最近は週二度ほど、母のリハビリで1時間半遠方まで(諸事情により)高速を使って通っています。
朝7時に娘の学校送迎のために家を出発し、8時半過ぎ頃にいったん帰宅したあと、車でリハビリ施設へ向かい、リハビリのあとに直接娘の学校に迎えに行って5時に帰宅という生活が続いています。
娘を拾ったあとに野暮用があったりすると、あっというまに帰宅が7時頃になったりする。
そんな感じで主婦の私にしてはけっこうハードな生活を送っています。(筆者は甲状腺機能低下症を持っているため、ちょっとしたことでも疲れやすい体質です。)
と、「大変ですね」「頑張ってるね」待ちの序文を書いてみたけど、恥ずかしいのでスルーしてください。
さて、先日、そんな感じで娘を迎えに行った時のこと。
誰かの母と誰かの母が掴み合いの喧嘩をしていました。
日常にもちょっとしたドラマを。
今日は母ちゃん同士の仁義なき戦いの話です。
母VS母
背景をご存じない方のために説明させて頂くと、娘はアメリカ人と日本人のハーフで、生まれてから殆どをアメリカで過ごしてきたため、日本語が遅れている。
そのため、本人の希望もあってインターナショナルスクールに通っている。(授業料が高くてカツカツ。もうすぐ干上がりそうだが、あともう少しなので頑張る。)
序文の経緯から、直でスクールに迎えに行き、ゲートの真正面で娘が出てくるのを立って待っていた。
私の隣に立っていた韓国系の女性が中東系の女性のところに駆け寄った。
2mくらい離れていたので、私の位置から会話は聞き取れない。
そのうち
Are you crazy!?
という声が聞こえてきた。中デシベル。
放ったのは韓国系のママさんの方。
このとき、二人の顔の位置が近かったので、仲良いママさん同士でふざけてるのかと思った。
そのあと、再び韓国系のママさんの方が
Are you crazy!!???
と叫んだ。今度は高デシベル。
このとき、私は二人が口論していることに気が付く。
韓国系のママさんはさらに「Are you crazy!!??」と声を荒げながら人差し指を立て、中東系の女性の顔前に突き出した。
すると、中東系の女性がその指を掴み、下に引き下げ
Stay away from me, you crazy fucking bitch!!
といいながら韓国系のママさんを押す。
韓国系の女性も中東系の女性の頭を掴んだり、押し返したり。
二人の間が1.5mほど開いたとき、片方が
「校長先生のところで話を付けようじゃないの!」
と言い、もう1人が
「いいわよ、今すぐ行って話をつけようじゃないの!」
という感じになり、韓国系のママさんが先に校長先生の元へ。(校長は100mほど離れた見える場所にいる)
中東系の女性は自転車も持っていて、自転車には幼稚園年少くらいの小さな息子さんが乗っている。さらに中東系の女性は娘さんも待っているらしいので、興奮状態ながらも「子どもたちどないしよ」と考えている様子が伺えた。
すると彼女の知人男性(誰かのパパ)が
「何があったの?大丈夫?」
と声をかけました。
中東系の女性は
「わからない、お願い、ちょっとこの子を見ててくれる?あと娘が出てきたら一緒にいてくれる!?」
と頼み、知人男性が快諾。
場所がゲートの前なので、子どもたちも多く、親御さんたちの多くは子どもをピックアップするために前方に注意が向いているため、二人が口論していることは、私以外に男性一人くらいしか気づいていないようだった。(幸いなことに)
校長がいる100m先のほうに目をやると、まだ喧嘩が続いていて、校長が2人の間に割って入っている光景が見えた。
教訓
スクール前でのママ同士の喧嘩をみて得た教訓:
- センシティブな内容の話は、プライベートな空間(他の人がいない空間)ですること
- 子どもの前で醜い悪罵バトルをしないこと
- 口論は冷静さを失わずスマートにすること
- 怒りをコントロールすることの大切さ
私も忍耐力がない方なので、カッとなってしまうのは充分理解できるが、スクールの前でタブーワードを使っての醜い喧嘩は見苦しく、とりわけご本人の子どもたちの面前で繰り広げるのは子供たちにとって相当な悪影響になる。
韓国系のママさんの隣には彼女のお子さんが立っていて、目の前で自分の母が激しいバトルを同級生の母と繰り広げているのでどうしていいか分からず不安な表情を浮かべていたし、中東系のママさんの自転車に乗っていた小さい男の子に至っては、顔を下げ、一点を見つめて暗い顔をしていた。
私は小さい頃から人が口論し合ったり喧嘩し合ったりするシーンをよく見ていた子供時代だったので分かるが、大人の激しい喧嘩は子どもに多大な不安感を与え、その影響は成長したあとも続く。
子どもは親の背中を見て育つというけれど、こういうトラブルが起きたときこそ、大人がどうやって対処していくかを見せるチャンスでもあると思う。
以前、子どもが同級生にハラスメントを受けていたことで、その子の母に直接話をしたことがある。もちろん、二人きりで話せる脇の方に移動したし、相手を不必要に傷つけたり不快にさせないように、お互いが興奮しないようにと細心の注意を払い、少なくともエスカレートさせて子どもの前で醜態をさらすことは回避できた。それでも、知人からの情報によると、後から「怖い人」という印象を抱かせてしまったようだった。
こういうとき、日本ではよく「大人の対応」という言葉が使われるが、日本の場合、それは往々にして「妥協」「譲歩」を意味する。自分に非がないのに「大人の対応」をすることには大反対だが、状況をうまく切り抜けて問題を満足できるレベルまで落とし込めるようなスマートな大人の対応ができるような大人でありたい。そう思わせる出来事でした。