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【メア・オブ・イーストタウン】ケイト・ウィンスレット主演、骨太サスペンスドラマ上陸!

メア・オブ・イーストタウンの感想

新作海外ドラマ「メア・オブ・イーストタウン」が配信されました。

「メア・オブ・イーストタウン」はフィラデルフィア州の架空の田舎町イーストタウンの刑事メア(ケイト・ウィンスレット)が十代の少女の連続失踪事件を捜査するという粗筋です。

映画俳優として有名なケイト・ウィンスレットが主演ということでも話題性十分、大きな期待が寄せられました。

期待通りにエミー賞16部門ノミネートという快挙を遂げた本作は、ミニシリーズ(シーズン1で終わり)ですが、好評を博したことでシーズン2の扉も開かれているということです。

全7話ですが、1話が少し長めで55分前後ありますね。

「犯人は誰だ」的サスペンスですので、ネタバレなしでお送りしますよ。

 

【メア・オブ・イーストタウン】粗筋

ケイティという若い女性が失踪して1年。地元警察のメア(ケイト・ウィンスレット)は事件を解決できずにフラストレーションを募らせていました。

メアちゃん。ケイトちゃん。かつてのローズちゃん。

メアの家庭環境は少々複雑です。

メアの隣家には元夫フランクが住んでいて交流はありますが、フランクは再婚を控えています。

メアとフランクは息子ケビン娘シボーンの二人の子宝に恵まれましたが、息子のケビンは麻薬依存のち、この世を去っています(メアの回想で数回登場します)。

メアは母、娘シボーン、そして故ケビンが残していった息子ドリューと4人で住んでいます。

メアの母、メアの娘シボーン、メアの元夫、メアの亡き息子の息子ドリュー。4世代の共演。

少年ドリューの母はどうしたのかと言うとね?母の名はキャリー、女優はソシー・ベーコンという顔ぶれ。

キャリーとケビンは共にジャンキーで、ケビンが死んだあとキャリーは麻薬更生施設に入所しています。

メアの家族は定期的にドリューを施設に連れてきて母キャリーと面会させてあげています。良心的なご家族ですね。

キャリーは早いとこ更生してドリューを引き取りたいと考えています。でもメアはケビンの忘れ形見であるドリュー(孫にあたります)の親権をジャンキーであるキャリーに引き渡すつもりはありません。

と、こういう家族ドラマも絡めています。

それからメアのロマンスの相手に作家のガイ・ピアース。まさかここでガイ・ピアースに会うとはな。久しぶり。

メアとガイピアース。意外な組み合わせ。

ケイト・ウィンスレットが割と肉厚な方なので、ガイピアースが余計細見に感じてしまったよね。まぁ、こうしてみるとガイピアースも格好いいけど。

ある日、エリンという十代のシングルマザーが殺害されてしまいます。

エリンの子どもの父親/元カレはディランという高校生です。

エリンは母親になったので高校を中退して青春時代をあきらめ、怖い父親と同居して子どもの面倒を見ていました。

16 and pregnant というドキュメントドラマで見られるパターンですね。アメリカでは十代の子の妊娠が社会問題にもなっているのです。高校を中退せざるを得ないケースが多いので、最近は高校内に保育所が併設されているスクール多いのです。

キリスト教的には中絶は許されていないので、保守的な地域では中絶という選択肢がないまま母親になります。難しい問題よね。正解がないのだから。

私も最初は中絶は女性権利として認めるべきだという考えだったけど、親になったら逆の考えに傾き始めたんですよね。。

まぁでも計画外の妊娠を防ぐために未然に知識を子供に授けるなど、地道に啓蒙していくのが出来る限りの対応策ですかね。

16 and pregnant は見たことないけれど、「16歳で妊娠するとこうなるので警告しとくわ」といった内容ならともかく、メディアに出たことでスポットライトが当たって逆効果になっていないかという懸念はありますわよね。

で、元彼のディランには新しいGF(ブス子ビッチ)がいます。子どもの面倒をみる番になると子供を迎えに来るのですが、ディランの新カノはいつもエリンに悪態をついており野犬並みに飛びかかろうとする勢いでした。

エリンの元カレ「ディラン」と新しいビッチGF

エリンが殺されたあの夜…エリンは久しぶりに高校生が集まる野外パーティに向かうのですが、そこでディランやブス子ビッチらに虐められ、逃げるようにして立ち去ります。

エリンの死体が見つかったのは朝になってからでした。

メアをアシストするために郡から若手刑事のコリン(エヴァン・ピーターズ)がやってきたので、メアは渋々コリンと組んで事件を担当することになります。

メアと組んで捜査にあたることになったコリン刑事(エヴァン・ピーターズ)

捜査を進めるうちに、エリンがある人のバンに乗ったことや、エリンのために子どものオムツ等を買って運んであげていた人物の存在など、様々な事実が明らかになっていきます。

あぁ、こういうの好き。

 

【メア・オブ・イーストタウン】感想

腐ってないけど、腐ってもケイト・ウィンスレット!

俳優というのは見られるのが商売の仕事。いかに美しく見せられるかー彼らの仕事はそこに尽きる。とはいえ生老病死、人間誰しも年は取る。ケイト・ウィンスレットは「タイタニック」の美しいヒロイン「ローズ」を演じて世界中の女性を涙に包み込んだと同時に、あれから24年経つのに今だ止まない「あのドアには二人乗れたはず」議論をタイタニッカー達の間で巻き起こしている。(おそらくそこには「『フェミニズム!男女平等!』とか言ってるくせに氷水に入るのは男で、ドアに乗って助かるのは結局女」という男性からの複雑な批判心も込められている。)

タイタニックの時のケイト・ウィンスレットは大変美しかったが、24年も経っていれば外見の老化は避けられない。まして芸能界は若い女性の美がもてはやされる場所。そこをどう摺り合わせていくか、女優として自身の人生観も問われるところだと思う。老化していく自分を受け容れられず整形に走る女優の方が多そうだからね。

しかしケイト・ウィンスレットは24年経過してもケイト・ウィンスレットでした。本作でも味のある中年女性の刑事ぶりを見せつけ、単なる美人女優じゃないということを証明してくれました。ケイト・ウィンスレット万歳。

長々と書いてしまったが、ケイト・ウィンスレットが本当に良かった。殆どノーメイク?な感じだけど綺麗でしたよね。内から発する女性の強さやリーダーシップ性が良かった。

類似作品でいうと「トゥルー・ディテクティブ」「ザ・ナイト・オブ」「フレイザー家の秘密」といった感じ。ケイト・ウィンスレット演じるメアだけに限っては「ウェントワース女子刑務所」のビーに通じるものもありました。

で、ケイト・ウィンスレットは完璧で、しかも事件は思ったより複雑で一転二転していくときたら面白くないわけがない。

小さな町なのでeveryone knows everyoneという状況で、親戚繋がりも濃い。イトコのイトコだとか、遠縁にあたる人物も多い。そうすると誰も喋りたがらなかったりするじゃない?さらにこっそりと助けてあげたりするじゃない?それから秘密もあったりするじゃない?

だから気が付くと誰もが怪しく見えてきます。

誰もが怪しく見えて一人一人潰していくタイプのドラマってNetflixでよく見かけるんだけど、あまり好きじゃないのよね。というのも「全員容疑者」というウリを前提に粗筋を練っているので嘘くさかったり無理があったり、Netflix系ドラマだと非合理で非論理的なものが多くて途中で「ぷはー。もう犯人誰でもいいや」とあきらめてしまう。Netflixじゃないけど「プリティ・リトル・ライアーズ」みたいなやつよ。あれ、ほんとムカつくわー。

だけど、本作は確かに誰もが怪しく見えるけれども論理破綻がないというか、小さな糸を手繰り寄せていくうちに…最後に真犯人がわかるという奥深い話ですね。で、そこには家族の愛、苦しみといったものが絡んできています。あぁ、これ以上は言えない。

途中で犯人に接触したときのスリリングな展開も怖かった~。HBOはこういう衝撃シーンが得意だと思います。ゴアというわけではないのだけど、「ザ・アウトサイダー」の最後の方のド迫力銃撃シーンのようなスリル溢れるシーンね。

メアの家族も良かった。娘のシボーンはドリューの面倒もよく見る才女で、母親に面倒をかけることもない子なんだけど、唯一あの時だけ「何故、自分だったのか」とメアを責めます。いつも強くあって誰にも言えなかった本音をついに吐露したシボーンの心情が私にはものすごい理解できましたね。(私は自分に秘めて墓場まで持って行きますよ。)

お気楽で娘思いで割とはっちゃけてる母親とメアの兼ね合いも良かった。ああいうお母さんていいよね。アメリカの年いった母てあんな感じが多いんだけど、私もあんな感じを目指しているんだ。

というわけで「メア・オブ・イーストタウン」はきっと五月蠅いやなぎやさんも好きなドラマだと思います。

シーズン2の話も出てるけど、是非作って欲しいな!