米国ロードアイランド州で、ヨガパンツを批判した男性への抗議デモがありました。
事の発端は、アラン・ソレンティーノさん(63歳)がバーリントン・タイムズ紙に出した書簡です。
ちなみに私もヨガ行くときはヨガパンツ履いてます。
ヨガパンツ騒動の経緯
男性の出した書簡(原文まま)の引用はこちら。
"Not since the mini-skirt has there been something worn by so many women who would never have it on in the firstplace. Yoga pants can be adorable on children and yound women who have the benefit of nature's blessing of youth. However, on mature, adult women there is something bizzare and disturbing about the apperance they make in public."
"Yoga pants belong in the yoga studio. What's next? Wearing a 'Speedo' to the supermarket? Imagine if men did that. Yuck!'"
男性は、ヨガパンツを tacky and ridiculous=不快で見苦しく、ばかげた格好(ロイター訳)と批判しました。
ヨガパンツは「子供たちや未成年の子たちが履くなら可愛らしいが、成人した女性が公衆の場で履いているのは異様だし見ていて不快だ」ということを言っています。
さらに「ヨガパンツはヨガスタジオで履くものだ。お次はなんだ?スーパーに海水パンツでも履いて行くのか?男性が海水パンツを履いてスーパーに行くところを想像してみてほしい。気持ち悪いだろう!?」と言っています。
ちなみに男性はミニスカートも履くべきではないという考えらしく、ヨガパンツはミニスカート以来の不快な洋服と考えているようです。
これに反応したヨガパンツ愛好者のアメリカ人女性たちが、ソーシャルメディアを通じて集まり、「平和的なヨガパンツ・パレード」を催し、アランさんの自宅の前を通りました。
We wear what we want.
私たちは着たいものを着る
と言ってアランさんに抗議しています。
さらにアランさんは脅迫状や脅迫電話を受けているとのこと。
アランさんは自身がゲイの男性であることをカミングアウトしてから何年も脅迫をされてきたそうで、今回ヨガパンツを非難したことからも同様の脅迫を受け取っているということです。
パレードに参加している女性たちの言い分。
It's OK if you're 20 and gorgeous to wear yoga pants, bud don't do it if you're older and lumpy and bumpy?
二十歳でゴージャスならヨガパンツを履いていいのに、二十歳以上で体にアラが出てきたら履いちゃダメなんておかしい。
This is NOT a hateful protest against Alan. This a wonderful group of people celebrating our bodies and our right to cover them however we see fit.
これはアランに対するヘイトデモではありません。私たちは、自分の体を愛し、着たいものを着る権利を守る有志の集まりです。
アメリカのヨガパンツ事情
ヨガパンツ、皆さん履いてますか。私はヨガに行くときはそのまま履いて行っちゃいます。車なので駐車場と店の出入りぐらいなので、ほとんど人目につくことはありません。家に帰ったらそのままヨガパンツを履いたままだったりもしますが、外出するときは着替えます。
原則、わたしたち夫婦間のルールで、ヨガパンツ(スパッツ・レギンス)での外出は禁止されています。そう、ヨガパンツで公共の場に出ることを旦那が許してくれないのです。もともと旦那がコンサーバティブだからかもしれませんが。
ヨガパンツを履くと体のラインがくっきり分かってしまいます。女性は気付いていないかもしれませんが、局部の割れ目もよく見えちゃってるんです。お尻の形もくっきり。ちなみに局部の割れ目のことを英語で camel toe (ラクダの爪)といいます。なんでラクダのツメというかはこちらの記事を参照ください。
スポーツブランドのしっかりとした厚手のヨガパンツならまだしも、アメリカではチープなスパッツみたいなのを履いている人も多いです。そうすると下着のラインもくっきり見えます。結構ボリュームのある人がチープなスパッツを履いてたりすると、パンティの柄からソング(Tバック)を履いていることまで、しっかり見えてしまうのです。
そしてアメリカはボリュームのある人が多いです。そのため、生地がミョーンと伸びてしまい、かなりの確率で、皆さん中が見えてます。
こうしたこともあって、男性目線から、旦那は私にヨガパンツを外で履かせてくれません。最初は「うるさいなー。着たいもの着させてよ!」と思ってましたが、旦那の本心を理解したのと、アメリカ人女性のヨガパンツ姿をみてハッとしたので、素直に従っています。
同様に胸元が見える服も禁止です。他の男性に見られるのがダメということもありますが、彼の言葉では
Nobody would respect you.
リスペクトされない
とか
Nobody would take you seriously.
軽視される、軽く見られる
と言うことです。
私はこの彼の考えに納得しているので、素直に従っています。 つまり私の旦那もアランさんと全く同じ考えを持っています。
ソーシャル・ジャスティス・ウォーリアーにウンザリ
少し前にゲイ・マフィアにウンザリしているという記事を書きました。
炎上記事なんじゃないのっていう人もいましたが、記事を全部読んで頂ければそうではないことが分かってもらえると思います。炎上もしてませんし、共感コメントもいくつか頂きました。
今回はゲイマフィアではなく、ソーシャル・ジャスティス・ ウォーリアーです。結論から言うと今回もウンザリしています。ヨガパンツが見苦しいって言われたって、別に批判させとけばいいじゃないの。言われようが言われまいが、ヨガパンツ履くんでしょ?着たいものを着る!って自分たちで言ってるんだし。
女性たちが「着たいものを着る」権利があるように、この男性にも「言いたいことを言う」権利があります。(アランさんはパレードの時、自宅に「Free Speech」というバナーを貼っていました。)
しかしアランさんは脅迫を受けただけでなく、ご家族、ご友人、ご近所の人たち、そしてアランさんのパートナー(アランさんはゲイ)も、パレードの時は家から離れて避難していたそうです。
パレードに参加している女性たちは、アランさんの言い分を「若い女性ならOK、年取ってきたら醜いからダメ」みたいに受け取っているようでした。
でも私はそうは受け取りませんでした。ヨガパンツは子どもなら可愛いけど、いい年した「大人の女性」が公衆で着るにはカジュアルすぎる。成人した女性なら身に着けるものに思慮分別を持つべきだというふうに解釈しました。人前にでるときは、恥ずかしい格好をするなと。見苦しい格好をするなと。
アランさんは、ヨガパンツの代わりにジーンズやパンツを履くべきだと言ってますし。アランさんのヨガパンツ批判をウーマン・エンパワーメントに結びつけるのは、いささか強引ではないでしょうか。
実際に多くの男性がヨガパンツを履いてその辺を歩いていたとしたら、局部がくっきり見えてしまって、目のやり場に困りませんかね。それが子どもなら許せますけど、成人した男性だったらどうでしょうか。嬉しいような、気まずいような。いい大人が局部の形がバッチリ見える格好をしていたら「見苦しい」と思いませんか。同じ空間にいたらきっと居心地が悪くなりますよね。男性がやったら、間違いなくセクハラ案件になると思います。
アランさんの言いたいことはそこなんだと思う。
概してアメリカは服装がカジュアルだから、「一体なんてもん着てるんだ?」と目を疑うような格好をしている人もいる。露出が激しい女性も多い。さらには若作りしまくりというか、年齢に逆らって40代、50代なのに10代や20代のような格好をしている人が多いんです。
私が見た仰天スタイルは、ディズニーランドで80歳くらいのお婆さんがカリフォルニアのサンサン太陽を80年も浴びてシミだらけ&シワッシワな胸元をあらわに、20歳の子が着るようなホルターネックとショートパンツを着ていた時です。
確かに好きなものを着る権利はありますが、正直「み、見苦しい!」と思って目を背けました。こうしたことも手伝って、私はアランさんの言い分を「年齢に相応しい presentable な格好をしなさいよ」というふうにも受け取っています。
Grow up!(大人になれ)
とも言ってますから。
それにアランさんには言いたいことを言う権利がある。それなのに脅迫状を受けているアランさんの自宅の通りを「平和デモ」と称して練り歩くソーシャル・ジャスティス・ウォーリアーにはウンザリです。
もうさぁ、アメリカ人(20代~60代)男性も一斉に透けそうなヨガパンツ履いて「平和ヨガ・パレード」って言って練り歩いたらどうかなあ。「私たちも着たいものを着る!」って言って。