Netflixオリジナルドラマは良質なものが多い。特にミステリー、サスペンス系は優秀なものが多く、満足度が高いです。
新作ドラマ「ル・シャレー 離された13人」もそのひとつ。
全6話のミニシリーズで、陸の孤島に閉ざされた13人の男女がひとりまたひとりと殺されていくサスペンスフルなドラマです。
全編フランス語のおかげで、サヴァ?とかクワァ?とか使い方が分かるようになるよ!
ネタバレなし
【ル・シャレー 離された13人】あらすじ
人里離れた山奥にあるバルモリン村にかつての幼なじみたちが結婚式のために集合します。村に行くには車で数時間かかり、村へのアクセスは橋一つしかありません。
それぞれ恋人や家族を連れて集まった幼なじみたちは再会を懐かしむのですが、落石で橋が崩落し、村は外界と遮断されてしまいます。
こんな感じで石が落ちてきます。怖ェェ
時は遡り、20年前にこの別荘に引っ越してきたロディエ一家が突然失踪していました。
というようなストーリーです。
「なんかよくわからん」と思うかもしれませんが、ネタバレなしだとこのくらいしか話せないんですよね。
物語は現在と20年前の2つの時間軸をシンクロさせて進みます。
登場人物
20年前に休暇で村を訪れていた青年マニュ
幼なじみの結婚式に参列するためにやってきたマニュ。
アリスの親友。村の住人ではないが、休暇になると村に遊びにきていた。アリスを通じてロディエ家のジュリアンとも仲良くなる。
マニュの婚約者アデル
マニュの婚約者のアデル。現在、妊娠中。ちょっと変わり者?マニュとアリスの仲に嫉妬している。
村出身アリス
マニュの親友。20年前にロディエ家のジャスティンジュリアンと出会い、恋仲だった。現在はシェフのファビオと交際中。美人で天真爛漫な性格でモテモテ。
アリスの恋人ファビオ
陸海問わず、閉ざされた孤島コンテンツに欠かせないシェフ。しかし恐ろしく空気の読めない性格なのか、ことあるごとにハーブハーブというハーブ中毒。
村出身セバスチャン
暴力的な父親に育てられたいじめっ子。アリスのことが好きで、アリスと恋仲にあったジュリアンをいじめていた。現在はモードという女優のGFがいるDQN。
セバスチャンの恋人モード
売れない女優の仕事の傍ら、車の展示場で働いている。セバスチャンがまだアリスに夢中っぽいのでセバスチャンに腹が立っている。
村出身ティエリ
セバスチャンの幼なじみだが、妻エリカとの結婚生活はすでに破たんしていて、離婚しようと考えている。
兄弟はロラン、父はフィリップ。
ティエリの妻エリカ
冷え切った夫婦生活に嫌気がさしている。
村出身ロラン
セバスチャンの幼なじみ。結婚式を挙げるために村にやってきた。兄弟はティエリ、父はフィリップ。
ロランの婚約者ティフェンヌ
ロランの婚約者、花婿。数日後に両親もやってくる予定だったが…
ロランの友人で投資家オリビエ
ロランの友人であり投資家のオリビエ。村に投資を考えており、フィリップとロランに招待された。
オリビエの妻マチルダ
投資家オリビエの妻マチルダ。なぜかいつも娘のレオを探している。
フィリップの妹ムリエル
村でバーを経営している。
フィリップは兄。
DQNセバスチャンの父エチエンヌに長い間、言い寄られていた。
ムリエルの兄フィリップ
妹ムリエルと一緒に別荘の管理をしている。妹のムリエル曰く「金の亡者」。
息子はロランとティエリ。
15歳の頃、ロディエ家のフランソワーズ(ジャンルイの妻)と寝ていた過去があり、20年前にロディエ家が引っ越してきた時もまだフランソワーズに未練を抱いていた。
フィリップの故妻フローレンス
フィリップの妻は約20年前に死亡。
当時、フィリップとバーで働くクリスティーヌの浮気を疑い、心を病んでいた。
セバスチャンの父エチエンヌ
DQNな子を育ててしまったDQNな父。
バーを経営しているムリエルに長年言い寄っていたが1~2度寝たきり、相手にされず。
バーで働くビッチクリスティーヌ
ビッチ。
20年前はフィリップとデキていた?
ロディエ家の親戚アレクサンドル
世捨て人で自給自足の生活をしている。かつては天才的な数学者だったそうです。ロディエ家の親戚で、フランソワーズの従弟のようです。
20年前に村に引っ越してきたロディエ一家
父ジャン・ルイ
売れない作家。気難しく、浮気癖があるようです。本を一冊出版したものの、思うように創作活動が進まず、妻フランソワーズがかつて住んでいたこの村に引っ越してきます。
ロディエ家の母フランソワーズ
作家の夫を支える妻フランソワーズ。この村で育ちました。夫の浮気癖に悩まされています。
ロディエ家の長男ジュリアン
13歳のジュリアンは、村に引っ越してきてアリスと恋仲になります。アリスを好きなセバスチャンに虐められます。
ロディエ家の長女アメリ
【ル・シャレー 離された13人】感想
登場人物が多いので、最初は名前と顔を覚えるのが少々難儀に感じます。でも割と特徴のあるキャラが揃えられているので、顔はすぐに覚えられます。
もともと過去の話を挿入するスタイルは混乱しやすいのであまり好きではないのですが、本作はそれが大成功しているレアな作品です。
登場人物が多くて現在と過去を行ったり来たりだとますます混乱しそうに思えますが、現在と過去だということが混乱せずに明確に分かるあたり凄腕ですよ。
現在の物語が進むにつれて(人が消えていくにつれて)、同時に過去の真相が徐々に明らかになっていくので「何があったんだろう」という秘密が暴かれていく面白さと「誰が何のために」という犯人探しとで2倍楽しめる構成になっています。
見返してみるとメチャメチャおもしろい。最初の頃の小さな伏線などをだいぶ見逃していたことに気がつきました。あの人が村にやってきた時のあの人の驚きとか完全に見逃してたんだけど、結局あの人は知らなかったんだなと見返して今分かりました。
とはいえ、このやり取りがなくても早いうちにネタバレの3分の1は暴露されています。これは別にカンがいいとか悪いとかではなくて、意識的に視聴者が「あ、そうか」と分かるようになっています。
1回目を視聴している時は気がつかないのですが、実は犯人はとても器用に状況や人々の心理をコントロールしています。
ネタバレ要素は大きくわけて3つありまして、1つはまず犯人ですね。2つめは20年前の真相、そして3つめがまた犯人に関する真相ですね。
このうち1つめはバカでもわかります。2つめはなかなか込み入った話でして、1つの要素ではなく2~4つの要素がからんできます。この辺は20年前に遡るシーンでとても丁寧に説明されていきます。
20年前の真相は第4話で明らかになり、すべてがつながります。しかし最終話の第6話にも「あああっ!」という驚愕の事実もあります。
ああネタバレなしだと全然書けないこのドラマ。だって「誰もいなくなった系」サスペンスでネタバレ記事書いちゃったらダメでしょ?
まあ、とにかく面白いので見てみてください。後悔しませんよ。
あと村に封じ込められた人間が13人だけじゃなくてもっといますけど、たぶん別荘に滞在していた13人のことだと思います。