「サベージ・キラー」に続いて、レイプリベンジものを視聴しました。
こ、この作品は…面白かったのか、面白くなかったのか、非常に判断に困る作品でした。
前半がいたぶられるシーンで、後半がリベンジという構成です。
映画「デッド・オア・リベンジ」のあらすじ
ジョージア(旧グルジア)にトレッキングにやってきたアメリカ人の若者3人。
そのエリアはかつてグルジア戦争で地雷が埋められていた場所でした。
3人は三角関係のもつれから、仲たがいをしてしまいます。
ダニエルとアリシアは結婚間近でしたが、アリシアがダニエルの親友クリスと関係を持ってしまったのです。
そのことを知ったダニエルは、クリスにわざと地雷を踏ませ、アリシアとクリスを置いて去って行きます。
携帯も通じず、ロシア語も分からず、どうしていいか分からない二人。
そこへ、イリアという地元のおじさんが通りかかります。
二人はイリアに助けを請いますが、イリアは何もできないクリスを尻目に、アリシアを弄び始め…
怒りに震えるクリスの復讐心は、予測不可能な事態に…
というような話です。
映画「デッド・オア・リベンジ」の感想
な、なんなんでしょうか、この映画。
まずですね。
アメリカ人の若者3人、ダニエルとクリスとアリシアですね。
ダニエルとアリシアは交際していて結婚間近です。しかしアリシアはクリスと過ちを犯してしまったそうなんですね。
それが実はダニエルにバレてまして。ダニエルは地雷をクリスにわざと踏ませ、アリシアを「このクソビッチがー」なんて呼んで、二人を置いて帰ってしまうわけです。
私はですね、三角関係のもつれから、クリスが嫉妬にかられて狂ってきてしまい、ダニエルが地雷を踏んだまま、ダニエルの前でアリシアを凌辱する映画なのかと勘違いしてたんですよ。
だってクリスの前でアリシアとダニエルはいちゃこいたり、テントの中でセックスまでしちゃって見せつけてるんですから。
この時点でアリシアはクソビッチだと思ったんですけどね、おばさんは。
それで、クリスが二人にさんざん嫌がらせした後、地雷が実は爆発しないと気付いたダニエルとアリシアがクリスに復讐するっていう話なのかと。
そうしたらですね、この前哨戦は全然本編とは関係ないんですよ。
主役はなんと脇役っぽ~いクリスなの。
ダニエルはアリシアとクリスを置き去りにしたまま、もう二度と出てきません。
ダニエルはイケメンだったし、キャラとしても良さそうだったので期待してたのに。一番薄いキャラが実は主役なんです。
じゃあ誰がアリシアをレイプするの?と思ってたら、そこに偶然通りかかったジョージア(旧グルジア)の地元の気持ち悪いおっさん登場。パッケージの左のおじさんはこの人でした。
名は、イリアと申します。
このイリアはですね、素晴らしい演技を見せてくれました。
いるいる、こういう気持ち悪いおっさん。
アメリカ人若者二人とイリアとの会話が辻褄が合わないので、イリアはちょっと知恵遅れなのかと思ったんですよね。のちのち分かるんですが、イリアはアルコールが入るとロクデナシになってしまうみたいで、このときも酒が入っていたようです。
イリアはいいんですよ。
でもクリスとアリシアがね、なんなんだこの二人と思うくらいイライラさせられます。
だって二人のやることと言ったら、イリアをエスカレートさせるだけ。むしろ、イリアをわざとエスカレートさせようとしていないか?と疑いたくなるレベル。特にアリシアさんはひどかったです。
そもそもアリシアさんは、アリシアに片思いしているクリスの前でダニエルとイチャコラしたり、非常識すぎます。それにあんな異国の人里離れた場所で、仲間のクリスが何もできないという危機的状況に陥っているのに、怪しそうな他人が現れた時点で肌を隠すとかしないんでしょうか?危機感がなさすぎます。
とちゅうで同情できなくなってしまいました。
そしてちょうど半ばの凌辱シーンが入って、後半戦。
果たしてクリスはどうリベンジするのかとちょっとワクワクするわけです。
すると、イリアが実は妻と可愛い娘を持つ普通のお父さんであることが分かります。おまけにハチミチなんかとっちゃってる。
ああ、これってさもありなん、なんて思っていますが、クリスの復讐が静かに始まります。
クリスはですね、イリアの家族に本性を現したときの顔つきがまったく前半と違くって、ポテンシャルを感じました。前半のあの嘘くさい演技はなんだったのか。この子は育てたら伸びるんじゃないかと思いましたよ。
ただ、復讐はもう少し時間をかけてイリアを苦しませたほうが良かったように思いますね。後日談の復讐なので、復讐計画を練って実行するのかと思っていたら、意外にシンプルな運びだったのでそこが残念でした。
家族も巻き込んだ状態だったので、精神的にもっと苦しませてほしかった。こうして書いていると、私はひどいこと書いてますね。妻子には何の罪もないのよ!
冒頭の+ダニエルの舞台設定は結局なんだったんだろう…これならカップル二人がふつうにトレッキングしていたところにイリアが出てきていた方が、復讐心により理解ができるのでは…だってクリスとアリシアは交際していたわけじゃないし、クリスの片思いでしたから…
事実は小説より奇なりのとおり、ランダムな日常が運悪く積み重なった悲劇だということなのか。
それに冒頭でアリシアが彼氏の親友と寝ていて、さらにその親友の前でチョメチョメしちゃうというクソビッチな描写をしているうえに、イリアが現れてからもイライラさせまくる人物像なので、視聴者が同情しにくくなっているんですよ。
これが果たして製作側が狙ったものなのか、どうなのか。でもそういう演出があるってことは狙って入れたものということですよね…ということは、視聴者が共感しにくいクソビッチな女性をレイプ被害者にさせて、視聴者に自問自答させたかったのか。
このアングルから見ると、この映画は既成概念を壊すような素晴らしい映画になりそう。
・レイプ被害者はクソビッチだろうが清純乙女だろうが関係ない
・リベンジをしても結果とそのあとの感情は予測不能
というような点で。
また、ラストはクリスの想定外の結果になってしまったのがクリスの様子から見て取れます。クリスにズームインしていくのと同時に、泣き声やすすり声とロシア語が聞こえるという撮り方が非常に良かった。