Hulu発オリジナルドラマ「Reprisal」第3話のあらすじと感想です。
自分を半殺しにした兄バートとそのギャングたちに復讐を誓う女性キャサリン(ドリスに改名)の復讐劇ドラマです。
第3話を観て思ったけど、完全に「ファーゴ」「パルプフィクション」「スナッチ」系のドラマ。ダークな復讐劇かと思ったら、割とブラックコメディ要素も多い。
実を言うと「ファーゴ」はどうも面白いと思えなかった口なんだけど、「パルプフィクション」と「スナッチ」は好きだし、本作も割と好きかもしれない。
この辺りのドラマや映画が好きな人なら楽しめると思う。
Hulu【Reprisal】第3話のあらすじと感想
美味しそうな粗筋、ジャストミートな味のあるキャスト陣、最先端のレトロスタイルといった条件を備えていながらイマイチ親身さが足りていない「Reprisal」。
キャスト達からは並々ならぬ強い意志と熱意が伝わってくるのに、キャラ達への共感と愛着があまり沸いてこないし、深みが感じられない。どうやらスタイルを優先しすぎて、その後ろにある人間味という身が入っていないのが原因か。
確かに「ハンドメイズ・テイル」もそのきらいは感じられた。演出やスタイルは最高に美しいけれども、その美の下に感じられる深みがないというか。あれだけヘビーな内容なのにファッション雑誌の広告を見ているような感触というか。要はスタイルに傾倒してしまって実体が追いついてない。
その一方でスタイリッシュさは抜群。「ハンドメイズ・テイル」でもそうだけど細部までスタイリッシュで、世界観の生成は抜かりなし。バーレスク調のストリップバーの雰囲気、ピンナップガールたちの装い、照明、それから男たちの衣装、クラシックカー、ワードロープ、ブローラーズの制服(修理工の作業衣と兼ねてる)、ドリスのクラッシーなドレスや髪型等々、とにかくスタイリッシュ。
ドリス、強盗二人組を復讐任務に勧誘する
逃げた強盗二人を追うドリス(仕事の依頼のために)ですが、追いついてどうするのかというとやはりそこは考えなしで、強盗の一人に体よくあしらわれて、すごすご帰るという…
この強盗二人の名はアールとコーデルと言います。
ドリスとアールのファーストコンタクトはケミストリーがバチバチ♡で、この二人は画面上の相性がすこぶる宜しい。
アール(クレイグ・タテ「それでも夜は明ける」)は視聴者好きするキャラだと思います。
ドリスはその場は引きさがりますが、車のロゴの社名を覚えて後日二人を訪れます。
こちらがコーデルとアール。犯罪者から強盗しているというロビンフッド設定故に視聴者としては愛着が沸くであろうキャラ。今んところこの二人が私の一番のお気に入り。
ともに元特殊部隊にいた退役軍人で、今はガーデニング業を営んでいる。二人の正体は誰も知らないが、強盗は何度もしているらしいので多くの悪人から恨みを買っている。
アールとコーデルはもちろんドリスの誘いを断り、ドリスは再び引き下がる。
他のギャングがみかじめ料を払わない
第2話でバッシュがライバルギャング「ハピネス・グールズ」の中間管理職のコンなんとかというやつの首を絞めたせいで、他のギャングたちがグールズとつるんでみかじめ料を払わなくなってしまったらしい。
ブローラーズは他のギャングからみかじめ料とってたんか?ギャングってそんな上下関係あるんけ?
まぁいいや。それは置いておくとして、ジョエルはブローラーズたちに「最悪、戦争しかあるめえ」みたいなこと言うけど、幼い娘をもち平和な毎日に感謝しているジョエルとしては戦争はしたくないし、戦争(抗争)に発展することを大そう恐れています。分かるよねーこの気持ちは。
なお、ドリスと共謀しているウイットの親父さんがジョエルに会いに来ました。ウイット現役のブローラーやったんだ。ウイットはどうやらストリップバー「バング・ア・ラング」のロケーションを探すのが仕事らしい。ウイットはインディアナとオハイオを提案しますが、ジョエルは北ではなく西と南を探せと言います。これはなんでだろう。(ちなみに今ドリスがモリーと身を隠しているのがインディアナ)
メレディスはグールズと個人ビジネスをしている
メレディスはマティに頼んで公衆電話に送ってもらいます。
メレディスは新入りのイーサンに興味を持っていて車の後部座席でイチャイチャしたりしますが、マティとジョンソンはメレディスに「イーサンに構うな」と言ってけん制します。
ライバルギャングのグールズの女メンバー、ガートルードがやってきてグールズのバーにメレディスを連れていきます。ガートルードはメレディスが販売している麻薬「スクラッチ」の供給元でもあります。
ブローラーズは女性メンバーがいないようだし、唯一いるのはピンナップガールというストリッパーダンサーとクィーニーだけなので完全にミソジニー軍団。グールズの方が男尊女卑度は低いわけだ。
メレディスはグールズの大男から古いバイクを購入します。
メレディスは母がスタントマンだったかもしれないといい、母だと信じているスタントマンのビデオ動画をガートルードと観ます。このビデオ動画、日本語だった!
でもメレディスがグールズたちとこうして個人ビジネスをしているのは、まずいんじゃないでしょうかねぇ。バートもジョエルもドラッグの販売を禁じているし、ライバルギャングとこんな風に付き合いがあるとなると…だからこそメレディスも隠しているのでしょうが、いずれバレてしまうのかもですねぇ。
もしかしてキャサリンもこういうことがあって殺されそうになったのかなぁ。
バニッシュト・ブローラーズの過去
ついにバニッシュト・ブローラーズとキャサリンとバートの関係が明らかにされました。といってもブローラーズ達が信じている見せかけの過去ですけど。
スリー・リバー・フェニックスの3名(マティ、ジョンソン、イーサン)はメレディスからもらった麻薬「スクラッチ」を試しながら、バニッシュト・ブローラーズの過去をイーサンに語る。
その話はこうだ。
「バートがバニッシュト・ブローラーズをまとめあげていた頃、同じエリアの他のギャング達は抗争ばかりしていた。バニッシュト・ブローラーズは仲間意識が強く仲間を大切にしていたので、バートは安心して好き勝手にやらせていた。
そこにバートの妹、キャサリン・ハーロウによる裏切りが起こる。
キャサリンはバートが自分たちのために築き上げた『家族』を裏切った。キャサリンはバートと違う物の見方をするようになった。ブローラーズのメンバーがハピネス・グールズとの交渉に行ったが、そこで待ち伏せを受けた。キャサリンの仕業だ。
キャサリンがグールズたちと手を組んで裏切った。キャサリンは殺されたブローラーズたちの頭にグールズのマスクを被せていった。完全に裏切られた。そしてキャサリンは行方をくらました。
バートが目指していた平和はキャサリンのせいでぶち壊しになった。バートはキャサリンに利用されたんだ。だからバートは力づくですべてを手に入れようとした。国中から猛者が集まり、ブローラーズを築き上げたんだ。俺たちは家族なんだ。」
まぁ~~~なんてこと。
バートは仲間たちを裏切って、そっくりそのままバートとキャサリンを入れ替えた話をしてたわけね。あの時キャサリンは止めに行ってたものね。ということはブローラーズによる自作自演ということか。なるほどねぇ。
そしてそれを知っているのは、あの場にいた3人…バート、バッシュ、そして第三の男ということか。
アールとコーデルがやってきた
ウイットがドリスとモリーの隠れ宿に戻ってきたところ、モーテルの部屋の中に強盗二人組(アールとコーデル)が待ってました。戻ってくると思ってたよね。
そこでコーデルがウイットの髪の毛をからかっていたけど、何故みんなウイットの髪の毛をからかうのか。
アールは「女」であるドリスに居所を突き止められたことをひどく嫌っていました。そのため、ドリスは機転を利かして「イエローページで調べたの。アルヴィンのランドスケープ(アールたちの会社)を。」と答えることでアールの不安を取り除こうとします。
ドリスは頭の回転が良く、男の心情やプライドというのを理解している。軍人や犯罪者は基本的にバリバリの男社会であり、極論を言えばそこは暴力が支配する場所だ。たとえ社会が男女平等を唱えようがフェミニズムが推奨されようが、人間の本質は変わらない。これを理解した上での言動でないと、軍人や犯罪者には反発心が生じてしまうだけだが、ドリスはしっかりその心情を理解していた。
こういう心の機微を見透かした上でスマートな答えを返せるのって相当頭良くないとできないでしょう?考えなしで動いていたような気がして心配していたけど、心配なさそう。ドリスかっこええ。
とはいえ、アールは再度ドリスに仕事を引き受けないと念を押し、自分たちに関わらないように警告して去っていきます。
いやーでもこの駄々洩れのケミストリー、このままじゃ終わらないでしょう。この二人いをみすみす見逃す手はないもの。
2度目も断られたドリス、果たしてどんな策にでるのでしょうか?
ドリスのとった策は度肝を抜く
さぁ、この後がすごい展開です。
ドリスはウイットに頼んで、ボーリング場の経営者の指輪物語男を呼び出します。
ドリスが最初に復讐の手助けを頼んだイヤな男ですね。
そこでドリスは指輪物語男に「強盗、誰だか知っとるで。全部教えるから、仕事引き受けてくれるか」と言います。
えっ。まさかドリス、アールとコーデルを売る気か?
ドリスは指輪物語男と用心棒の二人を連れてアルヴィンのランドスケープ会社に現れます。
ヒィッ!
指輪物語男はおもむろにショットガンをコーヒーテーブルに置くと、椅子にどっかり座ります。ドリスはその隣に座るとショットガンを手に取ります。
アールとコーデルが銃をドリスと用心棒に向けます。
わぁ怖いよぉ。
ドリスは静かで上品な口調で、男たちはいつもドリスを見くびってきたと語り始めます。鎖につながれてトラックで引きずられたときも、男たちはドリスの生死を確認しなかったと言います。
指輪物語男が何か喋ろうした瞬間、
シャラーップ!!!
ドリスからキャサリン出てきた。
あまりの変貌ぶりに驚く周囲の男たち。
ナニコレおもしろい。
ドリスは見くびられることは有利にコトを運ぶ戦略のひとつだと気が付いたと言います。ドリスを見くびった指輪物語男が、ドリスの手の届く場所にショットガンを置いたように。
指輪物語男が「おい、銃を返せ」というと、ドリスは突然指輪物語男に向かってショットガンの引き金を引きます。
その瞬間、アールとコーデルも引き金を引きますが、その相手は指輪物語男の用心棒でした。
辺り一面血だらけ。互いの顔を見つめるドリス、アール、コーデル。と受付の女性。
度肝を抜くドリスの選択と行動だけれども、指輪物語男を殺しちゃって大丈夫なのだろうか。指輪物語男を殴るボスがいるって言ってたけど、指輪物語男が忽然と姿を消したらまたドリスのところまで足がついちゃうのでは…
行き当たりばったり感は否めないけれど、とりあえず丸く収まったし、アールとコーデルをなんとかゲッツできたようなので第3話はめでたしめでたしというところでしょうか。