ミセスGのブログ

海外ドラマ&映画の感想もガッツリ書いている国際結婚&アメリカ在住女のブログです。

ミヒャエル・ハネケ作品『ピアニスト The Piano Teacher』映画のレビュー&感想

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映画「ピアニスト」を見ました。

英語の題名は The Piano Teacher。原題は La Pianiste です。

2001年、フランス、オーストリア作。

ミヒャエル・ハネケ監督の作品です。

ミヒャエル・ハネケといえば…ファニーゲームや隠された記憶など、後味の悪い映画ばかり作る監督。

ホラー映画大好きだけど、ミヒャエル・ハネケの作品は結構苦手…。

怖いし、後味悪すぎる。ゾンビに内臓かっさばかれるの見てる方がなんぼかマシ。

なんでこんなに後味の悪い映画作るんだよ!!

と怒りたくなるほど、後味が悪い映画ばかり作ってくれます。

しかも、特撮とかCGとか不要で、淡々とした日常の長巻きが多い。

それでいて後々まで記憶に残ってしまう映画ばかりなの。

ミヒャエル・ハネケは、後味の悪い映画を作ることにかけては天下一品だ。

むしろ「後味の悪い映画を作ろう」と明確な意図を持っているに違いない。

映画「ピアニスト」の感想

予備知識なく見たので、途中から「あれ…?」「あれれ…?」

中盤くらいから、なにやら妙な空気が流れ始め…グロとかじゃないのに

めまいと吐き気をもよおしてきました。

ああ、ミヒャエル・ハネケさんだったな、と再確認。

映画通なら映画を初めて見ただけでハネケだと分かるんじゃないだろうか。

支配的で依存的な母親のせいで、性的にも抑圧された主人公の女性エリカ。40過ぎてウィーン国立音楽院のピアノの教授となっても、いまだに母親と二人暮らしで、母親に縛られた日を送っている。

そんな折、爽やかな青年ワルターと出会います。予備知識がなかった私は、中年女と青年のラブロマンスを描いた映画なのかと勝手に思いましたが、すぐにその予想は裏切られました。

ああ、ミヒャエル・ハネケさんだったな、と再々確認。

エリカ式マスターベーション

ポルノショップに行ったときは、一体何するんだろうかと思ってた。個人ブースに入ってポルノを見ながら、他人の男がゴミ箱に捨てて行った使用済みティッシュの匂いを嗅ぐ。

いや、理解しがたいけど…でもよ~く考えると、なんとか理解できそうです、監督。

40年も性的に欲求不満だったら、私でもしてそうな気がします。セックスとはどういうものなのか、どんなニオイがするのか、男の匂いはどんなニオイなのか。

次の仰天シーンは、バスルームでした。

エリカはカミソリの刃を取り出し、バスタブに入ると、鏡で自分の局部を見ながら何かしています。どうやら局部を傷つけているようで、白いバスタブに鮮血が流れ落ちます。毒親の元で性的に抑圧されすぎると、自傷行為の対象が局部になってしまうのでしょうか。心理学者じゃないのでわかりませんが、なりそうな気もしてきます。

母親に「夕飯よ」と呼ばれ、テーブルに行くと、生理のように足に血が滴り落ちます。母親は生理だと思っています。おそらく生理がないのかもしれません。これがエリカにとっての毎月の生理なのでしょう。

次の仰天シーンは、ドライブインシアターです。

カーセックスをしているカップルを覗き込むエリカ。カップルがクライマックスに近づいてくると、エリカはなんと車の隣にしゃがみこんで、おしっこをします。

マスターベーションをするならわかりますが、放尿は私には意味が分かりませんでした。でも性的な象徴であることは疑いないでしょう。40年も性的に抑圧されるとこうなるんでしょうか。

エリカ様の性開放

さらに嫉妬心から生徒のコートにガラスの破片を入れて、生徒の手を傷つけたりします。

ワルターがキスしてきたときは、ああエリカにやっと春が来た…と嬉しい気持ちになるのですが、そんな淡い思いはすぐに砕かれてしまいます。

なぜか手だけでワルターを愛撫し始めるエリカ。ワルターがキスしたり抱きしめようとすると止めます。そして口で愛撫を始めるエリカ。しかしワルターがオーガズムに達する前に止めるエリカ。ペニスをしまおうとすると怒るエリカ。

単なるツンデレならいいんですが、40年以上も男性を知らないエリカは、ワルターを使ってマスターベーションをしているような感じです。

その後もワルターがキスをしたり距離を縮めようとするも、エリカは拒絶します。そしてエリカが書いた手紙を読むように何度も言います。ワルターはエリカがゲームをしていると思っています。

エリカの前で手紙を読み始めるワルター。手紙には、こうしてほしいというエリカ様の性的欲望が細かく書かれているのですが、それが度を越しています。

毒親に支配されてきたせいか、ワルターに暴力的に支配されることを願うエリカ。そしてすでに縄など過激なSM用のツールも用意していました。殴られ虐げられることを何年も望んでいたというエリカ。

ワルターは「あなたは病気だ。治療が必要だ。愛が何かさえ知らないんだ。」と言って立ち去ります。

性的衝動をどこにぶつけていいのか分からないのでしょうか?悪態つきながら横に寝ている毒母におい重なってキスをし始め「ジュテーム」と言い、泣き出してしまいます。母親を相手に見立てての行動でしょうが、可哀想でした。母親に抱きつきながら眠るエリカ。

翌日、ワルターに会いに行き、気持ちをぶつけてふつうのセックスをしようとするエリカですが、オーラルセックス中に吐いてしまい、ワルターを怒らせます。

怒ったワルターは夜中にエリカの家に行き、母親の前でエリカを平手打ちし(エリカが手紙でしてほしかったことの一つ)、母親を部屋に押し込め、エリカを殴り始めます。ワルターは、男をその気にさせたり振り回しておいてイヤとは言わせないとばかりにエリカをレイプします。エリカは横たわったまま抵抗しません。

最後はコンサート会場で、エリカに「男ったら本当にもうね~」みたいに挨拶する婦人や、ワルターが挨拶しながら客席へと急ぐ一方、エリカはロビーで自分の胸にナイフを突きつけ、ちょっと血を流しながら外に出て行つて終わります。(死ぬような傷ではありません。)

評論家・大場正明さんの評論

私にはレベルが高くて完全に理解しきれなかったのですが、評論家の大場正明さんの感想を見て、やっと理解することができました。