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【ナルコス:メキシコ編】シーズン2開始!第1話を観た感想とあらすじ

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Photo courtesy: ナルコス@Netflix

ナルコシスト民、おっす!オラG!1年ぶり!

【ナルコス:メキシコ編】待望のシーズン2がNetflixで配信開始されました。

前シーズンから1年と2か月ぶりの配信なので、他のNetflixドラマと比べると早い配信です。それだけ待ち望んでいる声が多いことを反映しているのかもしれませんね。

【ナルコス】シリーズはNetflixでおそらく最も面白いドラマの一つです。

正直に申し上げると、Netflixのドラマは(映画も)微妙なものが多いですが、史実や原作ベースのドラマは面白いです。

なので、Netflixオリジナルドラマの新作がどんどん画面上のお知らせで流れてきても、片っ端から手を付けずに厳選して観るのがおススメ。映画と違って、ドラマの駄作は観るだけ無駄。面白くなければ途中でキャンセルされちゃうし。

その点、【ナルコス】はおもしろいと自信をもっておススメできる一本なので安心して観てみて下さい。

このナルコスですが、前シーズンで「ナルコス」の制作スタッフが撮影ロケーションを探しにメキシコ現地に下見にいったところ銃撃されて死亡という悲劇も起きたせいなのか

事実に着想を得た創作であり、人物、場所、事件等は架空のものです

という注意書きが最初に加えられるようになりましたが、バリバリ事実に即しているし、名前も本名だし、限りなく史実に近いです。

脅迫とか受けてないのかしら…と懸念してしまいますね。

カルテルとしてはドラマ化してることについてはどう捉えているのだろう。「ここまではノー・プロブレモな」とかそういう線引きがあるのかどうか。とはいっても、ナルコ関係のドキュメンタリーを見漁る限り、カルテルのメンバーたちは権力、財力、支配力を誇示することが好きなようなので文句はないのかも。それに今更知られたところでお前たちに何ができる?ぐらいの勢いでしょうし…

軍属警官だった私の夫は、私がいつもこうした類いの番組を観てると「カルテルを支持することにつながる」と露骨に嫌な顔をするのですが、私は「ドラマだから」と適当にあしらっていました。でも、Netflixのドキュメンタリー「ナルコワールド:麻薬取引の実態」の第1話を観てメキシコの麻薬カルテルの自己顕示欲ぶりにゲンナリしてしまい(1話でお腹一杯、2話目以降は観れなかった)、夫の言わんとしていることを理解しました。

でもナルコスだけは許して!

余談だがNetflixなどのVODはいつでも好きな時に好きなだけ観れるのが最大のメリットだけど、それ故にビンジ・ウオッチング(*連続してコンテンツを見続けること。1話が終わったら2話を自動的に流す、終わったら他のドラマを流すといった具合に、見続けさせる戦略)という所謂「依存症」を引き起こす。そういうわけで最近はドラマの観方には気を付けたい。

でもナルコスはビンジ・ウオッチング不可避なぐらい面白い。 

 

Netflixドラマ【ナルコス】シリーズ

ちょっとシリーズを製作された時系列に整理しますねー。

Netflixオリジナルドラマ【ナルコス】

  • S1:コロンビアのメデジン・カルテル(麻薬王パブロ・エスコバール)
  • S2:コロンビアのメデジン・カルテル(麻薬王パブロ・エスコバール)
  • S3:コロンビアのカリ・カルテル(ロベルト兄弟、パチョ、チェペの4人がゴッドファーザー)

Netflixオリジナルドラマ【ナルコス:メキシコ編】

  • S1:メキシコのグアダラハラ・カルテルの誕生(ミゲル・フェリックス)
  • S2:今シーズン

通算すると5シーズン目ということになりますね。

ただし、メキシコ編の時間軸は本家「ナルコス」の時間軸と重なっています。

メキシコでは当初マリファナの売買が主流でしたが、メキシコでのちに初代麻薬王になるミゲル・フェリックスは、メキシコの中小組織をまとめあげてプラサ合意に漕ぎつけます。

その後、より稼げるコカインに目を付け、周囲の反対を押し切ってコロンビアのメデジン・カルテル(パブロ・エスコバール)やカリ・カルテルと契約を結び、コカインの輸送と分配をするようにします。

メキシコ編のシーズン1では本家の主役だったパブロ・エスコバールやカリ・カルテルのゴッドファーザーも出演しています。

(ちなみに現在のカルテル幹部たちの運命はというと、パブロ・エスコバールは逃亡生活の末に捜査官に銃撃され死亡、カリ・カルテルのゴッドファーザー4人のうち、ミゲルとヒルベルト兄弟はアメリカの刑務所に収監、パチョは敵対カルテルか敵対左翼ゲリラの手によって刑務所内で殺害、チェペは準軍組織と手を組んだのちに死体で発見されたか、あるいはショッピングモールで匿名の通報があり警察に追われて逃げたところを銃撃されて死亡したかの二説ある。)

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カリ・カルテルのチェペ(左)、ミゲル(中)、チェペ(右)とミゲル・フェリックス(後ろ姿)

【ナルコス:メキシコ編】シーズン1についてはこちら

簡単に「ナルコス」過去シーズンを要約すると、「ナルコス」本家ではコロンビアの麻薬王パブロ・エスコバールが築いたメデジン・カルテルの隆盛からパブロの死までと、メデジンが傾きかけると同時に勢力を伸ばしてきたカリ・カルテルの落日までを描いている。

ミゲル・フェリックスがメキシコの最初の麻薬カルテル「グアダラハラ・カルテル」を築き上げるのが「ナルコス:メキシコ編」のS1です。

そして麻薬カルテルを相手に現地の捜査機関と合同でこっそりと孤軍奮闘するのがDEA(アメリカの麻薬捜査局)です。現地の捜査機関にはカルテルの手が及んでいるので、信頼できる現地捜査官は少ないし、いつもこっそりと動かなければなりません。

「ナルコス」本家ではS1からS3を通してペドロ・パスカルが主任捜査官を好演、パスカリストが悶えること必至の充実した内容です。

本作「ナルコス:メキシコ編」では、アメリカのDEA(麻薬捜査局)キキ・カマレナ捜査官がグアダラハラ・カルテルによって拷問され殺害されたことを受け、DEAの仲間がメキシコに乗り込んできたところでS1が終わりました。

カマレナ捜査官の殺害命令を直接下したのはミゲル・フェリックスですが、フェリックスは捕まることなく、部下に責任を負わせ(腹心の部下ラファとドン・ネトは収監された)引き続きカルテルの麻薬王に座しています。

シーズン2の登場人物はこちら

 

【ナルコス:メキシコ編】シーズン2第1話のあらすじと感想

DEAの捜査

キキ・カマレナ捜査官を拷問の上に殺害されたアメリカのDEAは、「レジェンダ計画」に取り掛かります。

まずDEA捜査官のウォルト(Netflixが大好きなスクート・マクネイリー、ナレーションも担当している)は、カマレナ捜査官を拷問殺害した男を探そうとします。

冒頭で医師が覆面の男たちに誘拐されますが、この医師がカマレナ捜査官拷問の際に同席して意識を保たせるためにアドレナリンを注射したりしていた医師です。全然顔覚えてないけど。

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DEA捜査官(右がウォルト)

ウォルトは医師から拷問した男の名前を聞き出します。上司と密談したあと、ウォルトは拷問した男を拉致する作戦を実行します。

この作戦実行はエピソードの最後の方になるんだけど、めっちゃハラハラしました。作戦実行前にメキシコ人の現地捜査官二人が「お前どこ出身」「ウォルトとはどのぐらいの付き合い?」みたいな対話をするんで、現地捜査官のなかにカルテルのスパイがいるんじゃないかと疑心暗鬼になってしまうんですよね。同時に拷問男がオフィスからなかなか出てこなかったりするから、不安が増長。もしかして捜査官の中にスパイがいて襲撃情報が洩れたのでは?とかね。

麻薬カルテルが政治や司法の世界に深く魔の手を伸ばしていることは周知の事実なので、作戦事態への不安と懸念だけでなく、裏切り・背徳の不安と懸念が常に付きまとうのでスリリングの相乗効果が爆上がりするわけです。

アブナイところでしたが、ウォルトたちは無事に拷問男を拉致ることに成功します。しかし現場で民間人の男性に目撃されてしまい、メキシコ人捜査官はこの男性の口を封じようとするところをウォルトに止められます。

英語を喋っていたのでアメリカ人であることも分かってしまったでしょうから、ちょっと心配ね。いつも思うんだけど、現場でなんで英語を話しちゃうのかな。アメリカ人ですって言っているようなものなんだから、最初からノー英語にすりゃいいのに。

 

ミゲル・フェリックス

ミゲル・フェリックスは新しい妻を娶って新生児も生まれてました。ゲスイ、実にゲスイ。ミゲル・フェリックスは元妻子をあっさりと捨てましたからね。

ディエゴ・ルナが演じるフェリックスは内向的で冷徹なタイプなので、実際もそうだったのだろうなぁ。

さてミゲルは部下のラファとドン・ネトに罪を押し付けて自由を謳歌していましたが、どうやら大きな問題を抱えていたようです。

なんでもコロンビアのカリ・カルテルからの未払金が2億ドル(200億円強)にも達していたそうで、メキシコの各地のカルテルへの支払いをフェリックスが立て替えていたようなのです。

それでもメキシコの各地のカルテルは貧窮しつつあり、プラサ(メキシコ麻薬カルテルの連盟)内で不満が募り、フェリックスは厳しい位置に立たされていました。

そんなとき、フェリックスの誕生日パーティが開催され、そこにカリ・カルテルのパチョがやってきます。パチョ役のアルベルト・アンマンがすごくいいよね。パチョはドラマ内ではゲイであることをオープンにしていたけれど、実のところはパチョが怖いから誰も性的志向を取り上げる人はいなかったということらしい。

フェリックスは未払金をパチョに指摘しますが、パチョは「未払金は必ず払うから心配いらねえよ。ていうかお前んとこ、4割も押収されてんだって?貧窮しているのはそのせいだよね?4割も押収されてるのは、DEA捜査官が増員されて押しかけてきたからで、それはお前がキキ・カマレナ捜査官を殺したからだよねー」と、逆にやり込められてしまいます。

なんか色々と凄いな。この人たち、ベクトルが別の方向に向いていたらForbes誌の表紙飾ってたりしたんだろうなぁ。

というわけで【ナルコス】から今後も目が離せない!

第2話のあらすじと感想を読む