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グローバリズムで世界に蔓延したコロナウイルスがグローバリズムを止める?

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コロナウイルスがついに世界パンデミックになった。とりわけイタリアの感染拡大が酷く、ヨーロッパ全体が深刻な感染拡大の危機に陥っている。イタリアは次々と都市を封鎖、ついにドイツは16日から物流を除いて国境を封鎖すると宣言した。

 

30年にわたるグローバル化の波

世界は過去30年にわたってグローバル化を強固なまでに推し進めてきた。ヒト・モノ・カネが国境を越えて自由に行き来できて、国という枠を超えて世界が一つになるという理想に人々は踊らされた。

蓋をあけてみれば、グローバル化は多国籍企業がより安いコストで利益を最大限にするための企業戦略で、富める者はさらに富み、貧しい者はより貧しくなるというシステムだった。

モノを売るには国境が邪魔だし、先進国のヒトを雇うには高すぎる。企業は工場やサービスを途上国に移してコスト削減に邁進した。その結果、先進国の人々が解雇され、非正規雇用が恒常化する。安いモノが手に入るのと引き換えに、先進国の人々はどんどん貧しくなっていったことに後から気付かされることになる。

大企業が自らの無能で経営不振に陥ると、政府は「大きすぎて潰せない」といって税金を投入して救った。企業を傾かせたCEOたちは何億、何十億という破格の退職金を受け取って悠々自適のリタイアメント生活を送る。

富裕層はというと、リーマンショックや通貨危機などの金融危機で優良企業の株を底値で拾い集めるという転禍為福でさらに福を召喚した。かくして3%の富裕層vs97%の貧困層という構図は、数年で1%の富裕層vs99%の貧困層という構図にかわり、富の格差は極限に達している。

そんな背景で生まれたのがトランプ大統領である。ときの大統領選の対立候補は民主党ヒラリー・クリントン。ヒラリーがトランプに敗れると、多くのメディアがこぞって「ヒラリーが敗れたのは女性だから」と触れ回った。

だが真相は違う。ヒラリーが敗れたのは女性だったからではない。アメリカ人は女性の地位向上や男女格差是正よりも、1%対99%という経済格差を何とかしたいと思っていたのだ。99%に属する多くのアメリカ人にとって、女性の地位向上より明日の食事の方が大事だったのだ。ヒラリーがエスタブリッシュメント側であることをアメリカ人は知っているので、ヒラリーを大統領に選んでもこれまでと同じだ。何も変わらない。ヒラリーは今まで通りエスタブリッシュメント層である大企業を救済していくだけだろうとアメリカ人は理解していた。

アメリカにはかつてアメリカンドリームがあったが、もはや社会的階層間の流動性も失われた。富裕層の両親のもとに生まれれば良い学校に行くこともできるし、親の人脈で将来は安泰だ。ところが貧困層の両親のもとに生まれれば、教育へのアクセスやリソースは極端に限定的で、結果として子どもも貧困層に留まることを余儀なくされる。

アメリカはトランプ大統領の指導のもと、いち早くグローバル化に待ったをかけ(少なくともそのように見える)保護貿易へと舵を切ったが、ヨーロッパはドイツのメルケルのリーダーシップのもと、いまだ多くの移民、難民を受け入れていた。

ヨーロッパに難民が押し寄せ、自国民との軋轢が増え、犯罪が増え、難民による女性や子どもへの性的暴行が急増しても、各国はこれを隠蔽した。

すると自国の社会システムの維持や、文化、伝統、アイデンティーの喪失を危惧した自国民の民意をバックボーンに、フランスのマリー・ル・ペンのような右派政党が各国で台頭する。エスタブリッシュメント側のメディアは右派政党を「極右」「排外主義者」「差別主義者」と厳しく批判した。

 

グローバル化の波を阻むコロナウイルス

政府やエスタブリッシュメント側はたとえ自国民の民意に反しようとも、ヒト・モノ・カネの流れを止める意図はなかった。

しかし、ここにきて、あれだけ頑ななグローバル化の波がいとも簡単にせき止められようとしている。コロナウイルスである。イタリアは次々と都市を封鎖、ドイツは隣接国5か国との国境を封鎖(物流は維持)、フランスも国境封鎖を視野に入れているという。

ヒト・モノ・カネが移動するということは、ウイルスや病原体も移動する。コロナウイルスもヒトとともに世界へと拡散していった。

ウイルスによって世界経済が大打撃を受けている。多国籍企業や大企業も無傷ではいられないだろう。コロナウイルスによってグローバル化を再考する趨勢になってもおかしくない。グローバル化によってグローバル化が終焉することになるとしたら、なんと皮肉なことだろうか…

 

富の不平等を是正する「4騎士」

なお、人類史をみてみると、富の不平等を是正する「騎士」は、戦争、革命、破壊、疫病の4騎士だ。

コロナウイルスは幸い致死性が比較的低いので、特効薬の開発によっていずれ収束するだろう。富の不平等への影響は無視される程度だろう。

しかし、グローバル化が維持されていくのであれば、今回のようなパンデミックの再発は避けられない。場合によっては、潜在期間がもっと長く、致死性も高い未知のウイルスが世界を襲うかもしれない。

4騎士に行き着く前に、富の不平等の是正が成されることを願う。