オーストラリア版サランドラという異名の「キリング・グラウンド」を観ました。
あらすじをかいつまんで言うと、カップルがキャンプに行ったところ、地元のアブナイ殺人野郎に遭遇してトンデモな目に遭うという話です。
ちなみに「サランドラ」のリメイクは「ヒルズ・ハブ・アイズ」です。サランドラもヒルズ・ハブ・アイズも面白いですよ。
オーストラリアは、ゾンビ映画やアポカリプス映画、ウルフクリークなどの猟奇殺人系ホラーをどんどん出してきてますね。
オーストラリアはアネクネーメも多いから、オーストラリア特有の土地を生かしたホラー映画が作れますね。
今回の「キリング・グラウンド」の撮影はどこかしら?森林豊かで、川辺のあたりはとても綺麗でした。
ちなみに、キリング・グラウンドの原題はそのまま Killing Ground です。
ネタバレなしであらすじと感想をお送りします。
映画「キリング・グラウンド」のあらすじ
キャンプにやってきた交際中のサムとイアン。
地元の住民にベストなキャンプ場を教えてもらいます。
キャンプ場には、もう1組テントが張られていて、誰かがキャンプをしている様子でした。しかし、夜になってももう1組のキャンパーたちは帰ってきません。
何かあったに違いないと思ったサムとイアンは、警察に届けを出すために、荷物をまとめて出発しようとします。(携帯はやっぱり圏外)
サムが荷造りしていると、森の中で1歳くらいの男の子を発見します。
そこへ一人の男が車でやってきます…
サムとイアンは恐怖の体験をすることになります。
といった内容です。
映画「キリング・グラウンド」の感想(ネタバレなし)
油断してみてたけど、けっこう胸糞悪くて驚きました。
ファニーゲームくらい胸糞悪いです。
胸糞が悪い映画といっても、イロイロあります。
ホラー映画の金字塔「悪魔のいけにえ」や「テキサス・チェーンソー」を思いつく人もいるでしょうが、こういうホラーは「レザーフェイス」というチェーンソー振り回す殺人マシーンが主役なので、ともすればコミカルな面があります。
ちょうど「13日の金曜日」のジェイソンや、「エルム街の悪夢」のフレディ、「ハロウィン」のマイケル・マイヤーズと同じような位置づけとでもいいましょうか。
そのため、怖いし異常だけど、胸糞悪さは私の中ではそうそう高くありません。
「サランドラ」や「ヒルズ・ハブ・アイズ」も、人気のない場所に行って一家が襲われるという設定は本作と同じなんですが、殺人集団がカンニバル集団だったりして、コミカルな面も見せるので、胸糞悪さはそれほどでもないです。
ファニーゲームや本作「キリング・グラウンド」は、実際に自分の身に起きかねない、誰にでも起こり得る恐怖を感じられることから、胸糞悪さがかなり感じられました。
wrong place, wrong time つまり運が悪かったとしか言いようのない事件。たまたまそのとき、そこにいた、そのせいで殺された、事件に遭った、事故に遭った、というのは、誰にでも起こり得る。本作を胸糞悪く感じたのは、第一にこれが理由です。
第二の理由は、家族が酷い目に遭うということ。つまり、子どもを巻き込んでいるからです。これはファニーゲームも同じでした。特に本作は、ティーンエイジャーと1歳のヨチヨチ歩きの赤ちゃんが出てきます。
「ちょっとやり過ぎでは…」と思えるほど、残酷で過激なシーンもありますので(遠めに見えるくらいですが)、鑑賞の際は注意したほうがいいです。とはいっても、スラッシャーやグロではありません。
親としては、これ以上の苦しみは考えられない。
家族が窮地にあるシーンが一番堪えるのですが、このシーンはまるでISISや、どことは言いませんが暴力にまみれた国や土地を彷彿させるシーンそのもので、悪寒がしました。
主人公のカップル、サムとイアンより悪役の二人がインパクトと存在感があって見事でした。親玉の方はいかにもだけど、フォロワーであるチュークは、どこかで見たことあるような…この方の演技が特に良かったです。
左がチューク、右がジャーマンさん。
クリミナル・マインドのFBI捜査官JJに代わって、GGがお送りします。
容疑者は、男性2名。支配的なリーダーとフォロワーの二人のペア。非秩序的で、教育程度は低く、土地勘があることから地元の人間と思われます。リーダーは40~50代、フォロワーは20代後半~30代。リーダーは社交性も良心の呵責もありません。フォロワーは短絡的で流されやすく、リーダーの言うことに左右されます。
サムとイアンですが、イアンは医者なんですね。イアンが銃を取って形成逆転するチャンスもあったんですが、無理めだったイアン。その後の行動も、私がサムだったら「あんた、どういうことよ!!婚約解消よ、このヘタレ!」なんて怒りたくなるような気もしました。
オーリー(赤ちゃん)を運んで行ったと思ってたのに…
え?運んでない?みたいな。
そして最後、オーリーと犬はどうしたらいいんでしょうか?
撮り方もシンプルなんですけど、すごく良かったです。
最初におおっと思ったのは、サムの後ろからトコトコ赤ちゃんが歩いてきた時。
そして家族の時間軸と、サムとイアンの時間軸とが平行して流れるという点。サムが家族の空のテントをじーっと見ていると、家族の時間軸に戻ったりして、効果的でした。
というわけで、なかなか見応えのある胸糞悪い映画でした。