていいインスタグラム、youtube→短い動画のTikTokというように。
本も読まなくなってるでしょ。日本人は勤勉で好奇心旺盛なので読書する人は減ってないと思うけど、世界的にみると本読まなくなってるよ絶対。
アメリカ人の一般人なんて本っっっとに本読まないもんね。
読書ていうのは、深慮深い体系的な知識や論理を構築するために欠かせない習慣だと思うの。
人々が読書よりお手軽ショートコンテンツを好むようになったので、作り手も気軽に観れるポップコーン映画やお手軽消費コンテンツを作るようになるのよね。で、ことごとく失敗するんだけど。
あとここ5年はウォーク(woke)イズムが猛威を振るい、映画もTVもウォークなコンテンツばかり大量生産されてきたけど、殆どが興行収入や視聴率が振るわない結果になっています。
・・・なんでこんな政治社会的な話しているの、私?
はい、話を元に戻すー。
言いたかったことは、「The Old Man」はそんな現代の風潮を吹き飛ばすドラマだということです。
第1話と第2話を観た感想
何から話そう。
ひゃー、もうとにかくね、ジェフ・ブリッジズとジョン・リスゴーが素敵すぎる。
ジェフ・ブリッジズは若い頃から爺さんの風貌をしていた気がするが、今は本物の爺さんになった。72歳。格好いいよなー。皆もこんな渋い爺さんになってね。そして私をナンパしてね。一緒にお茶でも飲もうね。
ジェフ・ブリッジズは元CIA諜報員で、アフガニスタン紛争で工作活動をしていたのだが、30年前にある事をしでかして行方をくらます。居所がバレないように使い捨て電話で娘とだけ話し、二匹のロットワイラー犬と暮らす毎日。30年後、CIAに住処を発見され、追われる身に・・・
という粗筋なんだけど。
まぁ映画やTVでよくありそうな粗筋ではあるんだけど、ポイントはジェフ・ブリッジズがオールド・マンということですよ!
オールド・マンなのにCIAに追われるって無茶ぶりがポイントなのよね。ジェイソン・ボーンも追われてるけど、あの人まだまだ若いがな。
ジェフ・ブリッジズがいくら元CIA諜報員だったといっても、72歳で現役CIA諜報員たちとやり合うのは酷です。
なので・・・
ロットワイラーを二匹投入します。
名前は「デイブ&キャロル」。
多分、ピンク色のカラーを付けていて断尾されている方がキャロル、ブルー色のカラーで尾が長い方がデイブとみた。
このロットワイラーは非常に賢く(ロットワイラーは基本的に賢い)、ご主人のジェフ・ブリッジズに大変忠実で、ジェフ・ブリッジズの大事な守護神でもある。
逃亡生活をするジェフ・ブリッジズは人と親しくなることもできないので、犬二匹がジェフ・ブリッジズの家族であり親友なのである。犬に「デイブ」「キャロル」と人間の名を付けているのも、そういった理由がある。
妻はハンチントン病を患い、6年前に亡くなった。
ひとり娘のエミリーとは使い捨て電話で会話をするが、身の安全のためエミリーの居場所も不明である。
ある日、ジェフ・ブリッジズはいつもの通りを歩いている時に見慣れない店主を見かける。…それはいつものルーチンとは違う微かなサイン。ジェフ・ブリッジズの頭に黄色信号が灯る。ジェフ・ブリッジズは帰宅後、空き缶でサウンドトラップを作る。
そして、その日の夜・・・あー書きたいけど書けない!鑑賞して欲しいので内緒にしておく。
この最初の15分だけでジェフ・ブリッジズの性格や置かれている状況、元CIAとして鍛えられた注意深さ、油断の無さ、観察眼がそれはもう丁寧に余すところなく描かれていて、これだけでも「このドラマは良作だわ」と判断できちゃうの。
こうして文章にすると、いつものようなスパイものを想像してしまうかもしれないけど、とにかく見せ方が上手いし、ジェフ・ブリッジズが極上。
一見、上品で優しそうな初老男性が小さな町で静かで穏やかな日常生活を送っているように見えるが、娘と話した後に使い捨て電話を電子レンジで焼いたり、見慣れないものに気を配ったりするといった影のある初老男性を、ジェフ・ブリッジズが完璧にこなしているのねー。
他のドラマのキャラクターと比較するのはあまりしたくないけど、どうしても「ブレイキング・バッド」のウォルターとマイクに重ねちゃうわね。BBのファンだから。
「ジェイソン・ボーン」のシニア版という人もいるかもしれない。でも派手な演出はないから安心して欲しい。
ジェフ・ブリッジズは確かに元CIA諜報員だったけど、今は初老のオールド・マン。彼を追う現役CIAや現役FBIとの白兵戦に簡単に勝利…とはいきません。いやー、あのバトルもたまらんかったわー。みなまで言わないけど、現役に「もう、何なの、あなた!?オールド・マンのくせに!」と文句言わすくらいは苦しめてやります。ていうか殺す。
ジェイソン・ボーンみたいな戦いぶりは無理だし、瞬発力もないし、呼吸は乱れまくりだし、オールド・マンらしさがちゃんと出てるところがいんだよー。
ハァハァゼイゼイ言ってる声がリアル。なんなら普通のときもハァハァという息漏れが聞こえるもんだから、ジェフ・ブリッジズは呼吸器系に何か異常があるのではなかろうか、と心配してしまう。またそれがドラマをよりスリリングにしているんで、演出なら素晴らしいディテールです。若作りしない、させないという信念をね、感じてだね。
そして犬の活躍ね。このドラマを観た人は、すでにデイブとキャロルの話で持ちきりだと思う。imdbでも「犬が」で持ち切りよ。
さて、FBI副長官のジョン・リスゴーは、ジェフ・ブリッジズが発見された知らせを受けます。
ジョン・リスゴーは、過去、アフガニスタン紛争(1978~1989)時代にアフガンに潜入工作していたジェフ・ブリッジズのハンドラーでした。そのためCIAがジョン・リスゴーをジェフ・ブリッジズ捕獲作戦に駆り出そうとしてきたわけです。
ところがジョン・リスゴーの立ち位置もおもしろくて、CIAとFBIはジェフ・ブリッジズを捕まえたい一方、ジョン・リスゴーはジェフ・ブリッジズに捕まらずにそのまま行方不明で居て欲しい理由がある。
この辺の兼ね合いがたまらなくて、それはあのジョン・リスゴーの独特の喋り方や雰囲気が成せる業となっています。
第2話では、ジェフ・ブリッジズがあるお家の一間を借りることになるんだけど、その住人がエイミー・ブレネマン演じるゾーイさんです。
ゾーイは離婚して一人暮らしで、息子は大学生。元夫は新しい女性と新しい道を歩き始めていて、孤独感を抱えた中年女性です。
私、エイミー・ブレネマンと再会するのは「ヒート(1995)」か「デイライト(1996)」以来なんだけど、彼女の見た目の若さにビックリしました。マジで58歳?
エイミー・ブレネマンは影ある男性をサポートする強くて個性的な女性キャラを演じるのが上手い。
相変わらずチャーミングで、第3話以降ジェフ・ブリッジズが渡る危険な橋(ブリッジズなだけに)を共に渡るのか、それとも落ちてしまうのか、彼女の行方も見逃せない。
良いコンテンツというのは、監督、粗筋、演出、キャストが揃って実現可能なものなんだなーと実感している。
カメラワークのおかげなのか、演出のおかげなのか分からないけれど、まるっきり映画を鑑賞しているみたいなんだよね。そんな雰囲気。
ミニシリーズかと思ったらシリーズ化がもう決まっているという話もあるので、シーズン1の残り(S1は全7話)の5話がこの調子なら、まちがいなくシーズン2もあるでしょうね。
というわけで、今一押しの海外ドラマ「ザ・オールド・マン」を是非鑑賞してみて欲しい!
それでは皆さん、次回までごきげんよう。