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【ナルコス:メキシコ編】シーズン1第1話あらすじ感想:最初の麻薬カルテル、グアダラハラ・カルテル

ナルコスメキシコシーズン4

1年間ずっと待ってたよナルコス。

Netflixが誇るオリジナルドラマの本命【ナルコス】の時間がやって参りました。

英語でいうと it's that time of year っていうやつですよ。英語ラーナーは、この機会に覚えときなさい。

「Netflixオリジナルドラマはクオリティが高い」なんて思っていたものの、あえて厳しく評価させてもらうと最近はクオリティが若干下がったと言わざるを得ない。

どのオリジナルドラマも掴みは良いのだが、途中からグダグダしてしまうドラマが目立つ。Netflixオリジナルの映画にも同じことが言えるのだが、ストーリーを詰め込み過ぎたり、展開やセリフが乱雑だったり、プロットに穴が目立つことが多い。最初の掴みの面白さや緊張感を最後までキープできればベストだけど、称賛に値するものがそう多くない。

しかし、Netflixオリジナルドラマの中で、【ストレンジャー・シングス】と本作品【ナルコス】には10点満点中9点をあげたい秀逸な作品と断言できるし、自信をもっておススメできるのは、やはりこの2作である。

さすがに本家のブレイキングバッドには及ばないが、スローではあるものの麻薬繋がりのドラマ「ベター・コール・ソウル」もぐんぐん面白さを増してきている。

ブレイキング・バッド好きなら、ナルコスはやはり見ておきたい。

 

【ナルコス:メキシコ編】作品紹介

【ナルコス】は凶悪な麻薬カルテルを描いた作品だ。シーズン1と2は伝説のコロンビアの麻薬王パブロ・エスコバールの「メデジン・カルテル」、シーズン3はパブロ・エスコバール亡き後の「カリ・カルテル」を描いている。

そしてこの11月16日に新しくリリースされたのが【ナルコス:メキシコ編】であり、麻薬カルテルの舞台はついにメキシコへ移る。

私はてっきり【ナルコス】シーズン4になるかと思っていたのだが、【ナルコス】は【ナルコス】でシーズン3でいったん終了し、【ナルコス:メキシコ編】としてシーズン1からのスタートにしたようだ。

Netflixオリジナルドラマ【ナルコス】

  • S1:コロンビアのメデジン・カルテル(麻薬王パブロ・エスコバール)
  • S2:コロンビアのメデジン・カルテル(麻薬王パブロ・エスコバール)
  • S3:コロンビアのカリ・カルテル(ロベルト兄弟、パチェ、チェペの4人がゴッドファーザー)

Netflixオリジナルドラマ【ナルコス:メキシコ編】

  • S1:メキシコのグアダラハラ・カルテル(ミゲル・アンヘル・フェリックス・ガジャルド)

どうでもいいけど邦訳のナルコスのスは要らない。ナルコとは麻薬のほかにドラッグディーラーの意味もあるが、いわばこのスは複数形のスであって、このドラマでは日本語に表記しなくていいものだ。一方で sons of anarchy はサンズでなければならないのにサン・オブ・アナーキーと訳して考えなしを晒している。

メキシコの麻薬カルテルも多いのでこの先のシーズン製作の題材は不足なさそうですが、ちょうど1年前くらいに本作のロケスカウト担当が襲撃されて命を落としているから、現代のカルテルを扱えるかどうかは怪しい。

冒頭にしっかりと「事実に基づく着想であり、人物、事件、なんたらかんたらは創作です」と注意書きしている。(でもボスのミゲルの名前はちゃんと本名なんだけど…)チキンやんとか思ってはいけない、むしろ「全部ファンタジーです」と書いて然るべき。ナルコスは、そんな危ない橋を渡った、まさに命懸けの作品といえる。頑張れネットフリックス。

 

【ナルコス:メキシコ編】シーズン1あらすじ

1980年代に世界を震え上がらせたメキシコの麻薬戦争はどのように生まれたのか。メキシコのグアハラダラ・カルテルをめぐる、欲望と野望に満ちた真実の物語が今語られる。

Netflix

メキシコの麻薬戦争は2000年代後半から激化し、いまでは様々な麻薬カルテルが存在して抗争を続けています。

グアダラハラ・カルテルは、80年代にメキシコで最初に生まれた麻薬カルテルで、コロンビアの麻薬カルテルが衰退したのを機に台頭してきたのがこのグアダラハラ・カルテルです。

そしてグアハラダラ・カルテルを築いたボスが「ミゲル・アンヘル・フェリクス・ガジャルド」で、本作ではスターウォーズ/ローグ・ワンのカシアン役ディエゴ・ルナが好演しています。

ボスの名前が4つもあって長くて分かりづらいんだけど、メキシコではミドルネームをたくさんつける人もいて、7つもミドルネームがある人もいます。イザベラ・グラシエラ・ジュディス・アドリアナ・カルメン・クラリーサ・ロドリゲスみたいな。

そういう場合は、ファーストネーム(日本でいう名前の方)かミドルネームのひとつを普段の呼称に使っています。知り合いはファーストネームではなく、ミドルネームを使っていました。ややこしいわ!

 

【ナルコス:メキシコ編】グアダラハラ・カルテルの起源

本作で取り扱うグアダラハラ・カルテルは、どうやって生まれたのでしょうか?

当初、メキシコにはまだ麻薬カルテルがありませんでした。

元メキシコ連邦警察のエージェントであったミゲル・アンヘル・フェリックス・ガジャルド(以下ミゲル)は、メキシコとアメリカ国境を結ぶ通路を管理していたのですが、マリファナとアヘンのアメリカへの空輸を始めます。

80年代、ミゲルはコロンビアのカルテルと結びつき、麻薬カルテル(のちにグアダラハラ・カルテルと呼ばれる)を立ち上げ、パブロ・エスコバールによってメデジン・カルテルとの交渉人となりました。

ミゲルは警察の強襲を避けるため、そして効率化のために麻薬取引を分割します。そして各麻薬組織のトップに各エリアを支配させることにします。

現存するメジャーなカルテルのティファナ・カルテル、フアレス・カルテル、ガルフ・カルテル、シナロア・カルテル等の原形がここにあるわけです。

・・・ということは今のメキシコの惨状の元凶はこやつ!こやつ一人!

Miguel Ángel Félix Gallardo - Wikipedia

 

【ナルコス:メキシコ編】シーズン1登場人物

アメリカの麻薬捜査官エンリケ・「キキ」・カマレナ(by マイケル・ペーニャ)

「クラッシュ」や「エンド・オブ・ウオッチ」など私が嫌いな映画に出てしまったゆえに私から厳しい目で見られてしまうマイケル・ペーニャ。アメリカでは最も有名なヒスパニック系俳優の一人。

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メキシコを代表する俳優となったマイケル・ペーニャ

 

地方検事ミゲル・アンヘル・フェリックス・ガジャルド(by ディエゴ・ルナ)

スターウォーズ/ローグ・ワンのカシアン役、主人公と運命を共にする重要な役だった。2016年にはメル・ギブソンとブラッド・ファーザーで共演したが、今回はゴッド・ファーザーになる。

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ブラッド・ファザー(2016年)の頃のディエゴ・ルナとゴッド・ファーザーのディエゴ・ルナ

 

【ナルコス:メキシコ編】シーズン1を見始めた感想

しつこいようだけど、マイケル・ペーニャとはあまりいい思い出がないため、彼の今回の起用には納得していない。

ペーニャはその親近感ある善人ルックスゆえに、エンドオブウオッチのようなイケイケ警官がひどく似合わなかったし、本作の第一話で麻薬捜査官として潜入捜査中に警官であることを疑われてハッタリをかますシーンでは切迫した空気の張り詰め感もないし、鬼気迫る雰囲気がちっとも醸し出されない。

自分に銃口を向けさせる一か八かの危険なシーンであるのに、彼の表情にはクレイジーさが全く伺いしれないのである。

正直ペーニャをそこまで嫌う理由はなく、キャラとのミスマッチが不満なだけで、彼の名誉のために言うなれば、ザ・シューターのドジっ子は適役だった。

第一話は、フレズノで麻薬捜査官をするペーニャがフレズノを出たい妻の希望もあって、メキシコのグアダラハラに引越して米領事館を拠点に情報収集の退屈な任務に就くことと、のちのメキシコの最初の麻薬カルテル「グアダラハラ・カルテル」のボスになるミゲルが警察を辞めてマリファナ組織に働きかけて帝国を築く決意をすることの2つの対極するキャラの視点から描かれている。

二人が時を同じくしてグアダラハラの街に乗りつけ、互いの存在を知らずして通りすがりシーンは、安易に予想できたものの、これから起きるドラマの想像を駆り立てるのに効果的だ。

ミゲル役ディエゴ・ルナはちょっと線が細いのが気になってはいるが、ペーニャよりも感心させてくれたのは言うまでもない。

【ナルコス】 のアイドル、ぺドロ・パスカルが出ないのはイチゴのないショートケーキのようで、些か寂しいものだガ、メキシコ編のお手並み拝見といこう。

【ナルコス:メキシコ編】シーズン1前半の感想:絶対ハマるNetflixドラマ、面白さに陰りなし

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