おはよすー。
人口増加の話をしてもいい?
私は今、関東在住なのだけれど、8年ほど日本を不在にしていたらその間になんと市の人口が20万人弱増えていたのね?日本全体の人口は減少してるというのに。少子化なのに。
そのおかげで道はいつも激混み、土日祝日に冷やかしにいっていた数か所のショッピングモールへと続く道路は平日じゃないと行けないほど混むようになりました。ムカつくわー。ほんとムカつくわー。おかげで運転しながら5分毎に「チッ」とか「あークソッ!」とか「このバカヤロー」「ったく何やってんだ」とか暴言をブツブツ言っております。なお、母の所有車なのでシルバーマークが前後に付いています。
人々はなんでここに来るのか。私はできることなら田舎に引っ越したいけど引っ越せないの。生家がここだから。墓があるから。
というわけでニューカマーに少し苛立ちを抱えています。
ほんとうのところ、田舎に引っ越したいです。
今の夢は、1エーカーの家で野菜と家畜を育て(両方やがて頂く)、馬一頭(馬種はクォーター)と犬三匹(犬種はシェパード、ロットワイラー、今のシーズー犬)を飼って暮らすことです。具体的な夢でしょう?
それから子どもがもう1人欲しかったのだけれど、オッパイは美乳*ですが赤ちゃんはもう産めません。余裕があれば恵まれない子供を養子にしたいです。*世界三大美乳女子の一人。
そんなわけでとりとめのない話をしたあとは、先日の「ハングリー・ハーツ(感想)」のハングリーベビーに続いて赤ちゃん繋がりで「真夜中のゆりかご」を視聴してみたという話をしたいと思います。
この作品はね、ずっと「やがて観る予定だが観ないまま死ぬかもしれないリスト」に入れてあったのですが、謎のロードバイク軍人Khvostさんに勧められ、自称オッパイは若いやなぎやさんにも「おもしろいよ」と言われたので観る決心がつきました。
さっきからオッパイを連発している理由は、やなぎやさんがオッパイの話をしたら男どもが釣られていたからです。オッパイ連発していればこっちでも釣れるかもしれないというやましい心で書きました。
「真夜中のゆりかご」作品情報
原題:A Second Chance
公開年:2015年
監督:スサンネ・ビア
出演:ニコライ・コスター=ワルドー、マリア・ボネヴィー、メイ・アンデルセン、ウルリク・トムセン
上映時間:1時間42分
監督は「未来を生きる君たちへ」のデンマーク人女性監督。
あらすじ
敏腕刑事のアンドレアス(ニコライ・コスター=ワルドー)は、美しい妻アナ(マリア・ボネヴィー)と乳児の息子とともに、湖畔の瀟洒な家で幸せに暮らしていた。そんなある日、通報を受けて同僚シモン(ウルリッヒ・トムセン)と駆け付けた一室で、薬物依存の男女と衝撃的な育児放棄の現場に遭遇する。一方、夫婦交代で真夜中に夜泣きする息子を寝付かせる日々は愛に満ちていた。だが、ある朝、思いもよらぬ悲劇がアンドレアスを襲い、彼の中で善悪の境界線が揺れ動いていく。
感想
奇しくも「ハングリー・ハーツ」と同じ時期に製作公開された本作。・・・この時期はゆりかごフィーバーだったんか?
本作の主演はデンマーク人のニコライ・コスター=ワルドー。世界で熱狂的な大人気となったドラマ「ゲーム・オブ・スローンズ」でメインキャラクターの一人、ジェレミー・ラニスターを演じた、デンマークが誇る俳優の一人である。
私はいつも彼の名を覚えられず「ニコラス・コスナー・ワイルド」とアメリカ人の二大セミハゲ俳優がワイルドになった様子を描いた架空映画を彷彿とさせる名前に脳内変換してしまうのですが、果たしてお前たちは彼の正式名称を覚えられるだろうか。そして「ニコラス・コスナー・ワイルド」から連想されるセミハゲ二人の名前を答えなさい。
ニコラスニコライは、例にもれず、本作でもイケメンで有能で実はイイ奴だが女運がないというキャラを演じる。ゲースロでは双子の姉妹…に振り回されたが、本作では恐妻に振り回される。振り回されるだけならまだ可愛いものだが、本作のニコライは騙され、叱られ、奪われ、失うという四重苦に遭う…が、セカンド・チャンスをもらって生きていくーそんな作品である。
有能な刑事のニコライは、ある日、通報を受けて同僚のシモンとネグレクト夫婦宅に向かう。ネグレクト夫婦のトリスタンとサナはヤクをやってハイになっていたが(やけに薄汚い)、ニコライが家宅捜索すると、サナが立ちはだかって隠そうとしていたクローゼットの中に糞尿まみれの赤子がいた。
なんじゃ、こりゃァァァァ!
こんな映像観たくなかったです。
なにが「おもしろいよー」だ、やなぎやの野郎!
糞尿まみれの乳児見せられてもちっともおもしろくねぇだろうがよぉぉぉッ!!
さぁ、ニコライはこの光景に瞬間湯沸かし器と化す。「おどれ、何さらしとんねん、糞がぁぁぁっ!!(文字通りクソ)」とネグレクト夫婦をシメあげる。
ニコライは優しく赤ちゃんを抱きあげ、糞尿にまみれた身体を少し綺麗にしてあげる。
体に何かがつくことが嫌いな神経質な私は、赤ちゃんへの同情心に溢れながらも、ニコライが赤ちゃんを抱きあげたときに「あーっ、洋服に赤ちゃんのクソついちゃう」といらん心配ばかりしてしまいました。皆は思わなかった?私はニコライやご両親が抱っこしようとする度にウンコばかり気になってしまってすみませんでした。
赤ちゃんが危機的状況のときに、そんなこと言ってる場合じゃないんだけど、その後もこの赤ちゃんとネグレクト両親が出てくるたびに赤ちゃんの糞が気になってしまったのねー。
でも皆様方におかれましては安心されたい。この頃の赤ちゃんの糞は匂わないのです!
ミルクしか飲んでないからね、臭くないのよ。色は茶色じゃなくてほぼ緑だし。
赤ちゃんは糞まみれだったが、健康状態は良く何も異常がなかった。赤ちゃんを保護できないという状況に、正義感の強いニコライは「クソー!」と怒りを露わにし、同僚のシモンたちは「どうどう」とニコライを宥めるのであった。
仕事を終えたニコライは、妻のアナと息子が待つ水辺に立つ豪邸に帰宅する。
麻薬中毒者の両親のもとで糞尿まみれで逞しく生きている赤ちゃんの姿を見たあとに帰宅したニコライは、妻が「良妻賢母」(アナの家は金持ちだが両親とは疎遠)であり息子が理想的な環境で愛情深く育てられていることに密かに感謝していた。
嫌らしい見方をしてみると、恵まれた環境に身を置いたニコライのような正義感の強い「善人」は自分の人生が恵まれたものであることに優越感を感じずにはいられず、ネグレクト夫婦と糞まみれのソーフスの3人が自分たち3人でなかったことに安堵する傲慢さを内包している。
なお、同僚で友人のシモンも、ニコライが無意識に優越感と傲慢さを感じていた人物のひとりである。シモンは離婚歴ありで、元妻と息子は新しい男と住んでいるので偶にしか会えず、酒浸りでアパートの部屋は無法地帯、バーで酔っぱらって喧嘩してニコライが呼び出されるような毎日であった(でも着の身着のままベッドに倒れ込むシモンに毛布を掛けてあげる優しいニコライ)。
しかし、そんなニコライの尊大さを見抜いた神様は(神様?)、この後ニコライの人生を転覆させまくり「悔い改めよー」と言いながらセカンド・チャンスをあげるのです。言い忘れたけど、セカンド・チャンスというのは、本作の原題でございます。
まず、ニコライの美人妻アナが実は見かけとは全然違うということが明らかになっていく。
ニコライとアナの息子は夜泣きが酷く、夫婦は協力して交代しながら夜のドライブや散歩に息子を連れ出していた。予想より大変な子育てを前に、ニコライはアナに「後悔している?」と気遣うのだが、アナは「何てこと言うの!?この子は世界一大切な子よ!」と突然怒り出してニコライをベシベシ殴る。
良妻賢母であったはずのアナの豹変ぶりにただならぬ気配を感じながらも、デンマーク人について無知な私は「ふぅーん、デンマークの女性はこんな攻撃的でも普通なのかしら」なんて悠長に考えていた。
「御免、御免」とニコライとアナが仲直りキスをしていると、さっきのネグレクト夫婦宅では夫トリスタンが妻サナをシバきたおしていた。
ネグレクト夫婦とはいっても、よく見てみると妻サナはソーフスにミルクをあげようとしているのだが、DV夫トリスタンが「余計なことしてんじゃねー」と言ってサナから赤ちゃんを取り上げ、妻に無理矢理ヘロインを打つという状況であった。
妻サナは夫のDV被害者であり、麻薬を打たれて夫の支配下にあったのだ。(だが、ニコライの目を通せばサンネも目糞鼻糞ということになる。)
旦那は糞まみれの赤ちゃんをそっとトイレの床に置くと、妻にヘロインを無理やり打ち、ベッドで二人寝ころぶ。そんなシーンでもあちこちに付いている赤ちゃんの緑色の糞が気になって仕方ない。二人のTシャツに糞付いてる、あぁそんな感じで寝ころぶからベッドにも糞付いてる、といった具合に、私は糞が気になってしゃあないのであった。
一方、ニコライ家。
ある夜、アナが目を覚まして息子アレクサンダーをゆりかごから抱き起こすと、アレクサンダーが息をしていなかった。
そのときのアナの表情をご覧ください。
母親としてさすがにこの反応はおかしいなと気がつく。我が子が息をしていないことが分かった時、動揺、混乱、不安といったネガティブな感情が表出することはあっても、アナのような「怒り」の感情はどう考えても場違いなのである。
ニコライは最後になってようやく真相を知ることになるのだが、アナはこの後も突然罵声をあげながらニコライをぶったりするので、もともとメンタルをきたしていたのだろう。(両親と疎遠であることからも、アナの精神不安定さは想像がつく)
ここでアナが救急車を呼ぼうとしない理由も、頑なに通報を拒んだ理由も最後に明かされる。
突然襲った悲劇にアナは半ば錯乱し、子どもと引き離したら自殺するとまで言う。ニコライは「わかった」と言ってアナに睡眠剤を飲ませて寝かすと、突然死した息子を抱いてセカンド・チャンスの場所へ向かう。
そこは、例のネグレクト夫婦のアパートだった。
夫婦が麻薬を打って寝ている間にニコライは赤ちゃんをすり替え、ソーフスを自宅に連れ帰る。ニコライは「これは犯罪じゃない、僕たちは子供を救うんだ」と主張する。アナも最初は反対していたが、やがて「きっとうまくやれる」と受け容れるようになる。
それでもアナは時折「不安だわ、私、子育てに向いていない」とこぼしていたのに、ニコライは結局最期までアナの心の叫びを聞くことができなかった。気付かなかったのよね。私は産後鬱になった記憶はないのだけれど、産後鬱て珍しくないし、やっぱり産後の女性へのサポートって大事だなと思うわけです。
一方、例のネグレクト夫婦が起きると、バスルームで赤ちゃんが死んでいた。(ソーフスとすり替えられたアレクサンダーの遺体ね。)トリスタンはろくに息子の顔を見ていなかったので「ソーフスが死んじまった、やべー」と焦るが、妻サナは「この子はソーフスじゃない」という。
ニコライはネグレクト夫婦がすぐに通報するものだと高を括っていたのだが、トリスタンは自分がまた逮捕されることを畏れ、一芝居うって子どもの誘拐を偽装する。(本当は森の中に埋めた。)
ニコライとシモンは夫妻を拘留する。
やがて間もなく、雨の降る夜にソーフスを連れて乳母車で陸橋までやってきたアナは、通りかかったトラックの運転手にソーフスを預けると、陸橋から身投げして死んでしまう。
立て続けに実子と妻を失ったニコライだが、実の息子アレクサンダーの死体を見つけるために頑張ってネグレクト夫婦を尋問する。
早く実子の遺体を埋葬したいがために気がはやるのか、ニコライはトリスタンへの尋問でヒントを次々とうっかりこぼしてしまうのだった!
ニコライ「・・・トイレのバスルームで死んでたんだって?」
ニコライ「アレクサンダー(息子)の遺体はどこだ!」
ニコライ「・・・ソーフスです」
そして
ニコライ「乳幼児突然死かもしれないよ?」
トリスタンの供述通りに森の中から「ソーフス」(本当はアレクサンダー)の遺体が見つかる。
そして解剖の結果・・・
ニコライの息子アレクサンダーには肋骨骨折と複数の脳の出血が確認された。つまりアレクサンダーは乳幼児突然死ではなく、誰かが故意に激しく揺さぶったこと(乳幼児揺さぶり症候群)により死亡したことが分かる。
優しく赤ちゃんを世話していた妻の姿しか見ていなかったニコライ。
同僚刑事シモンはニコライが赤ちゃんをすり替えたことに気付くが、衝撃の事実を知ってしまったニコライは出頭して自白する決意を決めていた。
ニコライは出頭前にソーフスを連れて精神病棟に入れられているサナに会いに行き謝罪する。サナは怒ることもなくソーフスとの再会を喜び涙するだけだった。サナの優しさが伝わってきますねー。
でもまぁニコライのおかげで諸悪の根源だった男トリスタンが捕まり、ソーフスも無事戻ってきたし、ニコライのケアにある間はソーフスは無事だったので(危うくアナに殺される危険性もあったが、サナはアナが鬼母であったことを知らない)、サナとしては怒る局面ではなかったのかもしれない。
最初に糞尿まみれのソーフスが保護されたとき、ソーフスに外傷はなく健康状態も良かったことから分かるように、サナはニコライが勘違いしているような悪い母親ではなかったのだ。ただ悪い男に捕まり、麻薬を打たれ続け、子どもの面倒を見れなくさせられていた不遇の女だったのだ。
良妻賢母だったはずのアナが子どもを殺し、麻薬中毒者だったはずのサナが子どもの面倒を必死にみていたという事実。物事は外側からだけでは判断できないこと、無意識のバイアスで人を判断すべきではないことをニコライは学んだのである。ニコライにとってこれが本当のセカンド・チャンスだったのかもしれない。
まぁ…簡単に言うと、ニコライが壮大に勘違いしたお話だ。
想像力がないってのは問題よねー。人間、いかなるときも想像力を大事にしないと。アナが時たま見せる鬼のような姿にびっくらこいてる場合じゃないだろ、ニコライ。
我が家なんて私が黙って矢を射るような目で夫をみてると「...What Did I Do?」と教本みたいな返事してきますよ。
それから数年。ニコライは刑事の職は失ったものの、起訴されることはなく、ふつうの暮らしを送っていた。ホームデポで働いていると、棚の向こうにサナの姿を見かけた。サナの後ろには少年になったソーフスの元気な笑顔の姿があった。
ところで…家宅侵入、乳幼児誘拐、遺体遺棄、虚偽告訴罪でも、無罪放免なの?