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【マンチェスター・バイ・ザ・シー】映画の感想:え?これアカデミー賞?(ネタバレなし)

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マンチェスター・バイ・ザ・シー© 2016 Amazon Studios


【マンチェスター・バイ・ザ・シー】を視聴した感想です。

2017年でアカデミー賞を総ナメにしていました(たぶん)。

最初から最後までずっとゆるい映画です。

悪くはないんですけど、正直「え?これがアカデミー賞」と思いました。

ネタバレなし

 

【マンチェスター・バイ・ザ・シー】作品情報

原題:Manchester By The Sea
製作年:2016年
上映時間:137分
監督:ケネス・ロナーガン
出演:ケイシー・アフレック、ミシェル・ウィリアムズ
言語:英語
ジャンル:ドラマ
受賞:
アカデミー賞・主演男優賞 ケイシー・アフレック
アカデミー賞・脚本賞 ケネス・ロナーガン
ゴールデングローブ賞・最優秀主演男優賞(ドラマ) ケイシー・アフレック
ほかノミネート多数

 

【マンチェスター・バイ・ザ・シー】あらすじ

ボストン郊外で便利屋をしている孤独な男リー(ケイシー・アフレック)は、兄ジョー(カイル・チャンドラー)の急死をきっかけに故郷マンチェスター・バイ・ザ・シーに戻ってくる。

兄の死を悲しむ暇もなく、遺言で16歳になるおいのパトリック(ルーカス・ヘッジズ)の後見人を引き受けた彼は、おいの面倒を見るため故郷の町に留まるうちに、自身が心を閉ざすことになった過去の悲劇と向き合うことになり……。

シネマトゥデイ

 

【マンチェスター・バイ・ザ・シー】感想

ケイシー・アフレックはあまり好きな俳優じゃありません。あのフニャフニャした喋り方がどうしても好きになれなくてですね。最初はそういう演技なのかと思ったら、ゴーン・ベイビー・ゴーンや、トリプル9でもフニャフニャしてる。

しかし!そんなケイシー・アフレックのフニャフニャ喋りが功を奏する時がついにやってきました。ベンアフ弟は、だてにフニャフニャ喋ってなかったんです。過去に悲劇を抱えてウツになってる叔父さん。あなた、似合いすぎじゃない。

ケイシー・アフレックのフニャフニャを「いいじゃないの」なんて思う日がくるとは思いませんでしたよ。稲中卓球部の田中のどうでもいいよマンになったリーは、フニャフニャスピーカーのケイシー・アフレックにうってつけの役でした。

自暴自棄というわけではなくて、とにかく鬱な毎日といいますか、リーがアパートの住人たちの部屋の修理をしているシーンの冒頭が実は私の中で一番好きなシーンでした。

え?そこ?そこが一番好きなシーンって、どうなの。

でもまぁ、そんなふうにフニャフニャと鬱おっさんのコラボがぴったりハマッたおかげで、アカデミー賞主演男優賞はまぁ理解できました。

そしてリーの元奥さん役にミシェル・ウィリアムズ。この人もあまり好きじゃないんだけど、ここ最近観る映画にけっこう出演してるのよねぇ。この間は「シャッター・アイランド」見たら出てたし。

ミシェル・ウィリアムズは美人ではないけれど、独特の雰囲気があるよね。系統的にいうとブリジット・ジョーンズ演じたレネー・ゼルウィガーみたいな。

甥っ子のパトリック(ルーカス・ヘッジズ)は、今年のアカデミー賞ノミネート作品「スリー・ビルボード」にも出演しています。スリー・ビルボードでは素晴らしい演技を披露しているので必見です。本作では不思議なキャラだったけど。

俳優たちは皆良かったけど、ストーリーがあまりにも淡々としすぎて、抑揚がないので、一歩間違うと悲劇のおっさんの淡々とした日常を書いたドラマというだけになってしまうような気もしました。

甥っ子の後見人にというイベントはあるものの、結局リーがこの町にいるのが辛すぎて無理、でも甥っ子とほのぼのとした時間を過ごしてジ・エンドと、なんにも起こらないんですよね。

唯一起きたのは、元妻がリーに馬事雑言を言ったことを謝罪して、リーのせいじゃないと慰めたことだけ。それを聞いてリーの苦しみはかなり楽になったとは思うけど、悲劇の責任が自分にある、と自分を責め続けることは変わらないと思うし。

監督はハッピーエンドの映画は好きじゃないって言ってますが、だからってこの映画見て何を感じるかというと、何にも感じなかったんですよね。傷は癒えないけど人生は続いて行く・・・うん、で?だから何?みたいな。

あと静かな映画なのに、リーの過去の悲劇の回想シーンで、BGMがとたんにうるさく盛り上がっていきます。「これからネタバレ、可哀想だから覚悟してよ」みたいな感動ポルノっぽくなっていて、すっかり興冷めしてしまって感情移入が全然できませんでした。

評価高いんでしょうけど、やっぱり映画に対する人の感性や好みって、人それぞれですね。

評価:45点