ミセスGのブログ

海外ドラマ&映画の感想、世の中のお話

公道にハミ出てきた草木を刈りながら考えていた

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関東は雨模様が続いている。

雨とはいえ、そのおかげで気温が抑えられ、過ごしやすい気温になっている。

そんなわけで、2日間にわたって突如あることをしてきた。

それは何かと言うと・・・

草刈り正男。

 

私は子供を毎日駅まで送迎しているのだが、メイン道路に出るまでに狭い道を通らなければならない。

その道の片側には学校、反対側には畑と荒地がある。畑部分は土留されているのだが、荒地の50mほどは土留がされていない。

この土留されていない箇所から原生林が生え始め、梅雨を経てモリモリと生い茂り、ついには公道に侵食し始め、隘路になっている。

道にはみ出てきた草木が通行の邪魔をしており、人や自転車とすれ違うのもやっとだ。どちらかが停止してやり過ごさないと通れない。

そんなわけで刈込鋏を抱えるや、草木を刈ってきた。

※なお、草木が生えている土地の所有者は、我が家の村親戚にあたるのでトラブルにはならないことはわかっている。

腰と右肩右手の痛みに耐えながらも、久しぶりに草木を切る作業をしているとなかなか楽しいものである。

刈っている間に自転車や車、散歩している人などが通りすぎていった。

学校では生徒たちが放課後ルームで遊んでいたりサッカーをしていた。

作業自体は楽しいが、小雨がシトシト降り注ぐ中1時間ほども作業続けていると、スケール7くらいに痛み出してきた。

そこで思った。

これだけ通行人がいるのに…お前ら、誰も草木を切ろうと思わんか?

私もだけど。

この道路にはメインロードへ通じるアクセスがもうひとつあって、父は比較的広いそちらから車の出入りをする。そちらもとある住宅の木が道路にはみ出てくるので、所有者の同意のもと、なぜかうちの両親が定期的に切っている。

先日はあやまって母が指を切ったらしく「あ~間違って指切っちゃった~」とか言って流血しながら家に飛び込んできた。

うちの両親が切らないと他の住人もやがて通れなくなるし、小さな工場施設もあるので従業員も2トン車で通れない。

うちの両親が切らなかったら、どうするつもりなのだろうか?

いつも伸び放題になり、父の車に枝が接触しそうになって両親が切るというパターンだ。つまり放置したらどうなるかは不明。おそらくよっぽどにならないと対処しないだろう。

私はそんな両親を真似て自然に草木を切ろうと考えたわけだが、こちらの草木は工場施設の従業員だけでなく学校関係者も多く通行する。

なお、学校側の塀からも草が伸びてきている。数ヶ月もすれば完全に道路が埋まるだろう。

それなのに、誰も何もしない。

金にならないからだろうか。

仕事帰りの女性が自転車で通ったり、仕事を終えて放課後ルームから子供を拾って車で帰っていく女性を見ながら、体の痛みと戦いつつ「お前が共働きで稼いでる間、私はお前のために道を通れるようにしているんですよ、プロボーノで。」という不貞腐れた批判心を抑えながら考えていた。

教育とは...一体なんなんだ。

周りは子息を名門校に入学させようと必死で、もはや放課後に塾に行かない子はごく少数である。

だが、学校の前の草木がすごいからどうにかしようと考える学生も保護者も従業員もいない。

教育とは・・・個人レベルでは社会での独り立ちを助け、社会的成功を実現して最大限の幸福を追い求めるためのものであり、国レベルでは国力をつけるためのものだが、専門家や教育者が認めているように21世紀はこれまでの教育制度では通用しない。

学問知識をベースに新しい視点から物事を見る力、問題に気づいて解決方法を模索し、チームで共働して実行する力、自発的に動く自律心などが必要になってくる。

ひいては身の回りの問題、地域の問題を解決したり人を助けることで当事者意識の向上と自尊心に繋がっていくものである。

(日本は、政治を変えられるという若者の意識が先進国でも最低レベル。自尊心も最低レベル。要するに自分が他人や社会に影響を与えられる存在であるという意識が低い。これはコントロール感を感じられないためであるが、これだけマイクロマネジメントされる社会なのだからコントロール感を感じられないのは当然だ。)

みんなが使う公道が草木に覆われてしまうのなら、先生方はプロジェクトを打っていかにして草木の侵食を防ぐことができるかを生徒に考えさせればよい。

それも実際に草木を刈らせて体を使わせることで、生徒の閃きを引き出す必要がある。

除草剤を使うにしても地球に優しいものを発明できないだろうか?日光を遮断するターフ材の種類は何が良いのか?人工芝を敷いてみてはどうだろう?街路の景色がよくなるのでは?そのための資金はどうやって集めればいいか?保護者から1000円ずつ寄付を募れないだろうか?工場と協賛できないか?市役所に請求できるのでは?プレゼンをしてはどうだろう。子供や体の弱い人でも草木を効率的に伐採できるツールをデザイン・発明できないだろうか。ラジコンに刃をつけたようなデザインなら、誰でも操作できる。ただしセーフティボタンが必須。どんな刃が雑草に最適か。雑草にはどんな種類があるのか。雑草をまとめて何かに使える可能性は?

といったようにな具合でプロジェクトを進めていく。その過程で化学、科学、材料学、社会、資金集め、デザイン美術、コミュニケーションスキル、プレゼンといったものを学ぶ。

今、学校では環境やサステイナブルなことを学んでいるのだからなおさら良い機会ではないか。

一日中、机に向かって教師と講師の話を聞き、ドリルをこなすだけでは自律心は身につかない。人生をコントロールしている実感も、他人や社会に影響力のある人物だという実感も、社会を変えられるという実感も育たない。

そんなことを考えながら2日に渡って草木を刈り込んだ。見かねた母が役所に連絡を入れ、現場の視察と報告を取り付けたと言っていた。

おしまい。

※草を刈っている最中、蝉爆弾に二度遭遇しました。一度目は刈込鋏で低草を切っていたときにセミがいたようでセミの胴体を切ってしまいました。セミはビビビッ!ビビッ!ビッと言いながら息絶えました。御免なさい。あと二度目は、セミを靴で踏んづけてしまいました…。踏み逃げしたので生死は不明。御免なさい。

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こんなやつの日本向け小さいバージョンもいいんじゃないか。