Netflixで配信されている「ゾンビ・サファリパーク」を見た感想です。前半を我慢して後半に浮かばれた私の忍耐力を称えたい、CのちB級ゾンビ映画です。
【ゾンビ・サファリパーク】あらすじ
あらすじは、読んで字のごとく。
ゾンビ狩りができるZ島に行ったら、ハッキングにより?システムが故障して、コントロールされているはずのゾンビが解放されちゃってギャーの話。
主演はフィアーザウォーキングデッドでトーマス・アビゲイルを演じたダグレイ・スコットかな?ダグレイさん、こんな映画でいいのか?
【ゾンビ・サファリパーク】感想
何度も止めようかと思った前半戦…この感覚はゾンビファンでないと共感できない苦しさ。
「つまらないなぁ…イヤでもゾンビのメイクはイケてるし、もしかしたら巻き返しあるかもしれない、トム・サビーニ出てくるかも(でてこねえ)」と淡い期待を抱きながら忍耐すること45分。
そこから飛躍的な巻き返しを見せてくれたB~C級映画です。前半はC級、後半はB級というところかな。
ホラー映画あるあるは抑えている。
- イギリスアクセントで「ウェー Let's パーテー!」と頑張ってパリピアメリカンのフリしてる愛すべきイギリス人たち
- 「俺はタダものじゃないぜ」男アーチャー
- 傷を抱えているけど、わたし芯は強いのよ的、可愛いヒロイン
- 善人のフリしてっけど俺サバイバルになったら自分が一番大事だから系クサレ男
- 肝心な時にかからない車
ゾンビサファリ用の車がかからないマジックまでちゃんと使っているのは評価したい。
ひとりだけ存在感がちゃんとある男アーチャー役をダグレイ・スコットが演じています。
ダグレイ・スコットはフィアーザウォーキングデッドでストランドの金持ちの彼氏トーマス・アビゲイルを演じていました。ヒットマンやデスパレートな妻たちにも出演しています。
こんな映画に出演してていいのだろうかと思うような俳優ですが、ゾンビが好きなんだと思うと「あんた分かっとる!」と親近感を覚えて、がぜん応援したくなる。
前半45分はかなり退屈なので、ちょこっと早送りしちゃっていいですよ、特に重要なところないし。前半に1か所くらい伏線があるんで、ちょっとだけな。キャンプサイトでジープの上で女子会やってる所までサーっとな。
解放されたゾンビの登場がいけませんね、唐突すぎます。システムがフェールしてから1分もしないうちにホテルのプールとかロビーとかコントロールルームにゾンビがわらわら。ドアないんか。
ゾンビサファリのエリアはその辺にゾンビがいるんですぐ襲ってくるの分かるけど、コントロールルームとかにもあっという間にゾンビが登場してるのは納得いかないわ。ゾンビは忍び寄る恐怖が醍醐味なのに、それを抜かしてどうするのさ。
きっと後半に投下を予定している大きなネタのために、この辺はささっと仕上げたのでしょう。この時は「なんだこれ」と思うかもしれませんが、どうか我慢して見続けて下さい。
システムが崩れてしまったために数時間後に島がドローンで爆撃されるため、その前に島から逃げなければなりません。キャラ達はキャンプサイトから森、森から廃屋、廃屋からホテル/指令室へと逃げていきます。
森に入ったぐらいから段々おもしろくなります。アクションもけっこう満載で、最後のシーンは「Zネイション」みたいでした。
割と感心した点
感心したのはゾンビの種類に違いがあって、その説明の辻褄が合ってること。ゾンビ成り立て、つまり新鮮なゾンビは走るけど、腐ってきた古いゾンビはゆっくり歩いています。
この法則について、最後に投下されるネタでも「オーブン」を使うということで説明をつけていることに感心しました。
もうひとつ印象的なのは、ゾンビの語源についての説明です。
ハイチ語は分からないので本当かどうか分かりませんが、本作中の説明によれば、もともとはアフリカの言葉で魂を意味する「ンザンビ」という言葉が、奴隷として連れて行かれたハイチで「ゾンビ」になった。その意味は「自由意志の排除」つまり思考と感情の停止だということです。
この説明を聞いたときは「ふーん、ゾンビ=自由意志の排除かぁ…思考と感情の停止ね…おもしろいな」なんて「ウォーキングデッド」に思いを馳せていました。
本作を観終わったあとにこの説明を思い出すと、最後に投下される社会的なネタとこれまた辻褄が合ってしまって、ゾンビをここまで現代社会風刺に使うとはC級のくせにやるなぁなんて思いました。これだからゾンビはやめられない。