どうも
面白い海外ドラマ探しを続ける
Gです。
シーズン2まで一気に見ちゃった「警視ステラ・ギブソン(原題:The Fall)」
シーズン2がああいう展開になったので、シーズン3は一体どうなるの!?
と気になり、シーズン3も見続けてしまって夜更かしの日が続いています。
シーズン3を見終わりました。
余韻が抜けません。
昨夜は、ステラが殺人犯ポールにバスタブで溺死させられる夢を見るエピソードを見たせいでしょうか、悪夢にうなされました。
わたくし、夢の中で誰かにバスタブで溺れさせられてました。
このドラマの雰囲気がたまらない。
「キリング」や「羊たちの沈黙」によく似た雰囲気なんですよ。
Netflixオリジナルのドラマは結構秀作が多いですね。
「ナルコ」も面白いし。クオリティが高いんですよね。
ではシーズン3のあらすじ&感想です。
ネタバレは途中で「以下ネタバレ」と書いてあります。
警視ステラ・ギブソン(The Fall)シーズン3のあらすじ&感想
ネタバレなし感想
シーズン2の展開からシーズン3はどうするんだろう?
と思っていましたが、そこは心配なし。
シーズン3も面白かったです。
シーズン3では、病院の舞台がけっこう多くなります。
で、この病院での様子もすごい面白いんですよ。
ナイトシフトとか「CODE BLACK(コード・ブラック)」みたいにリアル。
同じ快楽殺人犯を扱うダークなドラマでは、クリミナル・マインドとかロー&オーダー性犯罪特捜班があります。
しかしクリミナル・マインドやロー&オーダー性犯罪特捜班は、基本的に1話完結型。
見やすいことはあるんだけど、1話だけで終わってしまって「あ~もっと見てたい」という時ありますよね。
「警視ステラ・ギブソン」は
犯人の目線、犯行の計画、予習、実行、日常生活、頭の良さ、人柄
警察のポリティクス、不祥事、捜査方法、鑑識、証拠集め
ティーンの危うさ
病院での手術、ICU、ドクターとナース
裁判、事情聴取
などなど、すべてカバーしているので、中身が骨太!!
クリミナルマインドは快楽以上殺人犯を多く扱っているけど、実は浅くさらっとしかプロファイリングしてませんよね。
実際のプロファイリングについてはこのドラマの方が深く説明しています!!
シーズン3では「ベルファスト絞殺魔」の異名をとるポール・スペクターの過去や、余罪などが明らかになって行きます。少しずつ謎解きをしている感じでおもしろいです。
以下、ネタバレ感想です。
ネタバレ感想
シーズン2のラストでポールがお腹に2発撃たれてしまったので、もしかして死んじゃうのかと心配しました。
でもポールはなんとか一命を取り留めます。けっこう危ない状態でした。
連続殺人犯なのに「死なんといてポール」
だってジェイミー・ドーナンが格好いい。
シーズン3は、これまでなんとも思っていなかったちょっとブサイクなポールの奥さんが可哀想で可哀想で…
連続殺人犯は独身が多いですが、結婚してたら殺人犯の家族も地獄を味わうことになることがよく分かるドラマです。
ステラが警察のお偉方と、奥さんサリー・アンの処遇はどうしようかと話している時、ステラだけがサリー・アンに同情して起訴しないように訴えたけど…
奥さんは旦那を失い、職を失い、赤ちゃんを流産…殺人犯の家族として非難され…
ステラには、どうなるかが見えてたのでしょうね…
奥さんがぼーっとして薬を4粒飲んだ時、やっぱりね…と思いました。
とてつもない怒りを感じた時、男性は「殺してやる」になる一方で、女性は「死んでやる」になるんですよね。
有名なところでは浮気への対応。男性は自分の女が浮気してるのを見つけると「殺してやる」ですが、女性は自分の男が浮気してるのを見つけると「死んでやる」ですからね。
また女性の場合は、その怒りの矛先が子供にまで向かってしまい、子供を道連れにすることが少なくありません。
ステラがあとにバーンズに言うようにね。
サリー・アンがミルクに薬を入れたところから、見進めるのが辛すぎて…
夜中、車に子供たちを寝かせたまま海にやってくるサリー・アン。
えーちょっとちょっとちょっと…
頼むよ~
やっぱり子ども絡みだと見てるのがツライ!!
すんでのところで助けられたサリー・アンと二人の子供たち。
それを見ていたバーンズの一言「彼女がそんなに思い詰めていたとは…」に怒り心頭。想像力なさすぎでしょ!!
俺だけのせいじゃないと、責任を回避しようとするバーンズへのステラの返しが秀逸。
「これで彼女の起訴状に殺害未遂も追加されたわね」
ステラかっこよすぎるだろ、おい。
ステラは独身でバリキャリなんだけど、女性や母親の感情をすごく理解している人で、時折流す涙がいいんだよな~。ジリアン・アンダーソンの演技が最高。
ベビーシッターでポールを愛してしまった16歳のケイティは絵にかいたような転落をしていきます。精神不安定な鬱屈したティーンの社会や人々への怒りを上手に描いていますね。
ERの医者と精神科医ラーソンもキャラにすごい魅力がありますね。
医者は中年のボサボサ頭だし、ラーソンはおじいちゃんだけど、いずれのキャラも味があるんですよ。これを見たあとはシカゴ・ファイアのスピンオフ医療ドラマ「シカゴ・メッド」なんか見ちゃうと、嘘くさくて恥ずかしくなるわ。
最終話、事情聴取でポールに屈辱を与えたステラにキレてステラを襲うポールがすごかった…怖い…
他にも暴力描写があり、けっこうキツかったです。
シーズン3で終わるのか終わらないのか分からないまま見たのですが、どうやらシーズン3で完結のようですね。
ポール・スペクターが自殺してしまったので…かなりショック…
いやポール・スペクター演じるイケメンのジェイミーのあんな姿を見せられることもショックですが、何人もの人を殺し、傷つけ、苦しめてきた犯人をやっと逮捕して追い詰めてきたところで自殺されちゃって…っていう警察側のショックがよく分かりました。
私が感じた、虚しさ?寂しい?虚無感?は、ステラが言った通り、ポール・スペクターが拘束された後も周囲の人間を不幸にする伝染病のようなものだからなんでしょうか。
無理心中を試みた後のポールの妻サリー・アン、ポールの子どもたち、ポールに操られた16歳のケイティ、腕をやられてしまったアンダーソン刑事(おそらく刑事復帰は無理っぽい)、アル中っぽくなって退陣するバーンズなど、かかわった人たちが取り返しのつかないレベルで不幸になりました。
すべてを見終わって改めてタイトルの「The Fall」が理解できます。
一つ疑問点ですが、ポールが自殺する前にあの男を殺したのは12歳の妹をレイプしたから?
そしてポールは本当に記憶を失っていたのかどうかも明かされませんでした。ステラは仮病だと信じ切っていましたね。
もしかしたら小さい頃の性的虐待で、split personality になってしまった線もあるかも。
私はてっきり騒ぎを起こさせて逃げるつもりだと思っていたので、シーズン4があるのかと期待しましたが、淡い期待が破られてさらにポール・スペクターの壮絶な最期を見せられてしまったので、昨夜に続いて、今夜も悪夢を見そうです。
ポールに同情したナースが渡した20ポンド札には
He that loves not abide in death.
と書かれていました。
ステラはなぜそれを拾ってそのままロンドンの自宅に持ち帰って冷蔵庫にぺたりと貼ったのか。聖書やキリスト教の理解があれば、ステラがそうした理解が進みそうなんだけど、ロジカルに頭の中で整理できません。
ステラ・ギブソンがこれで終わりだと思うと残念です。
ジリアン・アンダーソンはインタビューでステラ役が一番好きだと言っていたので、続編を待望します。
ちょっと思いましたが、クリミナル・マインドの新スピンオフもこういうのすれば良かったのに。クリミナル・マインド本家が一話完結型だから、スピンオフではシーズンごとに一人ずつ快楽殺人犯を追うようにすれば良かった。クリマイ本家との差別化もできるし、濃厚でハマりやすいスピンオフが出来上がったはず。