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Hulu【The Act】観始めた感想:ザ・毒親。パトリシア・アークエット主演、歪んだ母の愛情を描くドラマ

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The Act@Hulu

また一つ、おもしろい海外ドラマ発掘しました。

Hulu発ドラマ「The Act(原題)」です。

アメリカで2019年4月に放送されました。 

ブキミなポスターがイイと思わない?

「The Act」は、娘に異常な執着心と支配心を持つ歪んだ母親の愛情を描いたドラマで、事実に基づいています。

2017年にHBO制作ドキュメンタリー映画「Mommy Dead And Dearest」も放映されています。

全8話のドラマです。

第1話と第2話を観たところ、かなり面白いので紹介します。

 

【The Act】ドラマのあらすじ

十代の娘ジプシーとその母ディーディーは、ハリケーン・カトリーナがルイジアナを襲ったあと、ミズーリの田舎町でボランティア団体「Habitat for Humanity(米の有名なキリスト教NPO)」が建ててくれた家で新しい生活を始める。

娘のジプシーは癲癇、心雑音、筋ジストロフィー、砂糖アレルギーなど多くの医療障害を持っており、車椅子で胃ろうで食事をとる生活。そんな娘の面倒を一手に引き受け、献身的に尽くす母親のディーディーだが…

といった有名な実話に基づく話で、まぁ予告、粗筋、第1話ですぐに明らかにされるように、母ディーディーは代理ミュンヒハウゼン症候群*を抱えています。*代理ミュンヒハウゼン症候群…ミュンヒハウゼン症候群の一形態で、傷害の対象が自分でなく他の人になる精神疾患。多くの場合、対象は自分の子や要介護者。

 

【The Act】ドラマの感想

ポスターや「歪んだ母の愛情」「娘が母の呪縛から逃げる」という魔法の言葉を目にして「観たーい」と飛びついた作品です。

冒頭で、医療障害を抱えた子どものベストアワード賞か何かに選ばれたことで、メディアのインタビューを受ける母娘を観て、「うわぁ、また凄いお母さん見つけたなー」と不気味なものを感じながら、見ること20分・・・

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母ディーディーは人前でいつも娘ジプシーの手を握り、支配していたという。

The Act をググってパトリシア・アークエットが出ていることを初めて知りました。

でも暫くパトリシア・アークエットをお目にかけていない私は「え、パトちゃん出てんの?どこ?パトちゃん、どこどこ?まだ出てないのかな?」と思っているうちに驚愕の事実を知る。

おかんがパトちゃんだった。

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パトちゃんがいつのまにかおかんになってました

私のなかでパトちゃんはずっとこのイメージ。ヒョウ柄が似合い過ぎてた若かりし頃のパトちゃん。

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ヒョウ柄が似合うパトちゃん

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牛柄も似合うパトちゃん

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ショットガンも似合うパトちゃん

パトちゃんは金髪のイメージが強いので、ブラウン髪のおばちゃんがパトちゃんだと全然気付きませんでした。反省。

さてそんなパトちゃんが代理ミュンヒハウゼン症候群の母を演じるというドラマですので、これはもう面白いに違いないと思って観始めたら本当に面白いよ。

ミュンヒハウゼン症候群というのは精神疾患のひとつで、周囲の注意や同情を引くために自らを傷つけたり薬を服用したりして病気のフリをします。周りの人々に注目されたくて私のように「あーいたたた、腰痛い」とアピールしたり、SNSに必死でリア充アピールして承認欲求を満たすというレベルは大なり小なり誰でもあると思うけど、ミュンヒハウゼン症候群は自らを傷つけちゃうというレベルなんですねぇ。

小中学生の頃、わざと自分の靴を隠したり、教科書をビリビリにして、周囲の同情を買っていた人物がおりました。教師はイジメを疑ったのですが、実は本人による自作自演だったということが判明しました。

ミュンヒハウゼン症候群の原因としては、幼少期のトラウマや辛い経験、寂しさなどがあるようです。虐めの加害者も似たような根本的原因を抱えている場合が多いので、子どもの頃に健全な環境を過ごせたかどうかはその後の人生にずっと影響を与えるものだということがお分かりになるかと思います。

その知り合いの家庭環境も良くなかったですねぇ…その子の父も母も公然と浮気をしているような家庭でした。さらに、その子も結婚したあとに不倫を繰り返しています。

このドラマの母は代理ミュンヒハウゼン症候群で、加害対象が自分ではなく他人に向かいます。娘のディーディーを故意に病気に仕立て上げ、自分が献身的に尽くすことで周囲から注目されたり評価されたいというわけです。

実話ベースということですが、これがとにかく常軌を逸しています。

例を挙げると・・・

  • 胃に管を入れて胃ろうで食事をとらせる
  • 本当は歩けるのに車椅子(筋ジストロフィーと嘘をついた)
  • 化学療法を受けている印象を与えるために丸坊主にする
  • 砂糖アレルギーと嘘をついて砂糖を取らせない
  • 大量の薬を服用させる
  • 夜は酸素を吸入させる
  • 唾液腺の切除
  • 抗てんかん薬の副作用と唾液腺の喪失のために虫歯が生じたため、前歯のほとんどを抜歯される
  • 耳の感染病のために耳にも挿管

娘は引っ越してきた先の隣人のティーン、レーシーと友人になります。レーシーの母メルをクロエ・セヴィニーが演じております。

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隣人の母にクロエ・セヴィニー

ご存じ、サブカルを象徴する女優ですが、サブカルが嫌いなのでクロエ・セヴィニーてどうしても好きになれなかった。

でも本作のクロエ・セヴィニーは最高!!

クロエが演じるシングルマザーは、アメリカの低所得層のれっきとしたクリスチャンで、性格を簡単にいうと、あけすけビッチなのねん。

口は悪いし品はないしで理想的な母親とは言えないかもしれないし、感じが良い人ではないものの、性根は悪くないというキャラなんだけど、今のクロエにこのキャラが似合いすぎていて感動。

初めて「クロエ・セヴィニーいいな」と思いました。

パトちゃん演じるディーディー母は、娘を虐待しているだけでなく軽罪の前科が数多くあるようで、第1話ではモールで万引きしているのをクロエ・セヴィニーに目撃されます。

クロエは他言はしないものの、NPO団体のメンバーとしてディーディー達の家の建設も手伝っているわけですから、万引きをしたディーディーに冷たい視線を送ります。

そこでディーディーはクロエの機嫌を直そうとパーティを開いて近所の住民を招待します。パーティで娘ジプシーが甘いカップケーキに手を出して食べていると、ディーディーが慌ててジプシーに駆け寄り、アレルギーを抑える注射を太ももにブスッと投与、慌ててERに駆け込みます。

その様子を見たクロエ・セヴィニーはすっかり母娘に同情し、万引きのことは見過ごしてあげます。

同時に、将来の時間軸も挿入され、母娘の物語の結末が描かれます。母ディーディーが背中を滅多刺しにされて死んでいるシーンが映ることからお判りになる通り、パトちゃんは殺される。(このとき娘ジプシーは行方知らず)

第2話では刑事たちが家の中をみて「ぬいぐる症か」と言いながら立ち竦んだりしている。

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ぬいぐる症

娘ジプシーは、ERで医師が「娘さんに砂糖アレルギーはありませんよ」と母に話しているのを聞き、夜中にこっそりとベッドを抜け出し、コーラがぶ飲み、生クリームや甘いモノを暴飲暴食します。

抗てんかん薬の副作用や唾液腺の切除の影響もあって、ジプシーは虫歯だらけに。

すると母は娘を歯医者に連れて行き、嫌がる娘の前歯を抜歯。

数日後、歯がないまま、医療障害を抱える子のアワードの表彰式に行きます。

メイクをしたジプシーに「まぁっ!ジプシー、綺麗よ~~~」と母がいうと

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歯がねえんだよ

ジプシーはこんな面白い顔をします。

ジプシーを演じるのはジョーイ・キング。天才子役と言われたみたいだけど、知らないや、この人。

第2話では、医師のひとりが何かおかしいということに気づいて、独自に過去の医療記録を問い合わせたりするので、ちょっとサスペンス要素がある。とはいえパトちゃんはミザリーのような怖さはないのだけれど、子供にこれだけの傷害を与えているという背景を知りながら観るので、背筋が冷たくなるよね。

なお、ジプシーが年齢の割に幼い(この時は15歳の設定)のと、甲高い子どもみたいな声を出していますが、どうやらこれは本当のジプシーがそういう言動だったということで、事実に即した演出をしているようです。

この事件については詳しく知らないので、ドキュメンタリーを見たり事件の概要をもう少し調べた上で最後まで見た感想を次回は述べたいと思います。

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