ミセスGのブログ

海外ドラマ&映画の感想もガッツリ書いている、ホラーを愛する国際結婚&アメリカ在住女のブログです。

【ハウス・オブ・エンジェルズ】ブラジルの少女売買、性奴隷の映画の感想

f:id:oclife:20170528165852j:plain

わたしの値段はいくらですか?

というキャッチフレーズが胸に突き刺さる、悲しい人身売買の現状を描いた映画です。

2006年のブラジルの作品です。

原題は Angels of the Sun です。

 

ブラジルの少女売買の実態

あまり知られてないかもしれませんが、ブラジルは少女売買が多い国です(特に北部)。本作では、ブラジルに10万人の少女が性奴隷となっているとキャプションがありました。ユニセフによれば25万人とも言われています。

BR-116という全長2700マイルのハイウェイで少女が売られているのを聞いたことがある方もいるのではないでしょうか。文字通り highway to hell(地獄のハイウェイ)です。

BR-116ハイウェイには、10マイルに一人の少女が売春をしていて、わずか8~10ポンドを手にすると言います。少女たちの証言によれば、事が終わった後、トラックドライバーたちはトラックからコンクリートの地面に蹴落としたりするそうです。

少女たちの中には9歳の子もいました。

少女たちの多くは家族に売られたケースが多く、根底に貧困があることが伺えます。少女を売る両親もまた貧しい両親に育てられ、教育を受けないまま大人になり、教育の大切さや大事なものへの価値観といったことを教えてもらえないまま、次世代へと貧困を継いでいく背景が容易に伺えます。

他には母親が仕事に行っている間に大家にレイプされて妊娠してしまい、ハンガーで自ら中絶をした16歳の少女や、母親に捨てられて近所の人に売春を強制されたなど、同じ世界とは思えないような怖ろしいことが地球の裏側で起きています。

自ら中絶をした16歳の少女はドラッグに走り、地元のギャングの下で売春をさせられているそうです。

映画でも分かるのですが、このおぞましい世界から運よく逃げ出すことができたとしても、少女たちは行き場所がありません。少女たちは貧困ゆえに売られているので、もちろん教育も受けておらず、字さえ読むことができません。

日本にいると字が読めることは当たり前のように思いますが、世界レベルで見てみると、字が読めない人々は成人で約8億人もいます。字が読めなければ知識を培うこともできず、勉強もできません。数字が分からなければ、金を数えることができず、金の価値も分からないのです。

映画の中では主人公の12歳の女の子マリアが公衆電話の使い方が分からなくて困っているシーンも見られます。

 

映画「ハウス・オブ・エンジェルズ」のあらすじ

両親に売られた12歳のマリア。女衒は、マリアをアマゾンの辺境の地の売春宿に連れて行きます。そこでは多くの少女が売春を強いられていました。来る日も来る日も何人もの男にレイプされるマリア。ある日マリアは、仲間の一人と脱走を試みますが…

といった話です。

 

映画「ハウス・オブ・エンジェルズ」の感想

扱う題材が少女売買、性奴隷ですから、これから観る方、特に女性は心して観て下さい。少女売春とかダークな世界をあまり知らないとかなりショックを受けるかもしれません。

物理的な残酷シーンが1つあるので、心臓の弱い方はお気を付けください。

12歳の少女の気持ちを考えると胸が潰れそうになるので、映画の途中からはある程度感情を押し殺して見続けました。ちょうど主人公の12歳の少女マリアが自分が置かれた地獄を生き延びるために感情を押し殺しているのと同じ原理です。

マリアが髪の毛を伸ばさずにこっそりと切っていたり、殆ど口をつぐったままだったり、置かれた悲惨な状況で最大限できることをしていたことが印象的でした。

また、マリアが無事に逃亡した先でも結局同じような道しか残されておらず、ハリウッド映画のように、良心あるNGOや政府職員に偶然出会って助けられるとか、そういうハッピーエンドはなく、ただただ残酷な現実がそこにあることを実感する映画です。

しかしこの映画は現実より遥かにマシな状況を描いていると推測しました。なぜなら軟禁される娼婦館はやけに小ぎれいで、まるで病院のようです。そこには大した汚れも血もゲロもなく、貧しいながらも清潔で小ぎれいな環境が用意されています。

また、少女達に用意される洋服もなぜか新品です。先輩の少女達も優しく、虐められることもなければ、男たちに暴力を振られている様子もありませんでした。

以前見たカンボジアの児童性奴隷を描いたドキュメンタリー映画『ザ・ピンク・ルーム』は、ドキュメンタリーということもあって現実に搾取されている少女の実態を描いたものですが、あの映画を見た時に背中に走る悪寒を、本作では感じることはありませんでした。

1つとても印象に残ったカメラワークは、イネスというマリアの友人が車につながれた時のシーンです。それまで強気を崩さなかった彼女の顔と、他の少女たちをを映し出すカメラワークがとても良かったです。

 

 関連記事

人身売買、性奴隷を描いた映画10本を紹介します。 

『ザ・ピンク・ルーム』カンボジアの児童性奴隷ドキュメンタリー映画の感想と内容  

 「娘よ」映画のあらすじ&感想~児童婚から10歳の娘を救え!母子の逃避行

 

こちらもおススメ