「CAGEケージ~ベビーシッター恐怖の一夜~」を視聴しました。
原題は Berkshire County(バークシャー郡)ですが、さらに変更されて Tormented になりました。Tormentedは、虐められたりとか虐げられているという意味です。
※邦題も「ベビーシッター」という邦題から「CAGEケージ~ベビーシッター恐怖の一夜」へと変更されました。
主人公の高校生の女の子がベビーシッターをするためにバークシャー郡にある大邸宅に行き、そこでホームインベージョンに遭うというシンプルなホラーです。
「サプライズ」や「ストレンジャーズ~戦慄の訪問者~」などのホームインベージョン系スリラーですね。
犯人たちが豚のマスクを被っているという点でも、サプライズに似通ってます。
ホームインベージョンものは、犯人たちが素顔じゃなくてマスクをしていた方が怖さが増すので、仕方ありませんねサプライズは様々な動物のマスクでしたが、本作は豚のマスクでした。
『CAGEケージ~ベビーシッター恐怖の一夜』映画のあらすじ
ハロウィンの夜、高校生のカイリーは、バークシャー郡にある大邸宅で二人の子どものベビーシッターをしに行きます。
子どもたちを寝かせたあと、玄関のベルが鳴ります。
玄関をあけると、豚のマスクをかぶった子どもが「トリック or トリート」と言ってキャンディをもらいに来ていました。子どもの後ろには、豚のマスクをかぶった大人がいます。
カイリーがキャンディをあげようとすると、突然、豚のマスクをかぶったもう一人の男がカイリーに襲いかかります。
『CAGEケージ~ベビーシッター恐怖の一夜』映画の感想(ネタバレあり)
最初の10分くらいは、高校生の主人公カイリーが学校でちょっとかわいそうな目に遭います。これから恐怖の一夜を過ごす羽目になるのに…と早くも同情してしまいました。
ベビーシッター先に向かう途中、寂しい一本道で犯人と遭遇するんですね。メインロードの脇道に古びたトラックが停まってて、その横に豚のマスクをかぶって立ってるんですよ。
こういうディテールが良かった。いかにもありなんじゃないですか。
カイリーも良かったです。ごくフツーの女の子なんですが、それがよけいにリアリスティックなんです。外見もフツーだけでなく、ベビーシッター先の両親との会話や、犯人がイタズラ電話をかけてきた時の返答などもフツーなんで、リアルなんですよ。
恐怖に陥ったカイリーが、警察に電話する以外にとりあえず窓のカーテンを必死になってしめるんですけど、カーテンがうっすくてヒラヒラしてて、全然目隠しになってないんですね。だけど実際にカイリーの立場に立ったらパニクって「ああ自分もやっちまいそうだな」なんて思うんです。
おまけにカイリーはひたすら犯人と鬼ごっこをするんですよね。これが最高に緊張して、ハラハラしっぱなしでした。
そのためか、「サプライズのパクリじゃん」、とか「ストレンジャーズ~戦慄の訪問者~」とか全然思わない良作に仕上がっています。
犯人の登場の仕方も良かったです。
邸宅の住人がちょうど引っ越す寸前ということで、包丁とかナイフとか反撃の武器になりそうなものが全くないんですね。これは予算もカットできるし、一石二鳥、製作陣は頭いい~なんて思いました。
カイリーがキッチンのキャビネットの上に身を潜めていた瞬間は最高でした。
警察もですね、ホームインベージョンの通報を受けて来たはずなんですけど、警察官二人がのらりくらりしてて「ハロウィンてタリーな」なんてサンドイッチ食べながら登場するんですよ。
おまけにですね、真っ暗な部屋の中で、豚のマスクかぶって、椅子に座っているサロペットの大男に懐中電灯をあてながら「大丈夫ですか?」とか声かけしているんですよ。豚のマスクをかぶった顔には懐中電灯を当てないんですね。
で、彼氏がやって来るんですけど、殺人鬼がいつやってくるか分からないのに、カイリーと彼氏は痴話げんかしてたりすんですよ。
今日において、ここまで突っ込みたくなるホラーファンの心理を心得ているホラー映画ってなかなかありませんよ。
実はホラー黄金時代の80年代に作られたんじゃないの、この作品?なんて疑いたくなるほど、ホラー映画あるある完成度が高い。
最後の方も、ちょっとツイストがあって良かったと思います。
最後は2つ気になるその後談がありましたが、最初の1つだけで良かったのでは?
病院での最後のオチは蛇足な気がします。また、夢なのか現実なのかもちょっと不明だけど、現実っていう設定だとすると、大規模な養豚団が存在するというオチなのでしょうか。
良くない点は、音で驚かす点ですかね。古典的ですけど、あまり好きな手法じゃありません。
全体の感想としては、ホラーファンとしては大満足でした。