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旦那がアメリカのVA(退役軍人病院)で手根管症候群の手術をした日

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(過去記事です)

先週、旦那が手の手術を受けました。1年くらい前からずっと両手~手首あたりの痺れと痛みを訴えていました。病院にはかかっていたんですが、この度やっと手術となりました。

ちなみにこの夏、日本に短期で帰省した際も、旦那を手の専門医に連れて行きました。短期滞在なので手術はできませんから、応急処置として痛み止めの注射を何本も打ってもらったところ、しばらく痛い痛いと言ってなかったので、効果はあったようです。

診断は、Carpal tunnel syndrome 手根管症候群と言われているものです。

手首内の神経がなんらかの理由で圧迫されて痛みやしびれの症状が現れるそうです。特に夜や就寝時に痛みが出やすいそうです。進行がひどいと、外科手術になります。

旦那はやはり特に夜に痛みを訴えていました。手の痺れと痛みでよく眠れないみたい。

多くは突発性のようですが、反復作業労働に生じることが多いそうなので、やはり使いすぎも原因の一つですね。

私も右手が痺れと痛みを感じる時があるんだけど、たぶんマウスの使いすぎだな。パソコン使わないと症状なくなるから。

さて、アメリカでは手術はどのようなプロセスで行うのでしょうか。

 

VAで毛根管症候群の手術

VAについて

手術はVAで行われます。アメリカの軍人はみな基地内の病院か、VA(ヴィー・エー)と呼ばれる病院にかかります。VAは Veterans Affairs の略です。

海ドラマ「ホームランド」でピーター・クィンというCIAエージェントがVAに入院してたので、政府関係者もかかるのはVAなのかも。民間人はVAにはかかれません。家族もかかれません。軍人の家族は、基地内の病院ならかかることができます(私もお世話になったことがある)。

VAの特徴は…なんといっても自己負担金が一切ないことです。

検査から手術から処方箋から、いっさいお金はかかりません。お金の心配をせずに医者にかかれるって素晴らしいというか、旦那が羨ましくなる時があります。日本の自衛隊は自衛隊病院で無料だけど家族はもちろん3割負担なので、同じような感じですね。

私たち家族はというと、Tricare(トライケア)という軍人の家族用の保険会社に入っていて、保険会社が承認する民間の病院・医者にかかることになります。

保険会社が承認していない病院にかかる場合は、すべて自己負担になります。日本のように「今日〇〇病院の〇〇科に行ってくるわ」というような自由さはありません。

勝手に専門医に診てもらうのではなく、まずは「Primary physician」というかかりつけ医に診てもらい、かかりつけ医が専門医に紹介して初めて専門医にかかることができます。

このかかりつけ医のことを「Primary Care Manager(PCM)」と呼びます。PCMからの紹介以外の専門医にかかってしまうと、保険が下りず、全額自己負担となってしまいます。

【アメリカ医療】かかりつけ医の系列外の医者にかかったら400ドル請求がきた - ミセスGのブログ

ただし、先に言ったとおり、家族も基地内の病院にかかることは可能です。実は、ラスベガスに遊びに行った時、ラスベガスにある空軍基地に滞在していたのですが、急きょ私の体にトラブルがあって基地内のERにお世話になりました。

また、旦那が日本の病院で保険なしでかかった10割自己負担分も、Tricareに還付を申請しました。私や子どもは日本で住民票を入れれば国保に入れますが、2か月の一時帰省なのでいつも入っていません。人によっては入る人もいるでしょうが、一時帰省で入るのはシステムをabuseしているような気がするんですよね。大きな出費ならそうも言ってられなくなりますが、あくまで居住国は海外なので。

その代わり、アメリカに帰国後、Tricareに還付を申請しています。私の経験では、大きな総合病院だと7割~8割は返ってきました。ただし、町の小さなクリニックとかだと、3割くらいしか返ってきませんでした。

まあ、日本の保険なし10割負担といっても、アメリカのバカ高い医療費と比べてしまうと、ものすごい安さですけどね。

 

手術当日のプロセス

手術は日帰りです。

当初、手術は夜の9時の予定でしたが、そうするとお迎えが12時以降になり、娘はすでに就寝中なので、娘を起こして迎えに行かなければなりません。他に誰も当てになる人が見つからなかったので、スケジュールを変更してもらい、朝の10時にチェックインすることになりました。

娘を学校にドロップオフしてから、旦那と二人で9時45分頃にチェックインしました。Same Day Surgery という科に行きます。待つこと45分くらい。待合室にナースの男性がやってきて、その後のプロセスなど説明を受けます。

ここでお迎えにくる人物(ドライバー)が誰かを告げ(私)、私の電話番号を伝えます。VAは、お迎えがないと、ディスチャージ(退院)させてくれません。

このナースの男性がたまたま日本が好きな人で、少し日本語が話せました。彼は日本に行ったこともあり、日本で指圧マッサージや温泉にも入ったようで、旅の話を楽しそうに話してくれました。

ここで旦那は奥へと連れて行かれるので、私は退散します。病院広いので迷子になりそうです。こんな中庭もあるよ。

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その後、娘を学校からピックアップして、病院からの電話を待ちます。

3時頃に外科医から電話があり、手術が無事に終了したこと、旦那の様子など説明を受けます。(アメリカの病院システムのいいところのひとつは、電話でのやり取りが可能なこと。医者と電話で話すこともよくあるし、血液検査などの結果を電話で教えてもらえるので、わざわざ結果を聞きに行くためだけに病院に再度行かなくていい点は非常に便利。)

外科医からは、このあとICUのナースから電話があると言われます。

10分後くらいにナースから電話があり、旦那の様子や、旦那からの「ドクターペッパーが飲みたいです」という伝言などを聞き、いつ頃迎えに行くべきかを伺います。

15分後くらいにまたナースから電話があり、「もう迎えにきていいですよ」

VAに行ったら、まずVA内の薬局に行って旦那の薬をピックアップするように指示されます。車を薬局のすぐ近くのロータリーに持ってきて、そこで待つように指示されます。

娘を連れてVAに向かいます。薬局に向かい、旦那の薬をピックアップします。このとき必要なのは、旦那のミリタリーIDカードと、自分のIDカードです。自分のミリタリーIDカード(家族用)を見せればベストです。

薬をもらったら、自販機でドクターペッパーを探すも…ペプシしかねえな。しょうがないのでペプシを買いました。同時に病院に電話をして、ナースに「薬を受け取ったのでもう降りてきていいですよー」と伝えます。

駐車場に戻って、車に乗って、ロータリーへとつけます。着く前にすでにナースと車椅子の旦那が笑顔で手をふってました。しっかり車に入れるまでナースがついていました。私はアメリカの医療システムは複雑で高額でストレスだと思っていますが、医療や医療スタッフの質は最高だと思います。

ナースがかいがいしく旦那を車に乗せて無事に終了。このとき、4時半くらい。

医者の話では、彼の手を開いてみると、あるはずのないところに筋肉があったりして、それが神経を圧迫していたそうです。ドクター曰く「初めて見た」稀なケースだそうです。

お腹がすいたというので、帰りにアイホップに寄りました。

ヴァニラ味のコーヒーが飲みたかったので頼んだら、こんなの出てきた。

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しかも、鬼マズ。

旦那が「うわー美味しそう」と言うので、飲ませたら「おおー、これはうまい」って言っていました。頭がおかしいんじゃないだろうか。

というわけで、手術は無事に終わりました。1~2カ月後には、今度は左手の手術をすることになると思います。